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手術
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学校の受付のようなところに行き名前を言うと大きな紙袋を渡される。
教科書と説明書というのも入っており、問題集もかなりの量がある。
「すごい量ですねぇ。車で来て正解でした」
「ここに二年間通うんだよね?」
「ええ、校舎は離れてますし、行く時間は夜間にしましたから送り迎えします」
「バスでいいよ?」
「最初だけです。すぐ、説明会もあるのでその説明書も読んでおいた方がいいかもしれませんねぇ」
「帰ったら見てみるけど、前の学校より分厚い……」
「わからないところはみんなに聞けばいいですが、月に数回行くでしょう?先生に聞くのもいいと思いますよ?」
「そうする……」
ポンポンと頭を撫でられ、車で下宿まで帰り部屋の本棚に並べて説明書を読む。
最近は出しておいても本など破ったりしないので、好きにさせているが、たまに興味のあるものなどは勝手に本を開いて白と黒は読んでいる。
「ご飯よー」と栞が戸を開けると何故か白と黒が飛びつくので、やめなさい!と怒る毎日。
「なんで飛びつくの?ダメっていつも言ってるじゃんか!」
「し、リンゴ、ない」
「りんご欲しいの?後で剥きましょうか?」
「し、すき」
「だったら飛びかからないでね?ビックリしちゃうから」
りんごをくれると言ったからか白も黒もウンウンと頷き、ふわふわ飛んでダイニングへと行く。
「りんご以外食べないの?」
「あれ」
指をさしたのはおやつ入れのおせんべいやあられの入っている器。
「式って食べないんじゃないの?」
「ないことは、ない」
「はいはい。あとでね?今晩何?」
「ハンバーグだけど、今日は休みの日だから三人でって約束したのに、冬弥様いきなり仕事ですって出かけちゃって……。帰ってきたらお酒飲むからおつまみになっちゃうでしょう?まだ……割れた爪とかちゃんと治ってないのに」
「治ってない?」
「普段の小さな傷は治せるみたい。でも試練の時の傷は治せないみたいなの。自然に治るの待つしか無いって言ってたけど……」
「そんなに酷いの?」
「前に比べたらかなり治ってるのよ?でもまだ、親指が……」
「大丈夫かな?」
「痛くないって言ってたけど、普段裸足でしょう?だから気になっちゃって。はい、今日は多めのハンバーグどうぞ!」
「一個半?」
「だって勿体ないんですもの」
「栞さんも?」
「ええ、最近すごくお腹空くの。太っちゃう!」
白と黒がじーっと栞を見て、お腹を指さす。
「え?何?お腹出てきたとか言わないでね?」
フルフルフル
「でる」と黒が言うと、「まだ出ない」と白が言う。
「もうやだー。太ったってことかしら」
と呑気に言っているので、白と黒に座っててねと言ってご飯を食べる。
「栞さん、今日もらってきた説明書に書いてあったんだけど、毎週郵送でプリント送らないといけないんだって。パソコンからも出来るみたいだけど、僕手書きのが好きだから。この辺にポストあった?」
教科書と説明書というのも入っており、問題集もかなりの量がある。
「すごい量ですねぇ。車で来て正解でした」
「ここに二年間通うんだよね?」
「ええ、校舎は離れてますし、行く時間は夜間にしましたから送り迎えします」
「バスでいいよ?」
「最初だけです。すぐ、説明会もあるのでその説明書も読んでおいた方がいいかもしれませんねぇ」
「帰ったら見てみるけど、前の学校より分厚い……」
「わからないところはみんなに聞けばいいですが、月に数回行くでしょう?先生に聞くのもいいと思いますよ?」
「そうする……」
ポンポンと頭を撫でられ、車で下宿まで帰り部屋の本棚に並べて説明書を読む。
最近は出しておいても本など破ったりしないので、好きにさせているが、たまに興味のあるものなどは勝手に本を開いて白と黒は読んでいる。
「ご飯よー」と栞が戸を開けると何故か白と黒が飛びつくので、やめなさい!と怒る毎日。
「なんで飛びつくの?ダメっていつも言ってるじゃんか!」
「し、リンゴ、ない」
「りんご欲しいの?後で剥きましょうか?」
「し、すき」
「だったら飛びかからないでね?ビックリしちゃうから」
りんごをくれると言ったからか白も黒もウンウンと頷き、ふわふわ飛んでダイニングへと行く。
「りんご以外食べないの?」
「あれ」
指をさしたのはおやつ入れのおせんべいやあられの入っている器。
「式って食べないんじゃないの?」
「ないことは、ない」
「はいはい。あとでね?今晩何?」
「ハンバーグだけど、今日は休みの日だから三人でって約束したのに、冬弥様いきなり仕事ですって出かけちゃって……。帰ってきたらお酒飲むからおつまみになっちゃうでしょう?まだ……割れた爪とかちゃんと治ってないのに」
「治ってない?」
「普段の小さな傷は治せるみたい。でも試練の時の傷は治せないみたいなの。自然に治るの待つしか無いって言ってたけど……」
「そんなに酷いの?」
「前に比べたらかなり治ってるのよ?でもまだ、親指が……」
「大丈夫かな?」
「痛くないって言ってたけど、普段裸足でしょう?だから気になっちゃって。はい、今日は多めのハンバーグどうぞ!」
「一個半?」
「だって勿体ないんですもの」
「栞さんも?」
「ええ、最近すごくお腹空くの。太っちゃう!」
白と黒がじーっと栞を見て、お腹を指さす。
「え?何?お腹出てきたとか言わないでね?」
フルフルフル
「でる」と黒が言うと、「まだ出ない」と白が言う。
「もうやだー。太ったってことかしら」
と呑気に言っているので、白と黒に座っててねと言ってご飯を食べる。
「栞さん、今日もらってきた説明書に書いてあったんだけど、毎週郵送でプリント送らないといけないんだって。パソコンからも出来るみたいだけど、僕手書きのが好きだから。この辺にポストあった?」
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