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調べ物とペンダント
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裏から厨房に入って、手を洗っていつものように手伝っていると、祖父が侑弥をおんぶして入ってきた。
「冬弥!泣き止まんのじゃが……」
「栞さんが抱っこしたら泣きやみますよ?」
「それでもダメじゃったからきたんだろう?」
そういう祖父は着物におんぶ紐で侑弥をおんぶしており、まだしっかり座ってない首がダランとなっていたので、下ろしてもらって膝の上に乗せて抱っこすると、すぐに泣き止んだ。
「そのおんぶひも早いんじゃない?首がダラーんとしてたよ?」
「狐の子は首が座るのも早いでのぅ。婆さんも大丈夫じゃと言うたからおぶってきたんじゃが」
「赤ちゃんて、心臓の音聞いてると安心するって本に書いてあったよ?お爺ちゃん走ったからびっくりしたんだよ」
「雪翔、どこで覚えたんです?」
「家に置いてあった本読んだだけだよ?それに前弟いたし。今は侑弥が弟だけどねー、侑弥!」
「あー」
「そうそう、兄ちゃんだよ?」
「あー」
「お腹すいたのかな?」
「乳はもうやったと婆さんが言うておったが……」
「オムツかな?」とお尻をモゾッと触ると、暖かい感触がしたので、奥においてあるベビーベッドでオムツを変えて、「スッキリしたねー」と抱っこしながら移動して、祖父に渡す。
「僕がお手伝いするか、お爺ちゃんがお手伝いするか!」
「辞めてくださいよ?父上がしたらとんでもない事になりますから」
「そのうち誰か降りてくるじゃろう?それまでほれ、その奥で遊ばせておく」
仕切りの中に、遊ぶところが作ってあり、そこにおもちゃや揺りかごが置いてあったので、祖父がそこで侑弥を遊ばせ、ご飯を並べて準備ができる頃には、みんな取りに来る前に侑弥を見に行っていた。
「人気ですねぇ」
「人見知りとかないのかな?」
「まだ分からないんじゃないですか?」
「そのうちみんな泣かれたりして」
「ですよねぇ。ほらほら、皆さんご飯食べちゃってくださいよ?侑弥は逃げませんから」
「動物じゃないんだから!」
「愚図ると狼みたいに噛み付いてきますよ?」
「え?」
「例えです」
「ビックリしちゃった。僕、家で食べるね。お爺ちゃん、帰ろう」
「おお、もういいのか?」
「うん、お腹すいちゃった」
「後はやっておくので、栞さんが起きたら無理しないように言っておいてください。それと戻ったら昨日の続きやりますから、紫狐を出しておきます」
「しーちゃん久しぶりに出てこれるんだ」
「ええ、穢れの浄化を手伝うと入ってきて、みんなが元気になった途端体調崩しましたからねぇ。紫狐も頑張り屋さんですから」
「しーちゃんは何するの?」
「雪翔が上に行くので、その補助を頼みます。慣れた狐のがいいと思うので」
「うん」
お婆ちゃんの作ってくれた朝ごはんを食べながら、「しーちゃんまだかなぁ?」とソワソワとしていたら、「ただいまなのですー」とひょっこりと紫狐が窓から入ってきた。
「しーちゃん、もう大丈夫?無理してない?」
「はいー。ゆっくりし過ぎて半纏がパツパツで……あ!」
「もう、何食べてたの?」
「えへへー。大活躍の紫狐を見せられなくて残念ですー」
「雪翔、早く食べちゃいなさい」
「うん、しーちゃんちょっと待ってね」
そういうが早いか、翡翠がぴょんと出てきて、紫狐に甘えに行っているので、久しぶりだしいいかとご飯を食べてしまう。
「雪翔君とずっと一緒だったものね。寂しかったんじゃない?」
「栞さん!そんな事ない……ことも無いかな」
「みんなが揃うまで遊んでていいわよ?」
「部屋に行ってていい?」
「勿論」
「紫狐が押しますー」と車椅子を押してくれ、部屋でみんなを出して、檪を紹介する。
「お、大きい……」
「話は聞いておる……いや、聞いてる」
「宜しくなのですー」
「まだ練習中?」
「何をですか?」
「檪の言葉が硬いから普通に話して欲しくてね、何でか金たちが教えてるんだけど……」
「そうだったのですかー。リラックスですよー」
「冬弥!泣き止まんのじゃが……」
「栞さんが抱っこしたら泣きやみますよ?」
「それでもダメじゃったからきたんだろう?」
そういう祖父は着物におんぶ紐で侑弥をおんぶしており、まだしっかり座ってない首がダランとなっていたので、下ろしてもらって膝の上に乗せて抱っこすると、すぐに泣き止んだ。
「そのおんぶひも早いんじゃない?首がダラーんとしてたよ?」
「狐の子は首が座るのも早いでのぅ。婆さんも大丈夫じゃと言うたからおぶってきたんじゃが」
「赤ちゃんて、心臓の音聞いてると安心するって本に書いてあったよ?お爺ちゃん走ったからびっくりしたんだよ」
「雪翔、どこで覚えたんです?」
「家に置いてあった本読んだだけだよ?それに前弟いたし。今は侑弥が弟だけどねー、侑弥!」
「あー」
「そうそう、兄ちゃんだよ?」
「あー」
「お腹すいたのかな?」
「乳はもうやったと婆さんが言うておったが……」
「オムツかな?」とお尻をモゾッと触ると、暖かい感触がしたので、奥においてあるベビーベッドでオムツを変えて、「スッキリしたねー」と抱っこしながら移動して、祖父に渡す。
「僕がお手伝いするか、お爺ちゃんがお手伝いするか!」
「辞めてくださいよ?父上がしたらとんでもない事になりますから」
「そのうち誰か降りてくるじゃろう?それまでほれ、その奥で遊ばせておく」
仕切りの中に、遊ぶところが作ってあり、そこにおもちゃや揺りかごが置いてあったので、祖父がそこで侑弥を遊ばせ、ご飯を並べて準備ができる頃には、みんな取りに来る前に侑弥を見に行っていた。
「人気ですねぇ」
「人見知りとかないのかな?」
「まだ分からないんじゃないですか?」
「そのうちみんな泣かれたりして」
「ですよねぇ。ほらほら、皆さんご飯食べちゃってくださいよ?侑弥は逃げませんから」
「動物じゃないんだから!」
「愚図ると狼みたいに噛み付いてきますよ?」
「え?」
「例えです」
「ビックリしちゃった。僕、家で食べるね。お爺ちゃん、帰ろう」
「おお、もういいのか?」
「うん、お腹すいちゃった」
「後はやっておくので、栞さんが起きたら無理しないように言っておいてください。それと戻ったら昨日の続きやりますから、紫狐を出しておきます」
「しーちゃん久しぶりに出てこれるんだ」
「ええ、穢れの浄化を手伝うと入ってきて、みんなが元気になった途端体調崩しましたからねぇ。紫狐も頑張り屋さんですから」
「しーちゃんは何するの?」
「雪翔が上に行くので、その補助を頼みます。慣れた狐のがいいと思うので」
「うん」
お婆ちゃんの作ってくれた朝ごはんを食べながら、「しーちゃんまだかなぁ?」とソワソワとしていたら、「ただいまなのですー」とひょっこりと紫狐が窓から入ってきた。
「しーちゃん、もう大丈夫?無理してない?」
「はいー。ゆっくりし過ぎて半纏がパツパツで……あ!」
「もう、何食べてたの?」
「えへへー。大活躍の紫狐を見せられなくて残念ですー」
「雪翔、早く食べちゃいなさい」
「うん、しーちゃんちょっと待ってね」
そういうが早いか、翡翠がぴょんと出てきて、紫狐に甘えに行っているので、久しぶりだしいいかとご飯を食べてしまう。
「雪翔君とずっと一緒だったものね。寂しかったんじゃない?」
「栞さん!そんな事ない……ことも無いかな」
「みんなが揃うまで遊んでていいわよ?」
「部屋に行ってていい?」
「勿論」
「紫狐が押しますー」と車椅子を押してくれ、部屋でみんなを出して、檪を紹介する。
「お、大きい……」
「話は聞いておる……いや、聞いてる」
「宜しくなのですー」
「まだ練習中?」
「何をですか?」
「檪の言葉が硬いから普通に話して欲しくてね、何でか金たちが教えてるんだけど……」
「そうだったのですかー。リラックスですよー」
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