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手術
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以外だなと思いながら、果物は食べないのか聞くとたまに食べると聞いた。
そのまま眠ってしまったが、夜中にかなり痛くなり薬を貰う。
恥ずかしかったが座薬を入れてもらい、ついでにトイレも尿瓶にして処理してもらう。
かなり汗が出てきたが、タオルも取れなかったので凛に取ってもらってから、眠ってからも汗を吹いていてくれたようで、朝起きるとタオルを握ったまま隅っこでくるまって寝ていた。
「凛ちゃん、凛ちゃん?」
「あ、おはようございます。着替えは出来なかったので、清めの術は掛けたんですが……」
「そんなことも出来るの?凄いね?」
「私と煌輝は最初からいるので簡単な術はできます。皆さんも最初の狐は1.2匹つくので、その子達は何かしらの能力があると思います」
「冬弥さんとか栞さんとかも?」
「はい。冬弥様はもう天狐になられてますし、神気を超えたお方と伺ってますので、漆様や琥珀様はかなりのお力をお持ちだと思います。それに、同じ癒しでしたら、冬弥様の桜狐さんのが力は私より遥かに上です。どうして私なのかと……」
「気にしなくていいんじゃない?僕はとても助かってるし」
誰か来たと姿を消したので看護士だろうと体を起こす。
「おはよう。今日の朝からは薬が出るからね。はい、体温はかって……」
血圧も測り、問題ないと食事を持ってきてもらう。
「看護士さん、もう少し体起こしたらダメ?」
「抜糸が済むまでは我慢ね。痛みはどう?」
「夜中に座薬もらったから。でも汗がすごくて」
「ご家族が来たら拭いてもらうといいわ。個室だからバスも付いてるし、上半身ならいつでも拭いていいわよ?」
「はい」
「じゃあ、しっかり食べてね。後痛み止めは三回までだから……朝はどうする?」
「今はいいです」
「我慢出来なかったら呼んでね」
ご飯は普通食で、魚と味噌汁におひたしと豆腐が付いていた。
半分起きた状態で食べるのは少し大変だったが、なんとか食べて牛乳を飲む。
「不味い……」
カラカラカラと扉が開き、冬弥と栞に冬弥の祖父母が見舞いに来た。
「雪翔、無事か!?」
「え?無事って……無事だけど?なんで?」
「昨日冬弥の家に使いを出したら、お前が刃物で切られていると聞いてのぉ、もう心配で心配で……」
「だから手術です!物騒な事言わないでください!」
「細かいことはいいんじゃ!」
「お爺さんそんなに乗っかったら雪翔が……」
「おお、すまんすまん!」
「使いって何かあったの?」
「幸さんの赤ちゃんが無事に生まれるように祈願したから、身内にはおすそ分けするしきたりでねぇ、お菓子を届けに使いを出したの。そしたら、金ちゃんと銀ちゃんが教えてくれてもうビックリしたわ」
「だから刃物……メスとか分からないもんねあの子達」
「で?どうなんじゃ?」
「どうって、昨日の今日だし……まだ動けないけど、二週間くらいで帰れるって」
「そうか!」
「だから言ったでしょう?もう心配しすぎです。幸さんのお腹に障ったらどうするんですか!」
「もう寝込んでおるわ!」
「それは悪阻ですよ?お爺さん……」
そのまま眠ってしまったが、夜中にかなり痛くなり薬を貰う。
恥ずかしかったが座薬を入れてもらい、ついでにトイレも尿瓶にして処理してもらう。
かなり汗が出てきたが、タオルも取れなかったので凛に取ってもらってから、眠ってからも汗を吹いていてくれたようで、朝起きるとタオルを握ったまま隅っこでくるまって寝ていた。
「凛ちゃん、凛ちゃん?」
「あ、おはようございます。着替えは出来なかったので、清めの術は掛けたんですが……」
「そんなことも出来るの?凄いね?」
「私と煌輝は最初からいるので簡単な術はできます。皆さんも最初の狐は1.2匹つくので、その子達は何かしらの能力があると思います」
「冬弥さんとか栞さんとかも?」
「はい。冬弥様はもう天狐になられてますし、神気を超えたお方と伺ってますので、漆様や琥珀様はかなりのお力をお持ちだと思います。それに、同じ癒しでしたら、冬弥様の桜狐さんのが力は私より遥かに上です。どうして私なのかと……」
「気にしなくていいんじゃない?僕はとても助かってるし」
誰か来たと姿を消したので看護士だろうと体を起こす。
「おはよう。今日の朝からは薬が出るからね。はい、体温はかって……」
血圧も測り、問題ないと食事を持ってきてもらう。
「看護士さん、もう少し体起こしたらダメ?」
「抜糸が済むまでは我慢ね。痛みはどう?」
「夜中に座薬もらったから。でも汗がすごくて」
「ご家族が来たら拭いてもらうといいわ。個室だからバスも付いてるし、上半身ならいつでも拭いていいわよ?」
「はい」
「じゃあ、しっかり食べてね。後痛み止めは三回までだから……朝はどうする?」
「今はいいです」
「我慢出来なかったら呼んでね」
ご飯は普通食で、魚と味噌汁におひたしと豆腐が付いていた。
半分起きた状態で食べるのは少し大変だったが、なんとか食べて牛乳を飲む。
「不味い……」
カラカラカラと扉が開き、冬弥と栞に冬弥の祖父母が見舞いに来た。
「雪翔、無事か!?」
「え?無事って……無事だけど?なんで?」
「昨日冬弥の家に使いを出したら、お前が刃物で切られていると聞いてのぉ、もう心配で心配で……」
「だから手術です!物騒な事言わないでください!」
「細かいことはいいんじゃ!」
「お爺さんそんなに乗っかったら雪翔が……」
「おお、すまんすまん!」
「使いって何かあったの?」
「幸さんの赤ちゃんが無事に生まれるように祈願したから、身内にはおすそ分けするしきたりでねぇ、お菓子を届けに使いを出したの。そしたら、金ちゃんと銀ちゃんが教えてくれてもうビックリしたわ」
「だから刃物……メスとか分からないもんねあの子達」
「で?どうなんじゃ?」
「どうって、昨日の今日だし……まだ動けないけど、二週間くらいで帰れるって」
「そうか!」
「だから言ったでしょう?もう心配しすぎです。幸さんのお腹に障ったらどうするんですか!」
「もう寝込んでおるわ!」
「それは悪阻ですよ?お爺さん……」
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