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新たなる出会い
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「何を言ってるんですか……歩行訓練は大変と私も聞いてますから、これだけは無理はさせられません」
みんなとの話を夕方にする予定だったので、今しておこうと話す。
「あのね、今日の夕飯で言おうと思ってたんだけど、クリスマスにみんなで居酒屋に行かない?予約がなくなって暇になるんだって」
「前も話してましたしねぇ。良いですよ?時間聞いておいてください。クリスマスですからねぇ……サンタさんが雪翔の所にも来たらいいですねぇ」
「え……サンタさんは居ないよ?」
「そんな夢のない……」
「子供でも知ってるからね?」
「じゃあ、なにか欲しいものはありますか?」
「急に言われても」
「なら。楽しみにしておいてください。今日は動いちゃダメですよ?紫狐見張っててくださいね?」
「はいー!」
冬弥が出ていってから、コソーっと起きようとして紫狐に寝かされる。
寝れないよと文句を言いながら、翡翠を忘れたことに気づき、紫狐に部屋に連れてきてくれと頼む。
翡翠を布団の上に置いて、ゴロンと横になってからしーちゃんに持って来てもらった向こうの本を読む。
「あ!」
「何ですか?」
「ちょっと車椅子取って。冬弥さんのところに行くから」
ダメですー!と言うしーちゃんに大事なことだからと言いリビングに行くと、台所に栞だけがいたので、下宿にいる?と聞く。
「夕飯の支度に行ったけど、寝てないとダメじゃない」
「あのさ、もうみんな帰ってきてるのかな?内線で聞いてくれない?」
栞が電話すると、もうみんな帰ってきていて部屋にいると言う。
「ありがとう!」と言って隣の下宿に行き、賢司の部屋を訪ねる。
ピンポンとブサーを鳴らすとすぐに出てくれたので「賢司さん、前に陰陽師のアニメのDVD持ってるって言ってなかった?」
「映画もあるし、本もあるぞ?」
「それ貸してくれないかな?」
ちょっと待ってろと言われ、紙袋を渡される。
「持っていこうか?」
「大丈夫、ごめんね急に」
「いいけど、どうしたんだ?」
「今、昔の本読んでるんだけど、意味わからなくなっちゃって……前に賢司さんが言ってたの思い出したら見たくなっちゃったんだ……それに僕、多分今日と明日は寝てないとダメだから、余計に暇かなって思って」
「足……か?」
「うん、歩行訓練始まったら腫れるかもって聞いてたんだけど、大したことないんだよ?湿布貼ってるし、車椅子だと痛まないから」
「動かさないわけにも行かないだろうけど、なるべく無理するなよ?」
「うん、借りるね。ありがとう」
それだけ言って食堂にも顔を出す。
「雪翔、寝てないとダメじゃないですか!」
「リビングに居てもいい?ソファで足伸ばしてるから。昴さんの書物難しくて、賢司さんに陰陽師の本とかDVDとか借りてきたんだ……」
「仕方ないですねぇ。極力腫れている間はトイレ以外あまり動かないでくださいよ?」
「うん」
撫で撫で撫で撫で……
「えっと……」
「何ですか?」
「あまり撫でられると禿げそうな気がするんだけど」
「禿げませんから撫でます」
言っても無駄だったかと、撫でられるだけ撫でられ家に帰る。
「ただいま」
「おかえりなさい。あら、また大荷物ねぇ。部屋で翡翠ちゃん泣いてたわよ?」
「あ!」
「雪翔君のことパパって思ってるのかもね」
「僕が?」
「そう、ミルクあげたり遊んであげたりしてるから、そう思ってると思うわよ?」
「そっか。冬弥さんが良いって言ってたから、ここでDVD見てていい?翡翠も膝に乗せておくから」
「良いけど、ご飯はどうする?もう食べる?」
「まだいい。薬の時間ずれたから……」
「そうね。一時間くらいずらせばいいかしら?」
時計を見て、八時前にしてほしいと頼んで翡翠を迎えにいく。
「ゆっきーが帰ってきたから泣かないで。ゆっきー、ずっと泣いてて紫狐が抱っこしても泣き止まなくて、紫狐が泣きそうですー」
みんなとの話を夕方にする予定だったので、今しておこうと話す。
「あのね、今日の夕飯で言おうと思ってたんだけど、クリスマスにみんなで居酒屋に行かない?予約がなくなって暇になるんだって」
「前も話してましたしねぇ。良いですよ?時間聞いておいてください。クリスマスですからねぇ……サンタさんが雪翔の所にも来たらいいですねぇ」
「え……サンタさんは居ないよ?」
「そんな夢のない……」
「子供でも知ってるからね?」
「じゃあ、なにか欲しいものはありますか?」
「急に言われても」
「なら。楽しみにしておいてください。今日は動いちゃダメですよ?紫狐見張っててくださいね?」
「はいー!」
冬弥が出ていってから、コソーっと起きようとして紫狐に寝かされる。
寝れないよと文句を言いながら、翡翠を忘れたことに気づき、紫狐に部屋に連れてきてくれと頼む。
翡翠を布団の上に置いて、ゴロンと横になってからしーちゃんに持って来てもらった向こうの本を読む。
「あ!」
「何ですか?」
「ちょっと車椅子取って。冬弥さんのところに行くから」
ダメですー!と言うしーちゃんに大事なことだからと言いリビングに行くと、台所に栞だけがいたので、下宿にいる?と聞く。
「夕飯の支度に行ったけど、寝てないとダメじゃない」
「あのさ、もうみんな帰ってきてるのかな?内線で聞いてくれない?」
栞が電話すると、もうみんな帰ってきていて部屋にいると言う。
「ありがとう!」と言って隣の下宿に行き、賢司の部屋を訪ねる。
ピンポンとブサーを鳴らすとすぐに出てくれたので「賢司さん、前に陰陽師のアニメのDVD持ってるって言ってなかった?」
「映画もあるし、本もあるぞ?」
「それ貸してくれないかな?」
ちょっと待ってろと言われ、紙袋を渡される。
「持っていこうか?」
「大丈夫、ごめんね急に」
「いいけど、どうしたんだ?」
「今、昔の本読んでるんだけど、意味わからなくなっちゃって……前に賢司さんが言ってたの思い出したら見たくなっちゃったんだ……それに僕、多分今日と明日は寝てないとダメだから、余計に暇かなって思って」
「足……か?」
「うん、歩行訓練始まったら腫れるかもって聞いてたんだけど、大したことないんだよ?湿布貼ってるし、車椅子だと痛まないから」
「動かさないわけにも行かないだろうけど、なるべく無理するなよ?」
「うん、借りるね。ありがとう」
それだけ言って食堂にも顔を出す。
「雪翔、寝てないとダメじゃないですか!」
「リビングに居てもいい?ソファで足伸ばしてるから。昴さんの書物難しくて、賢司さんに陰陽師の本とかDVDとか借りてきたんだ……」
「仕方ないですねぇ。極力腫れている間はトイレ以外あまり動かないでくださいよ?」
「うん」
撫で撫で撫で撫で……
「えっと……」
「何ですか?」
「あまり撫でられると禿げそうな気がするんだけど」
「禿げませんから撫でます」
言っても無駄だったかと、撫でられるだけ撫でられ家に帰る。
「ただいま」
「おかえりなさい。あら、また大荷物ねぇ。部屋で翡翠ちゃん泣いてたわよ?」
「あ!」
「雪翔君のことパパって思ってるのかもね」
「僕が?」
「そう、ミルクあげたり遊んであげたりしてるから、そう思ってると思うわよ?」
「そっか。冬弥さんが良いって言ってたから、ここでDVD見てていい?翡翠も膝に乗せておくから」
「良いけど、ご飯はどうする?もう食べる?」
「まだいい。薬の時間ずれたから……」
「そうね。一時間くらいずらせばいいかしら?」
時計を見て、八時前にしてほしいと頼んで翡翠を迎えにいく。
「ゆっきーが帰ってきたから泣かないで。ゆっきー、ずっと泣いてて紫狐が抱っこしても泣き止まなくて、紫狐が泣きそうですー」
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