50 / 124
カラーエブリデイ その2
50色 天海藍の観察日記1
しおりを挟む
わたしの名前は天海藍。 どこにでもいる普通の学生だ。 学校での成績は平均点よりすこしだけ上でスポーツも比較的なんでもこなせるけど、別にエースになれる実力があるわけでもないし、サッカーでいうところの10番でもなければ、ゴールキーパーでもなく、かといってドリブルで見せ場を作れる程の実力を持っているわけでもない、本当に平凡な感じだ。 わたしの人生、特に可もなく不可もなく過ぎていった。
「わたしの人生って本当につまらないなー」
なんて独り言をいいながら、家の鍵を開けてというか開いているドアに手をかける。
「ただいまー」
ドアを開け姉の研究所を素通りしようとした時、わたしの耳にとある人たちの声が聞こえ立ち止まる。
「それでね、そこでホワイトがいったんだ。 『例え、世界が黒に染まったとしても俺のチカラで白に染め直してやる』ってね! カッコイイよね! 黒に染まっていく心をその一言で救い、世界をホワイトアウトにしたんだよ!」
「……ふーん」
あれはクウタくんとおにいちゃんだ。
クウタくん遊びにきてたんだね。 アニメの話をすごい楽しそうにおにいちゃんに話している姿は子供のようにかわいらしかった。
「相変わらずクウタくんはかわいいなー、それを聞くおにいちゃんもかっこいいよー」
わたしは入口のドアに隠れながら二人をみていた。
しかし、
「おもしろいねー! わたしもみてみたいよ!」
なんて吞気な声がした。
いや、いることは知っていたけどね。 視界にもしっかりと入っていたけどね。 わたしはもう一度入口から覗くとおにいちゃんとクウタくんと一緒に座る失礼だけどちょっとアホそうな女の子をみる。
「また、あの子もきてるんだね」
その女性。 色野灯さんは一年前ぐらいからよくここに遊びにきていた。 おにいちゃんとクウタくんと仲良さそうに。 しかも、おねえちゃんともかなり仲がいいみたいだ。
この前なんておねえちゃんとアカリさんにえーっと誰だったかな……? あ、そうそう、確か、リンゴさんって人と旅行に行ったみたいなんだ。 しかも、三人で行ったらしいんだけど、はじめの予定はおにいちゃんとクウタくんも同行する予定だったとか! なんて羨ましい!
「あの子、みんなと仲良過ぎるよね?」
なんて独り言をいっていると、クウタくんがこっちに気づいて笑顔で手を振ってくれた。
「グゥッハッ!!」
カワァイイイイィ!!
わたしはまた入口の前で隠れて床に膝と手を付き悶絶する。
「なにやってるの?」
そんなわたしにすこし引き気味の声で誰かが声をかけてきた。
「おねえちゃん」
顔をあげると、世間で天才と謳われ、尊敬する自慢の姉がお盆にコップと飲み物を乗せて、わたしの前に立っていた。
「聞いてよ! おねえちゃん!」
おねえちゃんの腰に抱きつき騒ぐ。
「ちょ、ちょっと! 危ないだろ!」
わたしに抱きつかれてお盆を落としそうになった姉を気にせずにいう。
「クウタくんがかわいくて、おにいちゃんがかっこいいの!」
「わかる!」
わたしの言葉におねえちゃんは即同意してくれた。
「まあ、それはおいておいて、なにやってるのさ? ラン」
おねえちゃんは咳ばらいをすると、聞いてくる。
「えーっとね、なんていうか、あの子またきてるんだと思って」
わたしは正直にいう。
まあ、別に隠すことではないしね。
「あの子ってアカリのこと?」
「うん、すこし前からおにいちゃんとクウタくんと仲がいいなと思って」
「ああ、そういうこと」
「え?」
わたしの言葉におねえちゃんはニヤニヤしながらいう。
「つまり、ラン、キミはさみしいんだね」
「え? さみしい?」
おねえちゃんの言葉に理解が出来なくて聞き返す。
「大好きなミズキとクウタくんをアカリという女の子に捕られて、さみしくもあり、嫉妬しているんだよ」
おねえちゃんは指をピシッと立てながらいう。
「そうか……だから、最近、おにいちゃんとクウタくんのマンガの執筆が進まないんだね」
おねえちゃんの言葉にわたしはハッと気づく。
「そんなことしてたんだね。 今度読ませてもらうとして、多分そうだと思うよ」
「そうなのかな?」
わたしは腕組みをして考える。
「それと、クウタくんをみてなにか気づくことはないかな?」
「クウタくんをみて?」
おねえちゃんの言葉の意味がわからなくて、わたしは入口にからこっそりとクウタくんをみる。
「特に変わったところはないと思うけど……強いていうなら、かわいい」
「そうだけど違うね」
「わかんないよー」
「もうちょっとがんばりなよ」
おねえちゃんは呆れた感じで返すけど「まあ、いいか」と言葉を続ける。
「クウタくん『笑う』ようになったよね」
「え?」
わたしはもう一度クウタくんをみる。
「クウタくんって昔っからよく笑ってたよ」
「ラン、キミは気がつかなかった?」
おねえちゃんは真剣な顔でわたしに聞く。
「それってどういうこと?」
「すこし前までのクウタくんって『無理やり笑ってた』んだよ」
「え?」
おねえちゃんの言葉にわたしは驚く。
「その時のクウタくんはすごく淋しいそうで哀しい眼をしていたんだよ」
「……!?」
わたしはもう一度しっかりとクウタくんをみる。
「……本当だ」
わたしは『思い出した』。
あの時のクウタくんは、どこか『孤独な眼』をしている気がした。 だけど、わたしたちと話す時はいつも『笑っていた』から、それは気のせいだと思っていたのだ。
「ラン、キミも気づいたみたいだね」
「うん、おねえちゃんはあの時も気づいてたの!?」
わたしはすこし取り乱しながら、おねえちゃんに聞く。
「うん、だけど、わたしじゃ『救えなかった』けどね」
おねえちゃんはすこしさみしそうな顔でいう。
「昔っからクウタくんのことをみていたけど、すこしずつ『孤独になっていく』クウタくんをわたしは救えなかった。 だけど、今は違う。 ほらみて」
もう一度クウタくんをみると、すごい楽しそうに話していた。
「もしかして、アカリさんってこと」
わたしはクウタくんとおにいちゃんの目線の先にアカリさんがいることに気がつく。
「うん、アカリがクウタくんの心を救ったんだよ」
確かに二人はアカリさんのことを信頼しきっている感じがした。
「つまり、クウタくんは心を救ってくれたアカリさんのことが『好き』ってこと?」
「いや、どうだろうね」
「え?」
てっきりそうなんだろうと思っていたわたしは驚く。
「好きって感じではないと思うな」
「どういう感じなの?」
おねえちゃんはすこし考え教えてくれる。
「どっちかというと『尊敬』かな」
「尊敬?」
「うん、クウタくんはアカリのことを心の底から尊敬しているんだよ」
「でも、失礼なのはわかってるけど、ちょっとドジっぽいコだよね」
わたしがそういうと、おねえちゃんはクスリと笑うながらいう。
「まあ、そうみえるかもしれないけど、ランも話せばわかると思うよ」
「ふーん」
「あ、そういえば、みんなに飲み物持っていく途中だったんだ」
おねえちゃんはハッとして行こうとしたけど、わたしに振り返る。
「ランもくる?」
「いや、今回はやめておくよ」
わたしがそう返すと、おねえちゃんは「そう」と一言だけいって、おにいちゃん達の元へ行った。
「ごめん、またせたね」
「いえ、大丈夫です 。むしろわざわざありがとうございます」
「わーい! シーニの紅茶だー!」
そんな声を聞きながら、わたしは鞄をもって研究所の部屋を後にした。
色野灯さん。 わたしからしたらまだどんな人かわからないけど、すこしずつ観察していくことにした。 正直、楽しみが増えた気がしてうれしかった。 それと、おねえちゃんの言葉の意味が気になった『《好き》じゃなくて《尊敬》している』言葉の意味はわかるけど、感情として一体なにが違うのか、今のわたしにはわからない。 おねえちゃんに答えを聞けば簡単かもしれないけど自分で答えをみつけたい。 そして、このノートが埋まるまでには何故みんな『彼女に魅かれる』のかわかるようになりたい。
「わたしの人生って本当につまらないなー」
なんて独り言をいいながら、家の鍵を開けてというか開いているドアに手をかける。
「ただいまー」
ドアを開け姉の研究所を素通りしようとした時、わたしの耳にとある人たちの声が聞こえ立ち止まる。
「それでね、そこでホワイトがいったんだ。 『例え、世界が黒に染まったとしても俺のチカラで白に染め直してやる』ってね! カッコイイよね! 黒に染まっていく心をその一言で救い、世界をホワイトアウトにしたんだよ!」
「……ふーん」
あれはクウタくんとおにいちゃんだ。
クウタくん遊びにきてたんだね。 アニメの話をすごい楽しそうにおにいちゃんに話している姿は子供のようにかわいらしかった。
「相変わらずクウタくんはかわいいなー、それを聞くおにいちゃんもかっこいいよー」
わたしは入口のドアに隠れながら二人をみていた。
しかし、
「おもしろいねー! わたしもみてみたいよ!」
なんて吞気な声がした。
いや、いることは知っていたけどね。 視界にもしっかりと入っていたけどね。 わたしはもう一度入口から覗くとおにいちゃんとクウタくんと一緒に座る失礼だけどちょっとアホそうな女の子をみる。
「また、あの子もきてるんだね」
その女性。 色野灯さんは一年前ぐらいからよくここに遊びにきていた。 おにいちゃんとクウタくんと仲良さそうに。 しかも、おねえちゃんともかなり仲がいいみたいだ。
この前なんておねえちゃんとアカリさんにえーっと誰だったかな……? あ、そうそう、確か、リンゴさんって人と旅行に行ったみたいなんだ。 しかも、三人で行ったらしいんだけど、はじめの予定はおにいちゃんとクウタくんも同行する予定だったとか! なんて羨ましい!
「あの子、みんなと仲良過ぎるよね?」
なんて独り言をいっていると、クウタくんがこっちに気づいて笑顔で手を振ってくれた。
「グゥッハッ!!」
カワァイイイイィ!!
わたしはまた入口の前で隠れて床に膝と手を付き悶絶する。
「なにやってるの?」
そんなわたしにすこし引き気味の声で誰かが声をかけてきた。
「おねえちゃん」
顔をあげると、世間で天才と謳われ、尊敬する自慢の姉がお盆にコップと飲み物を乗せて、わたしの前に立っていた。
「聞いてよ! おねえちゃん!」
おねえちゃんの腰に抱きつき騒ぐ。
「ちょ、ちょっと! 危ないだろ!」
わたしに抱きつかれてお盆を落としそうになった姉を気にせずにいう。
「クウタくんがかわいくて、おにいちゃんがかっこいいの!」
「わかる!」
わたしの言葉におねえちゃんは即同意してくれた。
「まあ、それはおいておいて、なにやってるのさ? ラン」
おねえちゃんは咳ばらいをすると、聞いてくる。
「えーっとね、なんていうか、あの子またきてるんだと思って」
わたしは正直にいう。
まあ、別に隠すことではないしね。
「あの子ってアカリのこと?」
「うん、すこし前からおにいちゃんとクウタくんと仲がいいなと思って」
「ああ、そういうこと」
「え?」
わたしの言葉におねえちゃんはニヤニヤしながらいう。
「つまり、ラン、キミはさみしいんだね」
「え? さみしい?」
おねえちゃんの言葉に理解が出来なくて聞き返す。
「大好きなミズキとクウタくんをアカリという女の子に捕られて、さみしくもあり、嫉妬しているんだよ」
おねえちゃんは指をピシッと立てながらいう。
「そうか……だから、最近、おにいちゃんとクウタくんのマンガの執筆が進まないんだね」
おねえちゃんの言葉にわたしはハッと気づく。
「そんなことしてたんだね。 今度読ませてもらうとして、多分そうだと思うよ」
「そうなのかな?」
わたしは腕組みをして考える。
「それと、クウタくんをみてなにか気づくことはないかな?」
「クウタくんをみて?」
おねえちゃんの言葉の意味がわからなくて、わたしは入口にからこっそりとクウタくんをみる。
「特に変わったところはないと思うけど……強いていうなら、かわいい」
「そうだけど違うね」
「わかんないよー」
「もうちょっとがんばりなよ」
おねえちゃんは呆れた感じで返すけど「まあ、いいか」と言葉を続ける。
「クウタくん『笑う』ようになったよね」
「え?」
わたしはもう一度クウタくんをみる。
「クウタくんって昔っからよく笑ってたよ」
「ラン、キミは気がつかなかった?」
おねえちゃんは真剣な顔でわたしに聞く。
「それってどういうこと?」
「すこし前までのクウタくんって『無理やり笑ってた』んだよ」
「え?」
おねえちゃんの言葉にわたしは驚く。
「その時のクウタくんはすごく淋しいそうで哀しい眼をしていたんだよ」
「……!?」
わたしはもう一度しっかりとクウタくんをみる。
「……本当だ」
わたしは『思い出した』。
あの時のクウタくんは、どこか『孤独な眼』をしている気がした。 だけど、わたしたちと話す時はいつも『笑っていた』から、それは気のせいだと思っていたのだ。
「ラン、キミも気づいたみたいだね」
「うん、おねえちゃんはあの時も気づいてたの!?」
わたしはすこし取り乱しながら、おねえちゃんに聞く。
「うん、だけど、わたしじゃ『救えなかった』けどね」
おねえちゃんはすこしさみしそうな顔でいう。
「昔っからクウタくんのことをみていたけど、すこしずつ『孤独になっていく』クウタくんをわたしは救えなかった。 だけど、今は違う。 ほらみて」
もう一度クウタくんをみると、すごい楽しそうに話していた。
「もしかして、アカリさんってこと」
わたしはクウタくんとおにいちゃんの目線の先にアカリさんがいることに気がつく。
「うん、アカリがクウタくんの心を救ったんだよ」
確かに二人はアカリさんのことを信頼しきっている感じがした。
「つまり、クウタくんは心を救ってくれたアカリさんのことが『好き』ってこと?」
「いや、どうだろうね」
「え?」
てっきりそうなんだろうと思っていたわたしは驚く。
「好きって感じではないと思うな」
「どういう感じなの?」
おねえちゃんはすこし考え教えてくれる。
「どっちかというと『尊敬』かな」
「尊敬?」
「うん、クウタくんはアカリのことを心の底から尊敬しているんだよ」
「でも、失礼なのはわかってるけど、ちょっとドジっぽいコだよね」
わたしがそういうと、おねえちゃんはクスリと笑うながらいう。
「まあ、そうみえるかもしれないけど、ランも話せばわかると思うよ」
「ふーん」
「あ、そういえば、みんなに飲み物持っていく途中だったんだ」
おねえちゃんはハッとして行こうとしたけど、わたしに振り返る。
「ランもくる?」
「いや、今回はやめておくよ」
わたしがそう返すと、おねえちゃんは「そう」と一言だけいって、おにいちゃん達の元へ行った。
「ごめん、またせたね」
「いえ、大丈夫です 。むしろわざわざありがとうございます」
「わーい! シーニの紅茶だー!」
そんな声を聞きながら、わたしは鞄をもって研究所の部屋を後にした。
色野灯さん。 わたしからしたらまだどんな人かわからないけど、すこしずつ観察していくことにした。 正直、楽しみが増えた気がしてうれしかった。 それと、おねえちゃんの言葉の意味が気になった『《好き》じゃなくて《尊敬》している』言葉の意味はわかるけど、感情として一体なにが違うのか、今のわたしにはわからない。 おねえちゃんに答えを聞けば簡単かもしれないけど自分で答えをみつけたい。 そして、このノートが埋まるまでには何故みんな『彼女に魅かれる』のかわかるようになりたい。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
発展科学の異端者
ユウ
ファンタジー
世界は、科学の発展した新科学時代。ある時科学者たちは、見つけてはいけない神秘の産物を発見する。それは、この世界と他の世界をつなぐものだった。研究者はこれを応用すれば、様々なことができると考え、研究に取り組む。だがそれが世界に悲劇を齎すこととなる。
この世界の生物ではない、化け物(モンスター)がこの世界に現れるようになる。その結果、何か国かは滅びる道を進んだ。だが人類は、驚くべきスピードで対抗手段を見つける。それは『科学武装』と呼ばれるものだった。それは、科学魔法と呼ばれるものと科学武装と呼ばれるものだった。
まず科学魔法は、科学に基づき、火・水・雷・土・風を発動できるものだ。そのためには、かなりの練習と適性が必要である。逆に科学武装は、適正よりも、鍛錬の方が大事である。人にあった武器を練習する必要があり、それを習得できたものは、魔物狩りが許される。その姿を皆は『科学武装師』と呼ぶ。
これは新科学時代の、ルーア国に生まれた天災科学武装師、城ケ崎(じょうがさき)零(れい)の物語
更新予定は、基本的に土曜日、日曜日の18時頃を予定してます。
たまに、平日も投稿するかもです
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる