14 / 99
新たなる出会い
.
しおりを挟む
呼ばれて下宿屋のみんなの所に行き、二人の温泉旅行を暴露すると、新婚旅行だ!と冷やかされて照れているところでプレゼントを渡す。
栞は泣いてしまい、冬弥は照れて困っている。
ふと、那智が何してるのか気になりカウンターを見ると、日本酒におでんを食べている。
「隆弘さん、見て見て」と那智の方を向くと、ブハッと笑ってしまった。賢司も同じ反応で、俺たち行ってくると言ってカウンターに行ってしまい、一緒に飲んでいるのでいいかなと思い、おつまみを食べながら海都と携帯のゲームで遊ぶ。
「あ!雪翔バナナ投げるな!」
「だって亀が来ないんだもん」
「上手くなったから違うコースやって見る?もう行けるだろ?試したか?」
「一度行ったけど炎のコースは苦手。氷のコースは何とかゴール出来たけど」
「海はした?」
まだだと言うとそこにしようとの事になり、対戦していたが、砂浜に入ると遅くなるので気をつけながらやってもなかなか進んでくれない。
二人同時ゴールして一旦やめて、ご飯物が来たので取り分けて食べる。
お皿に焼きうどんを入れていたら、こちらにもくれとテーブル席の秋彪に言われたので取りに来てもらい、向こうにないものは持って行ってもいいんじゃないかといくつかお皿を渡す。
「おいおい、俺の手は二本だぞ?」
「分けて持ってくのかなって思って」
「そっちの海都だったっけ?あまりに勢いよく食べてるから欲しくなっただけ。全部なくなりそうだから 」
そんなことは無いと海都は言っているが、一番の大食いなので否定はしない。
「俺もおでん貰ってこよう。雪翔もいる?」
「大根と卵と……はんぺん」
「まってろ!ここのおでんはすごく美味しいから」
軽い足取りでカウンターの中におでんを取りに行き、那智を見るとまだ大根をつついている。
「秋彪さん、那智さんておでん好きなの?」
「見たことないけどな。あれしか食べてないもんなぁ……見方によってはキザなスーツ野郎がカウンターでおでんて笑えるかも」
「似合わないわけじゃないと思うけど、那智さんはワインにチーズのイメージ」
「はいおでん!」と小さな鍋ごと持ってきたので、こんなに食べるの?と聞くと、じいちゃんとかおでん好きそうじゃない?と言われ、秋虎に持って行って貰う。
「あ、大根下の方取ってきたから美味いぞ!」
さらに取り分けられた大根は舌の上でとろけるような柔らかさでとても美味しい。
「美味しいね。お店でもよく売れるんじゃない?」
「そう。いつもおでんは売り切れるくらいだから、俺もたまにしか食べれないんだ」
その後はバイトはどうだとか、最近変わったことがないかとか聞き、十時をすぎたところでお開きとなり、お爺ちゃん達四人も泊まっていくことになった。
「お婆ちゃん」と栞の母に声をかけ、翡翠の服を見てもらう。
「あら!可愛い。もう話すの?」
「まだ。いつくらいから話すの?」
「そうねぇ、私の影は三匹で、来た時にはもう話してたから……お爺さんは赤ちゃんから育てたって言ってたわよ?聞いてみたら?」
その後育て方を聞きに行くと、もう二人とも寝てしまっていたので、明日の朝にすると言って薬を飲んでから布団に入る。
「キュー!キュー!」
「影に戻ろうよ……」
「キュー!!!」
「どうしたの?」
あまりにも離れないので、抱っこするとかなり体が熱い。
「しーちゃん、起きてる?」
「はいー」
「翡翠、熱ない?」
「待ってくださいね」
何やら顔の周りに手を当てていたが、「お熱高いです。赤ちゃんの熱は危険なんです!」
「え?」
「キュー!キキューッ」
「どうしよう……」
「冬弥様を呼んできます」
「うん」
しばらくして冬弥と栞の祖父が来て翡翠を見る。
「いかんな、いきなり出たのか?熱は」
「多分。出かける前に影に戻るの嫌がってたから、もしかしたらその時に熱あったかもしれない。どうしたらいい?」
「私が治しましょう。熱を下げるくらいはできますが、その後の体力の回復は翡翠しだいです」
「僕が気づいてあげればよかった……」
栞は泣いてしまい、冬弥は照れて困っている。
ふと、那智が何してるのか気になりカウンターを見ると、日本酒におでんを食べている。
「隆弘さん、見て見て」と那智の方を向くと、ブハッと笑ってしまった。賢司も同じ反応で、俺たち行ってくると言ってカウンターに行ってしまい、一緒に飲んでいるのでいいかなと思い、おつまみを食べながら海都と携帯のゲームで遊ぶ。
「あ!雪翔バナナ投げるな!」
「だって亀が来ないんだもん」
「上手くなったから違うコースやって見る?もう行けるだろ?試したか?」
「一度行ったけど炎のコースは苦手。氷のコースは何とかゴール出来たけど」
「海はした?」
まだだと言うとそこにしようとの事になり、対戦していたが、砂浜に入ると遅くなるので気をつけながらやってもなかなか進んでくれない。
二人同時ゴールして一旦やめて、ご飯物が来たので取り分けて食べる。
お皿に焼きうどんを入れていたら、こちらにもくれとテーブル席の秋彪に言われたので取りに来てもらい、向こうにないものは持って行ってもいいんじゃないかといくつかお皿を渡す。
「おいおい、俺の手は二本だぞ?」
「分けて持ってくのかなって思って」
「そっちの海都だったっけ?あまりに勢いよく食べてるから欲しくなっただけ。全部なくなりそうだから 」
そんなことは無いと海都は言っているが、一番の大食いなので否定はしない。
「俺もおでん貰ってこよう。雪翔もいる?」
「大根と卵と……はんぺん」
「まってろ!ここのおでんはすごく美味しいから」
軽い足取りでカウンターの中におでんを取りに行き、那智を見るとまだ大根をつついている。
「秋彪さん、那智さんておでん好きなの?」
「見たことないけどな。あれしか食べてないもんなぁ……見方によってはキザなスーツ野郎がカウンターでおでんて笑えるかも」
「似合わないわけじゃないと思うけど、那智さんはワインにチーズのイメージ」
「はいおでん!」と小さな鍋ごと持ってきたので、こんなに食べるの?と聞くと、じいちゃんとかおでん好きそうじゃない?と言われ、秋虎に持って行って貰う。
「あ、大根下の方取ってきたから美味いぞ!」
さらに取り分けられた大根は舌の上でとろけるような柔らかさでとても美味しい。
「美味しいね。お店でもよく売れるんじゃない?」
「そう。いつもおでんは売り切れるくらいだから、俺もたまにしか食べれないんだ」
その後はバイトはどうだとか、最近変わったことがないかとか聞き、十時をすぎたところでお開きとなり、お爺ちゃん達四人も泊まっていくことになった。
「お婆ちゃん」と栞の母に声をかけ、翡翠の服を見てもらう。
「あら!可愛い。もう話すの?」
「まだ。いつくらいから話すの?」
「そうねぇ、私の影は三匹で、来た時にはもう話してたから……お爺さんは赤ちゃんから育てたって言ってたわよ?聞いてみたら?」
その後育て方を聞きに行くと、もう二人とも寝てしまっていたので、明日の朝にすると言って薬を飲んでから布団に入る。
「キュー!キュー!」
「影に戻ろうよ……」
「キュー!!!」
「どうしたの?」
あまりにも離れないので、抱っこするとかなり体が熱い。
「しーちゃん、起きてる?」
「はいー」
「翡翠、熱ない?」
「待ってくださいね」
何やら顔の周りに手を当てていたが、「お熱高いです。赤ちゃんの熱は危険なんです!」
「え?」
「キュー!キキューッ」
「どうしよう……」
「冬弥様を呼んできます」
「うん」
しばらくして冬弥と栞の祖父が来て翡翠を見る。
「いかんな、いきなり出たのか?熱は」
「多分。出かける前に影に戻るの嫌がってたから、もしかしたらその時に熱あったかもしれない。どうしたらいい?」
「私が治しましょう。熱を下げるくらいはできますが、その後の体力の回復は翡翠しだいです」
「僕が気づいてあげればよかった……」
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
生贄の花嫁~鬼の総領様と身代わり婚~
硝子町玻璃
キャラ文芸
旧題:化け猫姉妹の身代わり婚
多くの人々があやかしの血を引く現代。
猫又族の東條家の長女である霞は、妹の雅とともに平穏な日々を送っていた。
けれどある日、雅に縁談が舞い込む。
お相手は鬼族を統べる鬼灯家の次期当主である鬼灯蓮。
絶対的権力を持つ鬼灯家に逆らうことが出来ず、両親は了承。雅も縁談を受け入れることにしたが……
「私が雅の代わりに鬼灯家に行く。私がお嫁に行くよ!」
妹を守るために自分が鬼灯家に嫁ぐと決心した霞。
しかしそんな彼女を待っていたのは、絶世の美青年だった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
下宿屋 東風荘 4
浅井 ことは
キャラ文芸
下宿屋 東風荘4
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
大きくなった下宿に総勢20人の高校生と大学生が入ることになり、それを手伝いながら夜間の学校に通うようになった雪翔。
天狐の義父に社狐の継母、叔父の社狐の那智に祖父母の溺愛を受け、どんどん甘やかされていくがついに反抗期____!?
ほのぼの美味しいファンタジー。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
表紙・挿絵:深月くるみ様
イラストの無断転用は固くお断りさせて頂いております。
☆マークの話は挿絵入りです。
廻り捲りし戀華の暦
日蔭 スミレ
恋愛
妖気皆無、妖に至る輪廻の記憶も皆無。おまけにその性格と言ったら愚図としか言いようもなく「狐」の癖に「狐らしさ」もない。それ故の名は間を抜いてキネ。そんな妖狐の少女、キネは『誰かは分からないけれど会いたくて仕方ない人』がいた。
自分の過去を繫ぐもの金細工の藤の簪のみ。だが、それを紛失してしまった事により、彼女は『会いたかった人』との邂逅を果たす。
それは非ず者の自分と違う生き物……人の青年だった。
嗜虐癖ドS陰陽師×愚図な狐 切なめな和ファンタジーです。
あやかし雑草カフェ社員寮 ~社長、離婚してくださいっ!~
菱沼あゆ
キャラ文芸
令和のはじめ。
めでたいはずの10連休を目前に仕事をクビになった、のどか。
同期と呑んだくれていたのだが、目を覚ますと、そこは見知らぬ会社のロビーで。
酔った弾みで、イケメンだが、ちょっと苦手な取引先の社長、成瀬貴弘とうっかり婚姻届を出してしまっていた。
休み明けまでは正式に受理されないと聞いたのどかは、10連休中になんとか婚姻届を撤回してもらおうと頑張る。
職だけでなく、住む場所も失っていたのどかに、貴弘は住まいを提供してくれるが、そこは草ぼうぼうの庭がある一軒家で。
おまけにイケメンのあやかしまで住んでいた。
庭にあふれる雑草を使い、雑草カフェをやろうと思うのどかだったが――。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
あやかし婚活姫と霊感従者の恋結び
ちづ
キャラ文芸
あやかしと駆け落ちしたいお姫様と、そんなお姫様に片想いしている従者との平安風ホラーラブコメ。
短編ですのでもしよろしければ。
内大臣家の末娘の結姫は、父親に望まない輿入れを迫られていた。嫌気が差したある日、幼馴染の従者に、幽世で駆け落ちしてくれるあやかしを探してきて欲しいと頼み込む。けれど、従者はずっとそんな姫君に片想いをしていて──
平安和風ファンタジー主従ものです。
半妖のいもうと
蒼真まこ
キャラ文芸
☆第五回キャラ文芸大賞『家族賞』受賞しました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。
初めて会った幼い妹は、どう見ても人間ではありませんでした……。
中学生の時に母を亡くした女子高生の杏菜は、心にぽっかりと穴が空いたまま父親の山彦とふたりで暮していた。しかしある日、父親が小さな女の子を連れてくる。
「実はその、この子は杏菜の妹なんだ」
「よ、よろしくおねがい、しましゅ……」
おびえた目をした幼女は、半分血が繋がった杏菜の妹だという。妹の頭には銀色の角が二本、口元には小さな牙がある。どう見ても、人間ではない。小さな妹の母親はあやかしだったのだ。「娘をどうか頼みます」という遺言を残し、この世から消えてしまったという。突然あらわれた半妖の妹にとまどいながら、やむなく面倒をみることになった杏菜。しかし自分を姉と慕う幼い妹の存在に、少しずつ心が安らぎ、満たされていくのを感じるのだった。これはちょっと複雑な事情を抱えた家族の、心温まる絆と愛の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる