35 / 99
七泊八日
.
しおりを挟む
その後は外からではなく室内から台所に行き、お土産のお菓子をみんなで食べてと三箱渡していて、その後は鍋の使い方と調味料の使い方を教えると言ったので、部屋に戻って本の続きを読む。
「ゆっきー」
「何?」
「ゆっきーは旅行とか行ったことあるんですか?」
「中学と小学校で行ったよ。中学はディズニーランドで、小学校は京都と奈良」
「大仏さんですね!」
「よく知ってるね?行ったことあるの?」
「冬弥様が旅をしている時に。葛餅が忘れられません」
「しーちゃんも、食べ物につられるのか……」
「そんな事ないですー!」
「だってこの前も……」
「それは内緒です。沢山お団子を食べていたことは内緒なのです!」
「ほら、ね?おやつ好きなの知ってるもん」
「ううっ!お団子美味しいからつい……」
「言わないから大丈夫だよ?」
「良かったです……」
その後夕飯の時間になっても冬弥と京弥は帰ってこず、夜は少しだけ足のマッサージをしてから寝ることにした。
朝もいつも通りに起きていくと、みんな何事も無かったように挨拶してくるのでもう問題は解決したのかな?と部屋に入る。
「あれ?いつ帰ってきたの?」
「先程……兄もそろそろ帰ってくると思いますよ?それより、おはようでしょう?」
「あ、おはよう……」
「で、足の傷は痛みます?」
「擦り傷だけだったし、傷薬も塗ってもらったから平気だけど、結局どうなったの?このままお祭り行けないのかなぁ」
「今回は2つの件が絡んでましてねぇ。城の方でしっかりと話してきたので一つは大丈夫です。もう一つはやはり城からの入れ知恵と、不作にした上で敢えて牢に入ってこの冬を過ごそうと企んだ野党でした。数人人間界でもお世話になったことがあるようで、それをみんなに教えたらしいです。雪翔の事はそのついでだったようですねぇ」
「ついでって……怖かったのに……」
撫で撫で撫で撫で撫で撫で……
「キュー!」
翡翠もなでてと言わんばかりに早速出てきたが、何故か冬弥に高い高いされ、キャッキャッと喜んでいるが、冬弥は何かを見ているようで、最終的には膝の上に乗せ撫でている。
「紫狐から話は聞きましたが、翡翠がなにかしたようには感じませんねぇ。やはり雪翔が無意識にこの子達を守ろうとして力が働いたのでしょうか……」
「僕もわからないんだけど……」
「そのうちわかると思いますが、翡翠は甘やかしすぎじゃないですか?」
「だって、出てくるんだもん。泣くから可愛そうになっちゃって」
「そろそろ躾も必要ですねぇ」
「お爺ちゃんはまだいいって言ってたよ?」
「話す頃からでしたっけ?」
「そう聞いてるよ」
「そうですねぇ……もう少し様子みましょうか」
その後久しぶりに台所に立つと言ったのでついていくと、周りから散々止めに入られたのにも関わらず大根を手に食材を探しているので、諦めた方がいいよとみんなに話す。
「ゆっきー」
「何?」
「ゆっきーは旅行とか行ったことあるんですか?」
「中学と小学校で行ったよ。中学はディズニーランドで、小学校は京都と奈良」
「大仏さんですね!」
「よく知ってるね?行ったことあるの?」
「冬弥様が旅をしている時に。葛餅が忘れられません」
「しーちゃんも、食べ物につられるのか……」
「そんな事ないですー!」
「だってこの前も……」
「それは内緒です。沢山お団子を食べていたことは内緒なのです!」
「ほら、ね?おやつ好きなの知ってるもん」
「ううっ!お団子美味しいからつい……」
「言わないから大丈夫だよ?」
「良かったです……」
その後夕飯の時間になっても冬弥と京弥は帰ってこず、夜は少しだけ足のマッサージをしてから寝ることにした。
朝もいつも通りに起きていくと、みんな何事も無かったように挨拶してくるのでもう問題は解決したのかな?と部屋に入る。
「あれ?いつ帰ってきたの?」
「先程……兄もそろそろ帰ってくると思いますよ?それより、おはようでしょう?」
「あ、おはよう……」
「で、足の傷は痛みます?」
「擦り傷だけだったし、傷薬も塗ってもらったから平気だけど、結局どうなったの?このままお祭り行けないのかなぁ」
「今回は2つの件が絡んでましてねぇ。城の方でしっかりと話してきたので一つは大丈夫です。もう一つはやはり城からの入れ知恵と、不作にした上で敢えて牢に入ってこの冬を過ごそうと企んだ野党でした。数人人間界でもお世話になったことがあるようで、それをみんなに教えたらしいです。雪翔の事はそのついでだったようですねぇ」
「ついでって……怖かったのに……」
撫で撫で撫で撫で撫で撫で……
「キュー!」
翡翠もなでてと言わんばかりに早速出てきたが、何故か冬弥に高い高いされ、キャッキャッと喜んでいるが、冬弥は何かを見ているようで、最終的には膝の上に乗せ撫でている。
「紫狐から話は聞きましたが、翡翠がなにかしたようには感じませんねぇ。やはり雪翔が無意識にこの子達を守ろうとして力が働いたのでしょうか……」
「僕もわからないんだけど……」
「そのうちわかると思いますが、翡翠は甘やかしすぎじゃないですか?」
「だって、出てくるんだもん。泣くから可愛そうになっちゃって」
「そろそろ躾も必要ですねぇ」
「お爺ちゃんはまだいいって言ってたよ?」
「話す頃からでしたっけ?」
「そう聞いてるよ」
「そうですねぇ……もう少し様子みましょうか」
その後久しぶりに台所に立つと言ったのでついていくと、周りから散々止めに入られたのにも関わらず大根を手に食材を探しているので、諦めた方がいいよとみんなに話す。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
下宿屋 東風荘
浅井 ことは
キャラ文芸
神社に憑く妖狐の冬弥は、神社の敷地内にある民家を改装して下宿屋をやっている。
ある日、神社で祈りの声を聞いていた冬弥は、とある子供に目をつけた。
その少年は、どうやら特異な霊媒体質のようで?
妖怪と人間が織り成す、お稲荷人情物語。
※この作品は、エブリスタにて掲載しており、シリーズ作品として全7作で完結となっております。
※話数という形での掲載ですが、小見出しの章、全体で一作という形にて書いております。
読みづらい等あるかもしれませんが、楽しんでいただければ何よりです。
エブリスタ様にて。
2017年SKYHIGH文庫最終選考。
2018年ほっこり特集掲載作品
後宮の裏絵師〜しんねりの美術師〜
逢汲彼方
キャラ文芸
【女絵師×理系官吏が、後宮に隠された謎を解く!】
姫棋(キキ)は、小さな頃から絵師になることを夢みてきた。彼女は絵さえ描けるなら、たとえ後宮だろうと地獄だろうとどこへだって行くし、友人も恋人もいらないと、ずっとそう思って生きてきた。
だが人生とは、まったくもって何が起こるか分からないものである。
夏后国の後宮へ来たことで、姫棋の運命は百八十度変わってしまったのだった。
高貴なる人質 〜ステュムパーリデスの鳥〜
ましら佳
キャラ文芸
皇帝の一番近くに控え、甘言を囁く宮廷の悪い鳥、またはステュムパーリデスの悪魔の鳥とも呼ばれる家令。
女皇帝と、その半身として宮廷に君臨する宮宰である総家令。
そして、その人生に深く関わった佐保姫残雪の物語です。
嵐の日、残雪が出会ったのは、若き女皇帝。
女皇帝の恋人に、そして総家令の妻に。
出会いと、世界の変化、人々の思惑。
そこから、残雪の人生は否応なく巻き込まれて行く。
※こちらは、別サイトにてステュムパーリデスの鳥というシリーズものとして執筆していた作品の独立完結したお話となります。
⌘皇帝、王族は、鉱石、宝石の名前。
⌘后妃は、花の名前。
⌘家令は、鳥の名前。
⌘女官は、上位五役は蝶の名前。
となっております。
✳︎家令は、皆、兄弟姉妹という関係であるという習慣があります。実際の兄弟姉妹でなくとも、親子関係であっても兄弟姉妹の関係性として宮廷に奉職しています。
⁂お楽しみ頂けましたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる