13 / 99
新たなる出会い
.
しおりを挟む
複雑だねと話しながら、みたらし団子をお土産に買って家に戻り、早速服を着せる。
「か……かわいい!二人とも見て?」
冬弥と栞に見せると、雪翔がパパみたいと言われ、金と銀の服も欲しいと今度の買い物に連れてってもらうことにした。
まだヨチヨチと歩く翡翠を見ていると、歩くピンクのモップみたいでさらに可愛く、携帯で写真を撮って待受画面にし、二人には親バカだと言われてしまった。
そのせいか中々影に戻ってくれないので、無理やり中に入れて夕方に居酒屋に向かう。
「大通り沿いにあるんですねぇ」
と、着物に羽織。マフラーを巻いた冬弥がコートにマフラーで完全武装した栞に言う。
「あ!あれかな?看板出てるよ?」
『酒房・華』
「おしゃれ居酒屋とか言うやつかな?」
「そうですねぇ。酒房とあるので、種類が豊富なのかも知れません。楽しみですねぇ」
何も知らない二人に教えることも出来ないので悪いなと思ったが、みんなからの祝だから入るまでバレませんようにと戸を開ける。
パンパンパンと大量のクラッカーが開くと同時に鳴らされ、「結婚おめでとう!」とみんなに言われ驚いている。
海都が冬弥と栞の背中を押して主役はこっちと、上に『祝・結婚祝い』と書かれた下に座らせ、各テーブルには他の四社狐と何故か両家の祖父母まで来ていた。
「お爺ちゃん!お婆ちゃん!」
「おお、那智に呼ばれてな。那智の社からここまで来たんじゃ。儂等では場所がわからんからな」
「那智さんありがとう」
「こうでもしないと、あいつらはここで何もしないつもりだっただろう?」
「多分」
店内は明るく、カウンター席が10席に四人掛けの席が四つ。二人席が二つと多くて30人ほど入れる店だった。
「俺は混むのは嫌いだからカウンターに行くよ」
「でも……」
頭をポンポンとされ、那智がカウンターに行ってから、椅子をどけて両家の祖父母の間に入れてもらう。隣には秋彪や玲もいて、狐グループだなと思いながら、料理が運ばれみんなに飲み物が渡ったところで、『乾杯!』と宴会が始まる。
「お爺さん、冬弥がほら……あんな笑顔は久しぶりに見ますねぇ」
「いつも仏頂面しておるからの。栞さんともよく似合っておる」
「まぁ、飲みましょうや。これからも栞をよろしくお願いします」
「何を言うとる。前から娘同然だったわい」
「ごめんね?こっちに来るの久しぶりではしゃいでるのよ」
「大丈夫。昔から二人は知り合いだったの?」
「幼馴染なのよ。よく家でも栞と遊んでくれてね、二人で遅くまでお酒飲んで話してたわ」
「そうなんだ」
「着物はもう少し待ってね、お正月に来るって聞いたからそれには間に合うと思うの」
「ゆっくりでいいです。お客さんのもあるだろうし」
「雪翔、着物はねぇ、私も手伝ったのよ。久しぶりに作ると流石に疲れるわねぇ」
「そりゃ、私たちはお仕事でなれてますもの」
井戸端会議が始まったので、写真を秋彪達に見せる。
「ね?可愛いでしょ?」
「これはなんの生き物だ?ほんとに狐か?」
「秋彪さん見てよ、ここが顔。思いっきり狐じゃない!」
「そうだけど、兄貴、やっぱり種が違うからかな?」
「そうだろ?この2人も変化は得意と見える。幼稚園児の子にしか見えんからな。雪翔に似てるか?」
「僕?」
「似てる似てる。きっと合わせてるんだと思うぞ?」
「でも、しーちゃんたちより人っぽい顔なんだよね」
「それも特徴なのかもな。俺達の影でも、慣れるまで見分けつかなかった奴もいるし」
「そんなものなの?」
「そんなもんだ!翡翠だっけ?あまり甘やかすと影に入らなくなるぞ?」
「もうそんな感じだよ……」
「か……かわいい!二人とも見て?」
冬弥と栞に見せると、雪翔がパパみたいと言われ、金と銀の服も欲しいと今度の買い物に連れてってもらうことにした。
まだヨチヨチと歩く翡翠を見ていると、歩くピンクのモップみたいでさらに可愛く、携帯で写真を撮って待受画面にし、二人には親バカだと言われてしまった。
そのせいか中々影に戻ってくれないので、無理やり中に入れて夕方に居酒屋に向かう。
「大通り沿いにあるんですねぇ」
と、着物に羽織。マフラーを巻いた冬弥がコートにマフラーで完全武装した栞に言う。
「あ!あれかな?看板出てるよ?」
『酒房・華』
「おしゃれ居酒屋とか言うやつかな?」
「そうですねぇ。酒房とあるので、種類が豊富なのかも知れません。楽しみですねぇ」
何も知らない二人に教えることも出来ないので悪いなと思ったが、みんなからの祝だから入るまでバレませんようにと戸を開ける。
パンパンパンと大量のクラッカーが開くと同時に鳴らされ、「結婚おめでとう!」とみんなに言われ驚いている。
海都が冬弥と栞の背中を押して主役はこっちと、上に『祝・結婚祝い』と書かれた下に座らせ、各テーブルには他の四社狐と何故か両家の祖父母まで来ていた。
「お爺ちゃん!お婆ちゃん!」
「おお、那智に呼ばれてな。那智の社からここまで来たんじゃ。儂等では場所がわからんからな」
「那智さんありがとう」
「こうでもしないと、あいつらはここで何もしないつもりだっただろう?」
「多分」
店内は明るく、カウンター席が10席に四人掛けの席が四つ。二人席が二つと多くて30人ほど入れる店だった。
「俺は混むのは嫌いだからカウンターに行くよ」
「でも……」
頭をポンポンとされ、那智がカウンターに行ってから、椅子をどけて両家の祖父母の間に入れてもらう。隣には秋彪や玲もいて、狐グループだなと思いながら、料理が運ばれみんなに飲み物が渡ったところで、『乾杯!』と宴会が始まる。
「お爺さん、冬弥がほら……あんな笑顔は久しぶりに見ますねぇ」
「いつも仏頂面しておるからの。栞さんともよく似合っておる」
「まぁ、飲みましょうや。これからも栞をよろしくお願いします」
「何を言うとる。前から娘同然だったわい」
「ごめんね?こっちに来るの久しぶりではしゃいでるのよ」
「大丈夫。昔から二人は知り合いだったの?」
「幼馴染なのよ。よく家でも栞と遊んでくれてね、二人で遅くまでお酒飲んで話してたわ」
「そうなんだ」
「着物はもう少し待ってね、お正月に来るって聞いたからそれには間に合うと思うの」
「ゆっくりでいいです。お客さんのもあるだろうし」
「雪翔、着物はねぇ、私も手伝ったのよ。久しぶりに作ると流石に疲れるわねぇ」
「そりゃ、私たちはお仕事でなれてますもの」
井戸端会議が始まったので、写真を秋彪達に見せる。
「ね?可愛いでしょ?」
「これはなんの生き物だ?ほんとに狐か?」
「秋彪さん見てよ、ここが顔。思いっきり狐じゃない!」
「そうだけど、兄貴、やっぱり種が違うからかな?」
「そうだろ?この2人も変化は得意と見える。幼稚園児の子にしか見えんからな。雪翔に似てるか?」
「僕?」
「似てる似てる。きっと合わせてるんだと思うぞ?」
「でも、しーちゃんたちより人っぽい顔なんだよね」
「それも特徴なのかもな。俺達の影でも、慣れるまで見分けつかなかった奴もいるし」
「そんなものなの?」
「そんなもんだ!翡翠だっけ?あまり甘やかすと影に入らなくなるぞ?」
「もうそんな感じだよ……」
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
生贄の花嫁~鬼の総領様と身代わり婚~
硝子町玻璃
キャラ文芸
旧題:化け猫姉妹の身代わり婚
多くの人々があやかしの血を引く現代。
猫又族の東條家の長女である霞は、妹の雅とともに平穏な日々を送っていた。
けれどある日、雅に縁談が舞い込む。
お相手は鬼族を統べる鬼灯家の次期当主である鬼灯蓮。
絶対的権力を持つ鬼灯家に逆らうことが出来ず、両親は了承。雅も縁談を受け入れることにしたが……
「私が雅の代わりに鬼灯家に行く。私がお嫁に行くよ!」
妹を守るために自分が鬼灯家に嫁ぐと決心した霞。
しかしそんな彼女を待っていたのは、絶世の美青年だった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あやかし婚活姫と霊感従者の恋結び
ちづ
キャラ文芸
あやかしと駆け落ちしたいお姫様と、そんなお姫様に片想いしている従者との平安風ホラーラブコメ。
短編ですのでもしよろしければ。
内大臣家の末娘の結姫は、父親に望まない輿入れを迫られていた。嫌気が差したある日、幼馴染の従者に、幽世で駆け落ちしてくれるあやかしを探してきて欲しいと頼み込む。けれど、従者はずっとそんな姫君に片想いをしていて──
平安和風ファンタジー主従ものです。
廻り捲りし戀華の暦
日蔭 スミレ
恋愛
妖気皆無、妖に至る輪廻の記憶も皆無。おまけにその性格と言ったら愚図としか言いようもなく「狐」の癖に「狐らしさ」もない。それ故の名は間を抜いてキネ。そんな妖狐の少女、キネは『誰かは分からないけれど会いたくて仕方ない人』がいた。
自分の過去を繫ぐもの金細工の藤の簪のみ。だが、それを紛失してしまった事により、彼女は『会いたかった人』との邂逅を果たす。
それは非ず者の自分と違う生き物……人の青年だった。
嗜虐癖ドS陰陽師×愚図な狐 切なめな和ファンタジーです。
下宿屋 東風荘 4
浅井 ことは
キャラ文芸
下宿屋 東風荘4
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
大きくなった下宿に総勢20人の高校生と大学生が入ることになり、それを手伝いながら夜間の学校に通うようになった雪翔。
天狐の義父に社狐の継母、叔父の社狐の那智に祖父母の溺愛を受け、どんどん甘やかされていくがついに反抗期____!?
ほのぼの美味しいファンタジー。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
表紙・挿絵:深月くるみ様
イラストの無断転用は固くお断りさせて頂いております。
☆マークの話は挿絵入りです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
あやかし雑草カフェ社員寮 ~社長、離婚してくださいっ!~
菱沼あゆ
キャラ文芸
令和のはじめ。
めでたいはずの10連休を目前に仕事をクビになった、のどか。
同期と呑んだくれていたのだが、目を覚ますと、そこは見知らぬ会社のロビーで。
酔った弾みで、イケメンだが、ちょっと苦手な取引先の社長、成瀬貴弘とうっかり婚姻届を出してしまっていた。
休み明けまでは正式に受理されないと聞いたのどかは、10連休中になんとか婚姻届を撤回してもらおうと頑張る。
職だけでなく、住む場所も失っていたのどかに、貴弘は住まいを提供してくれるが、そこは草ぼうぼうの庭がある一軒家で。
おまけにイケメンのあやかしまで住んでいた。
庭にあふれる雑草を使い、雑草カフェをやろうと思うのどかだったが――。
後宮の星詠み妃 平安の呪われた姫と宿命の東宮
鈴木しぐれ
キャラ文芸
旧題:星詠みの東宮妃 ~呪われた姫君は東宮の隣で未来をみる~
【書籍化します!!4/7出荷予定】平安の世、目の中に未来で起こる凶兆が視えてしまう、『星詠み』の力を持つ、藤原宵子(しょうこ)。その呪いと呼ばれる力のせいで家族や侍女たちからも見放されていた。
ある日、急きょ東宮に入内することが決まる。東宮は入内した姫をことごとく追い返す、冷酷な人だという。厄介払いも兼ねて、宵子は東宮のもとへ送り込まれた。とある、理不尽な命令を抱えて……。
でも、実際に会った東宮は、冷酷な人ではなく、まるで太陽のような人だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる