73 / 99
手術
.
しおりを挟む
すぐに夜間の診察室に呼ばれ、体温を計られてから足のレントゲンなどをとる。
撮るのにはなれたが、結果を聞くのが怖い。
「かなり熱があるのに体が冷えきってます。足の方は当直で先生がいますので変わります。熱冷ましの薬は出せるんですが、夜間なので三日分しか出せませんので、また昼に来てもらうことになりますが、もう少し待っていただければ担当医が来ますので……」
と言ったところで冬弥が術をかけたのがわかる。すぐにいつもの先生が来て足の状態を診てくれるが、あまりいい顔をしていない。
説明は僕も聞く!と言い張ったが、まずは家族にと言われ秋彪が外の待合室で付いててくれる。
「なんか飲むか?」
待合室にある自販機の前で小銭を取り出し、秋彪は炭酸飲料を。暖かいお茶が良かったのかもしれないが、喉が渇くので水を買ってもらう。
「なぁ、足……だけど。つかまって歩いてたって言ってたよな?」
「うん」
「痛みとかなかったのか?」
「右足が動きにくいとは思ってたけど、寒いのと前が見えないので焦っちゃって……帰らなきゃってので必死だった……」
「そうか……あ、お前、那智から札渡されてなかったか?」
「鞄に入ってる」
「それ使えば那智の影なり那智がきたのに」
「え?でもこの札は変なモノから身を守るものじゃ無いの?」
「それもあるが、使えば那智に伝わる。今度から使えよ?これも渡しておく」
そう言って木製の札が入っているというお守りをもらう。
「それ握って呼べ。俺か影が行くから」
「ありがとう……」
「なに、昔の稲荷の礼だ。気にすんな」
パタパタと外が慌ただしくなり、冬弥たちが戻ってきて検査入院と言われる。
「検査?」
「足の関節と腰……精密検査をします。熱は雨に打たれた事もありますけど、車椅子から落ちた時に足を打ってるでしょう?そこから来てるかも知れないということです。治すためですから我慢してくださいね?」
「はい……」
「すまん、俺がちゃんとした車椅子持ってこさせれていたらこんな事にはならなかった」
「そんな!那智さんのせいじゃ……」
「那智のせいですねぇ」
「那智だな!」
「私は微妙です!」
「みんな責めないでよ……お願い。僕検査受けるから。それと、入院中のパンフレットで見たんだけど、寝巻きやタオルとかレンタルできるみたい。少しの入院ならそれでいいよ?」
「そうですねぇ。ならそれでしましょうか」
部屋はまたもや術を使ったのか個室で、かなり広い。
「私達は帰らないといけないのですが、明日また来ます。那智の狐を置いていきますから、こき使っていいですよ?」
「煌輝と凛だ。使いに出す時は煌輝のが早い。本でも持ってくるか?」
いくつかの本を頼んでから病室に入り、明日の朝に説明があるというので点滴をされ寝るように言われる。
一旦みんなが帰ったあと、寝付けずにボーッとしていると、珍しく煌輝が話しかけてきた。
「主が申し訳ないことをしました」
「え?那智さんのせいじゃないよ?あれはたまたま車椅子の調子が悪かったんだし、それに試作品だって言ってたから気にしないでよ」
「ですが……」
「僕も、札の使い方わからなかったのも行けなかったんだ。誰のせいでもないからね?」
「ならば良いのですが……」
「もしかして那智さん気にしてるのかな?」
「落ち込んでるというよりは、車椅子の会社で試作品をもらってきたことに……」
「気にしなくていいのにな……歩いて帰ろうとか自分でしたことだから誰のせいでもないんだよね」
「私がある程度の回復はできますが、気の回りが違うので時間がかかります」
「ありがとう凛ちゃん、凛ちゃんも無理しないでね?」
撮るのにはなれたが、結果を聞くのが怖い。
「かなり熱があるのに体が冷えきってます。足の方は当直で先生がいますので変わります。熱冷ましの薬は出せるんですが、夜間なので三日分しか出せませんので、また昼に来てもらうことになりますが、もう少し待っていただければ担当医が来ますので……」
と言ったところで冬弥が術をかけたのがわかる。すぐにいつもの先生が来て足の状態を診てくれるが、あまりいい顔をしていない。
説明は僕も聞く!と言い張ったが、まずは家族にと言われ秋彪が外の待合室で付いててくれる。
「なんか飲むか?」
待合室にある自販機の前で小銭を取り出し、秋彪は炭酸飲料を。暖かいお茶が良かったのかもしれないが、喉が渇くので水を買ってもらう。
「なぁ、足……だけど。つかまって歩いてたって言ってたよな?」
「うん」
「痛みとかなかったのか?」
「右足が動きにくいとは思ってたけど、寒いのと前が見えないので焦っちゃって……帰らなきゃってので必死だった……」
「そうか……あ、お前、那智から札渡されてなかったか?」
「鞄に入ってる」
「それ使えば那智の影なり那智がきたのに」
「え?でもこの札は変なモノから身を守るものじゃ無いの?」
「それもあるが、使えば那智に伝わる。今度から使えよ?これも渡しておく」
そう言って木製の札が入っているというお守りをもらう。
「それ握って呼べ。俺か影が行くから」
「ありがとう……」
「なに、昔の稲荷の礼だ。気にすんな」
パタパタと外が慌ただしくなり、冬弥たちが戻ってきて検査入院と言われる。
「検査?」
「足の関節と腰……精密検査をします。熱は雨に打たれた事もありますけど、車椅子から落ちた時に足を打ってるでしょう?そこから来てるかも知れないということです。治すためですから我慢してくださいね?」
「はい……」
「すまん、俺がちゃんとした車椅子持ってこさせれていたらこんな事にはならなかった」
「そんな!那智さんのせいじゃ……」
「那智のせいですねぇ」
「那智だな!」
「私は微妙です!」
「みんな責めないでよ……お願い。僕検査受けるから。それと、入院中のパンフレットで見たんだけど、寝巻きやタオルとかレンタルできるみたい。少しの入院ならそれでいいよ?」
「そうですねぇ。ならそれでしましょうか」
部屋はまたもや術を使ったのか個室で、かなり広い。
「私達は帰らないといけないのですが、明日また来ます。那智の狐を置いていきますから、こき使っていいですよ?」
「煌輝と凛だ。使いに出す時は煌輝のが早い。本でも持ってくるか?」
いくつかの本を頼んでから病室に入り、明日の朝に説明があるというので点滴をされ寝るように言われる。
一旦みんなが帰ったあと、寝付けずにボーッとしていると、珍しく煌輝が話しかけてきた。
「主が申し訳ないことをしました」
「え?那智さんのせいじゃないよ?あれはたまたま車椅子の調子が悪かったんだし、それに試作品だって言ってたから気にしないでよ」
「ですが……」
「僕も、札の使い方わからなかったのも行けなかったんだ。誰のせいでもないからね?」
「ならば良いのですが……」
「もしかして那智さん気にしてるのかな?」
「落ち込んでるというよりは、車椅子の会社で試作品をもらってきたことに……」
「気にしなくていいのにな……歩いて帰ろうとか自分でしたことだから誰のせいでもないんだよね」
「私がある程度の回復はできますが、気の回りが違うので時間がかかります」
「ありがとう凛ちゃん、凛ちゃんも無理しないでね?」
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
黒龍の神嫁は溺愛から逃げられない
めがねあざらし
BL
「神嫁は……お前です」
村の神嫁選びで神託が告げたのは、美しい娘ではなく青年・長(なが)だった。
戸惑いながらも黒龍の神・橡(つるばみ)に嫁ぐことになった長は、神域で不思議な日々を過ごしていく。
穏やかな橡との生活に次第に心を許し始める長だったが、ある日を境に彼の姿が消えてしまう――。
夢の中で響く声と、失われた記憶が導く、神と人の恋の物語。
下宿屋 東風荘 5
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*゜☆.。.:*゚☆
下宿屋を営む天狐の養子となった雪翔。
車椅子生活を送りながらも、みんなに助けられながらリハビリを続け、少しだけ掴まりながら歩けるようにまでなった。
そんな雪翔と新しい下宿屋で再開した幼馴染の航平。
彼にも何かの能力が?
そんな幼馴染に狐の養子になったことを気づかれ、一緒に狐の国に行くが、そこで思わぬハプニングが__
雪翔にのんびり学生生活は戻ってくるのか!?
☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*☆.。.:*゚☆
イラストの無断使用は固くお断りさせて頂いております。
下宿屋 東風荘 6
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*°☆.。.:*・°☆*:..
楽しい旅行のあと、陰陽師を名乗る男から奇襲を受けた下宿屋 東風荘。
それぞれの社のお狐達が守ってくれる中、幼馴染航平もお狐様の養子となり、新たに新学期を迎えるが______
雪翔に平穏な日々はいつ訪れるのか……
☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*°☆.。.:*☆.。.:*゚☆
表紙の無断使用は固くお断りさせて頂いております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
『イケメンイスラエル大使館員と古代ユダヤの「アーク探し」の5日間の某国特殊部隊相手の大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第1弾!』
あらお☆ひろ
キャラ文芸
「なつ&陽菜コンビ」にニコニコ商店街・ニコニコプロレスのメンバーが再集結の第1弾!
もちろん、「なっちゃん」の恋愛小説シリーズ第1弾でもあります!
ニコニコ商店街・ニコニコポロレスのメンバーが再集結。
稀世・三郎夫婦に3歳になったひまわりに直とまりあ。
もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。
今作の主人公は「夏子」?
淡路島イザナギ神社で知り合ったイケメン大使館員の「MK」も加わり10人の旅が始まる。
ホテルの庭で偶然拾った二つの「古代ユダヤ支族の紋章の入った指輪」をきっかけに、古来ユダヤの巫女と化した夏子は「部屋荒らし」、「ひったくり」そして「追跡」と謎の外人に追われる!
古代ユダヤの支族が日本に持ち込んだとされる「ソロモンの秘宝」と「アーク(聖櫃)」に入れられた「三種の神器」の隠し場所を夏子のお告げと客観的歴史事実を基に淡路、徳島、京都、長野、能登、伊勢とアークの追跡が始まる。
もちろん最後はお決まりの「ドンパチ」の格闘戦!
アークと夏子とMKの恋の行方をお時間のある人はゆるーく一緒に見守ってあげてください!
では、よろひこー (⋈◍>◡<◍)。✧♡!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる