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七泊八日
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居ないと思っていたら、祖母二人が「こっちよ!」と手を振っている。
「ここは?」
「ちょっと大きな屋台のようなものじゃ。休憩所に使われておる。周りの屋台のものも持ち込めるから何か買いに行くか?」
「うん!」
「儂は残っておるから近くを見て回ってくるといい」
「爺さん、俺がいるからっていいのか?」
「構わん。お主は裏切らんじゃろう?」
「確かに。栞殿の爺さんはどうする?」
「儂は着いていくぞ?たしか酒の屋台があったはずだからの」
「儂の分も頼む」
「行ってくるね!」
神輿周りの屋台はいろんな店が出ていて、人種も様々だった。
「熊が焼きそば焼いてる……」
「祭りの時期は色々なところから集まるんだよ。あそこの屋台はイカ焼き。たこ焼きもあるし、串魚もある。薬膳粥も人気でうさぎが来てるはずなんだが……」
何を買おうかなと見ていると、やはり持ち運びやすいたこ焼きや焼きそばになってしまう。
「お爺ちゃん」と栞の祖父を呼び、 いらっしゃい!と元気に掛け声している屋台を指さす。
「あれは何?」
「ああ、見たことなかったか?あれは薄い皮に焼いたうどんが巻かれておるんじゃ」
「見ただけだとクレープみたい……」
「くれえぷ?」
「うん、薄い皮に生クリームとか果物が沢山乗ってて巻いてあるの。美味しいんだよ」
「次に行った時に食べてみようかの。甘いものは好きなんじゃ」
三郎と四郎がみんなの分の焼きそばなどを持ってくれたので、フランクフルトならぬウインナーの詰め合わせなども買って戻る。
祖父はしっかりお酒を持っており、戻るとお茶やジュースなどが置かれていた。
みんなに配って、周太郎と三郎達にも渡す。
「我々は……」
「いいから!同じようにしてないと変に思われるし、お腹空くでしょ?」
それに対して祖父はケラケラと笑っていたが、奥の方にあった射的などもしたいと言うと、時間はあるからゆっくりと行けばいいと言われ、ご飯を食べる。
「雪翔、お薬は飲まなきゃね」
「うん。眠くならないといいんだけどなぁ」
「帰りは遅くなるけど、日付が変わる時に花火が上がるからびっくりして起きるわよ」
「花火上がるの?」
「今年はかなり期待できると聞きましたよ?お客さんが言ってたから」
「儂も聞いたな。城の方で上がるらしい」
「お爺さん、見に行きましょうよ」
「昴よ、お主聞いておったか?」
「まぁ。新たな天狐も来ましたから余計にでしょうね。城の裏手からなのでもう少し前に行くだけで見れると思いますよ?」
「お爺ちゃん」
「そんな顔をするな。ちゃんと見に行く。だからちゃんと食べなさい」
「やったぁ!あ、周太郎さん、たこ焼き一個頂戴!」
みんなでつついて食べて、お腹いっぱいになったところで射的に行く。
三回で的に当たるのかな?というほど小さなものから大きなものまであるが、倒れないとダメだというので、一番手前の軽そうなものを狙う。
「ここは?」
「ちょっと大きな屋台のようなものじゃ。休憩所に使われておる。周りの屋台のものも持ち込めるから何か買いに行くか?」
「うん!」
「儂は残っておるから近くを見て回ってくるといい」
「爺さん、俺がいるからっていいのか?」
「構わん。お主は裏切らんじゃろう?」
「確かに。栞殿の爺さんはどうする?」
「儂は着いていくぞ?たしか酒の屋台があったはずだからの」
「儂の分も頼む」
「行ってくるね!」
神輿周りの屋台はいろんな店が出ていて、人種も様々だった。
「熊が焼きそば焼いてる……」
「祭りの時期は色々なところから集まるんだよ。あそこの屋台はイカ焼き。たこ焼きもあるし、串魚もある。薬膳粥も人気でうさぎが来てるはずなんだが……」
何を買おうかなと見ていると、やはり持ち運びやすいたこ焼きや焼きそばになってしまう。
「お爺ちゃん」と栞の祖父を呼び、 いらっしゃい!と元気に掛け声している屋台を指さす。
「あれは何?」
「ああ、見たことなかったか?あれは薄い皮に焼いたうどんが巻かれておるんじゃ」
「見ただけだとクレープみたい……」
「くれえぷ?」
「うん、薄い皮に生クリームとか果物が沢山乗ってて巻いてあるの。美味しいんだよ」
「次に行った時に食べてみようかの。甘いものは好きなんじゃ」
三郎と四郎がみんなの分の焼きそばなどを持ってくれたので、フランクフルトならぬウインナーの詰め合わせなども買って戻る。
祖父はしっかりお酒を持っており、戻るとお茶やジュースなどが置かれていた。
みんなに配って、周太郎と三郎達にも渡す。
「我々は……」
「いいから!同じようにしてないと変に思われるし、お腹空くでしょ?」
それに対して祖父はケラケラと笑っていたが、奥の方にあった射的などもしたいと言うと、時間はあるからゆっくりと行けばいいと言われ、ご飯を食べる。
「雪翔、お薬は飲まなきゃね」
「うん。眠くならないといいんだけどなぁ」
「帰りは遅くなるけど、日付が変わる時に花火が上がるからびっくりして起きるわよ」
「花火上がるの?」
「今年はかなり期待できると聞きましたよ?お客さんが言ってたから」
「儂も聞いたな。城の方で上がるらしい」
「お爺さん、見に行きましょうよ」
「昴よ、お主聞いておったか?」
「まぁ。新たな天狐も来ましたから余計にでしょうね。城の裏手からなのでもう少し前に行くだけで見れると思いますよ?」
「お爺ちゃん」
「そんな顔をするな。ちゃんと見に行く。だからちゃんと食べなさい」
「やったぁ!あ、周太郎さん、たこ焼き一個頂戴!」
みんなでつついて食べて、お腹いっぱいになったところで射的に行く。
三回で的に当たるのかな?というほど小さなものから大きなものまであるが、倒れないとダメだというので、一番手前の軽そうなものを狙う。
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