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陰陽の守り神
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「院に行くんじゃなかったんですか?」
「そうだけど、それは反対されてないんだ。ただ、生活費は減るからって言われたから、もう少しバイトも増やそうかなって思ってる所で」
「年齢的には大人ですからねぇ」
「で、今日帰りに面接行ってくるから」
「家庭教師の?」
「そこのコンビニ!近いし時給もまぁまぁいいから、家庭教師ない日は入れるだけ入ろうかなって。冬弥さん、夜勤はダメですか?」
「親御さんの許可があれば構いませんよ?」
「よし、稼ごう!」
「海都君、お菓子買えなくなるね」
「だろ?」
「下宿に住む未成年の抑止にもなるかもね」
「駐車場によくいるヤツら?」
「うん、あれって入りにくいんだよね。こちらは悪くないんだけど、特に夜なんかは」
「堀内さんUターンして帰りそうだもんね」
「え?帰らないよ?買うものはちゃんと買うけど、目は合わせないようにするかな?雪翔君は絡まれやすそうだから、隆弘くんがいる時は逃げ込めばいいよ」
「そうする」
朝食後は返却口にトレーを返す形となっており、夜もそのシステムで行くと言われた。
「本当ならばみんなでしてもらいたかったんですけど、大きくなってしまったので仕方ありません。それに、食器洗い乾燥機も付いてるので大きなものは任せられます」
「ほとんど洗ってから乾燥機にかけるんだけど。何となく本当に洗えてるのかなーって思っちゃって」
「使ってみたらいいのに」
「今度使いますよ?大皿の時に。ただ、水道代上がりそうですよねぇ」
「そうか、水たくさん使うから……」
「それです!それに癖も抜けないんですよ……っと電話です。もしもし……はい、今から行きますから動かないでくださいね」
「どうしたの?」
「駅に海都が戻ってきたらしいんですが、持って帰ってきた発泡スチロールから水漏れしたみたいでして。迎えに行ってきます」
戻ってきた海都はズボンがびしょびしょになっており、お風呂入ってくるとキャリーバックとリュックを背負って部屋に行ってしまった。
「どうするの?」
「お土産と言われたんですが、開けてみましょうか」
開けるとまだ生きているエビやイカに魚や貝が入っており、ひとまず違う発泡スチロールに移し替えることにした。
「今日はお刺身に決定ですねぇ。貝はまた焼きましょうか?」
「海鮮鍋は?エビたくさんあるし」
「それもいいですねぇ。後で白菜とってこないと……」
本当に風呂に入ってきたのか?と思うくらい早く海都が降りてきて、冬弥に手紙を渡している。
「あぁ、分かりました。印鑑押しておくので、ちゃんと先生に渡してくださいよ?」
「うん」
「海都君、ご飯は?」
「駅弁食べた。父ちゃんが三つ買ってくれたから」
「全部?」
「おう!毎日海の上で握りばっかり食べてたからさ、もう美味しくて……」
「釣りですか?」
「じいちゃんの手伝い。雇ってた人が怪我しちゃって、代わりに俺が船のって網引いてたんだ。入ってたエビは俺が取ったの。小さい網でコソコソと」
「じゃあ今夜はこそこそ鍋にします」
「そうだけど、それは反対されてないんだ。ただ、生活費は減るからって言われたから、もう少しバイトも増やそうかなって思ってる所で」
「年齢的には大人ですからねぇ」
「で、今日帰りに面接行ってくるから」
「家庭教師の?」
「そこのコンビニ!近いし時給もまぁまぁいいから、家庭教師ない日は入れるだけ入ろうかなって。冬弥さん、夜勤はダメですか?」
「親御さんの許可があれば構いませんよ?」
「よし、稼ごう!」
「海都君、お菓子買えなくなるね」
「だろ?」
「下宿に住む未成年の抑止にもなるかもね」
「駐車場によくいるヤツら?」
「うん、あれって入りにくいんだよね。こちらは悪くないんだけど、特に夜なんかは」
「堀内さんUターンして帰りそうだもんね」
「え?帰らないよ?買うものはちゃんと買うけど、目は合わせないようにするかな?雪翔君は絡まれやすそうだから、隆弘くんがいる時は逃げ込めばいいよ」
「そうする」
朝食後は返却口にトレーを返す形となっており、夜もそのシステムで行くと言われた。
「本当ならばみんなでしてもらいたかったんですけど、大きくなってしまったので仕方ありません。それに、食器洗い乾燥機も付いてるので大きなものは任せられます」
「ほとんど洗ってから乾燥機にかけるんだけど。何となく本当に洗えてるのかなーって思っちゃって」
「使ってみたらいいのに」
「今度使いますよ?大皿の時に。ただ、水道代上がりそうですよねぇ」
「そうか、水たくさん使うから……」
「それです!それに癖も抜けないんですよ……っと電話です。もしもし……はい、今から行きますから動かないでくださいね」
「どうしたの?」
「駅に海都が戻ってきたらしいんですが、持って帰ってきた発泡スチロールから水漏れしたみたいでして。迎えに行ってきます」
戻ってきた海都はズボンがびしょびしょになっており、お風呂入ってくるとキャリーバックとリュックを背負って部屋に行ってしまった。
「どうするの?」
「お土産と言われたんですが、開けてみましょうか」
開けるとまだ生きているエビやイカに魚や貝が入っており、ひとまず違う発泡スチロールに移し替えることにした。
「今日はお刺身に決定ですねぇ。貝はまた焼きましょうか?」
「海鮮鍋は?エビたくさんあるし」
「それもいいですねぇ。後で白菜とってこないと……」
本当に風呂に入ってきたのか?と思うくらい早く海都が降りてきて、冬弥に手紙を渡している。
「あぁ、分かりました。印鑑押しておくので、ちゃんと先生に渡してくださいよ?」
「うん」
「海都君、ご飯は?」
「駅弁食べた。父ちゃんが三つ買ってくれたから」
「全部?」
「おう!毎日海の上で握りばっかり食べてたからさ、もう美味しくて……」
「釣りですか?」
「じいちゃんの手伝い。雇ってた人が怪我しちゃって、代わりに俺が船のって網引いてたんだ。入ってたエビは俺が取ったの。小さい網でコソコソと」
「じゃあ今夜はこそこそ鍋にします」
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