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アカリとフシギなタマゴ編
24色 シーニの試練2
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「では行きます」
そういうと、ハクは九本の内の一本の尻尾から魔弾を撃ち出した。
わたしはホウキで飛び、それを避けそのまま空中を飛びまわる。すると、避けた魔弾は方向を変えて、再度むかってきた。
「え!? 追尾型!?」
ハクの方を確認すると魔弾を撃ちだした尾が動いていた。
そして、二本目の尾から魔弾を打ち出してきて、わたしはそれもかわすが、過ぎた先から方向転換をしてむかってくる。
「一本ひとつの魔弾操作が出来るのか」
飛びまわりながらも出来るだけハクの尻尾を確認すると、三本目の尾からも魔弾が撃ちだされた。 それも、かわしたが追尾してきた二つの魔弾が当たりそうになる。
「おっと!?」
それをギリギリのところでかわす。
「さすがにこれ以上はきついね……」
これ以上弾数を増やされたらマズイと思い、杖を追尾してきたひとつの魔弾にむける。
「ハッ!」
杖の先から魔弾を撃ちだしてぶつけ相殺させる。
「よし」
空かさず追尾してきたもうひとつの魔弾に狙いを定めて魔弾を放つがはずれてしまった。
「!?」
もう一発撃ってみるが、またはずれてしまう。
(動きが速くなってる?)
ハクの方を確認すると、二つの尾が動いていおり、撃ち消した魔弾の尾は動いていなかった。
もしかして、数が少ないと操りやすくなるから、それで速くなったのかな?
「試してみようかな」
杖をハクの方にむける。
「ごめん。 ハクちょっと数発撃つね!」
「!?」
そういうと、わたしはハクに魔弾を二発撃つ。 そして、即座にハクの後ろに回り込みもう一発撃つ。 それをハクは前後に尻尾を向けて撃ち返して余っていた四本の尾の中三本の尾から魔弾を撃ちだしてきた。
(一本だけ撃たなかった?)
わたしが三発撃ったのは、がんばって避けられるのが、多分、六発分だと思ったからで六発分を誘導しようと思ったんだけど、まさか五発しか撃ってこなかった。
撃ちだされた魔弾を確認すると、二発の時よりスピードが遅くなっていた。
「さて、これからどうするかだね」
予想通り数が多いい程スピードが落ちるとはいえ、数が多ければ避けにくくなるのは当たり前な訳で戦況は防戦一方。
とりあえず、五発の魔弾を避けながら、周囲を観察してみる。
出来れば魔力感知も使いたいところだけど、ホウキの操縦が疎かになってしまう為、出来るだけ視野で確認すると、二発だけ空中で止まっていた。
(あれは温存してるのかな?)
一応、警戒をしておこう。
「……」
どうにかして全ての魔弾を撃ち落としたいけど、ひとつひとつ撃ち落としていたら残った魔弾のスピードがあがってしまう。 ……なら、わたしもひとつの魔弾を操って対抗する? ……いや、それだと絶対数で負ける。 だったら狙うは《一点集中》魔弾が重なった瞬間に特大の魔弾をお見舞いする。
「……よし」
覚悟を決めると杖に魔力を込めていく。
特大の魔弾を撃つには少し時間がかかるから、周囲を警戒しながら慎重に魔力を込めていく。
「!?」
ハクはわたしがなにをしようとしているのか気付き攻撃を激しくしてきたが、なんとかかわしていく。
「もう! 急に激しくしないでよ集中出来ないでしょ!」
少し投げやりになりながらも集中する。
「くっ! ……もう少し」
わたしの頬に魔弾が擦れた。
「……!」
頬から血が流れ、滴が宙を舞い地面に落ちる。
「よし!」
準備完了! 後は魔弾が重なる瞬間を狙う!
杖を構えハクの方を確認すると、尾が《六本》動いていた。
「えっ!? 六本!?」
慌てて周りを確認しようとするが、遅かった。
さっきまで空中で止まっていた魔弾が猛スピードで動きだしてわたしの杖を手から弾いた。
「しまった!」
それと同時に真下の地面が弾けて一発の魔弾が飛び出してきた。
「うそ!?」
わたしは咄嗟にホウキから真後ろに飛び退き避けるが、時すでに遅し、自ら空中に飛び出してしまった……。 避けたことで魔弾の直撃を避けることができ、その代わりホウキは破壊されてしまったが、それ以上にヤバイ!
「ヤバイ! ヤッバイ!!」
浮遊感と共にカラダに重力がのしかかった。
「うわあああああ!!」
落下する体に急いで浮遊魔法をかけようとするが、落下スピードと発動時間が間に合うか? いや、考えても仕方ない間に合え! わたしは間に合うことに賭けて浮遊魔法をかける。
「グゥッ!」
なんとか地面スレスレのところで間に合ったが、わたしに向かって魔弾が降り注ぐ、そして四発の魔弾が一列に《重なった》!
「バッチグー!」
杖を持っていた《逆の手》を向けて二本の指先をむける。
「いっけー!」
そして、指先から《溜めていた魔力》で一点集中の魔弾を放つ!
魔弾同士がぶつかり大きな煙が辺りを覆う。
「《消えた》!? 何処に行きましたか!?」
ハクは煙の中、魔力感知でわたしを探す。
「……!? ……ッフ」
すぐにわたしの場所を把握したハクは軽く笑うとわたしにいう。
「お見事です」
そういうと、ハクは九本の内の一本の尻尾から魔弾を撃ち出した。
わたしはホウキで飛び、それを避けそのまま空中を飛びまわる。すると、避けた魔弾は方向を変えて、再度むかってきた。
「え!? 追尾型!?」
ハクの方を確認すると魔弾を撃ちだした尾が動いていた。
そして、二本目の尾から魔弾を打ち出してきて、わたしはそれもかわすが、過ぎた先から方向転換をしてむかってくる。
「一本ひとつの魔弾操作が出来るのか」
飛びまわりながらも出来るだけハクの尻尾を確認すると、三本目の尾からも魔弾が撃ちだされた。 それも、かわしたが追尾してきた二つの魔弾が当たりそうになる。
「おっと!?」
それをギリギリのところでかわす。
「さすがにこれ以上はきついね……」
これ以上弾数を増やされたらマズイと思い、杖を追尾してきたひとつの魔弾にむける。
「ハッ!」
杖の先から魔弾を撃ちだしてぶつけ相殺させる。
「よし」
空かさず追尾してきたもうひとつの魔弾に狙いを定めて魔弾を放つがはずれてしまった。
「!?」
もう一発撃ってみるが、またはずれてしまう。
(動きが速くなってる?)
ハクの方を確認すると、二つの尾が動いていおり、撃ち消した魔弾の尾は動いていなかった。
もしかして、数が少ないと操りやすくなるから、それで速くなったのかな?
「試してみようかな」
杖をハクの方にむける。
「ごめん。 ハクちょっと数発撃つね!」
「!?」
そういうと、わたしはハクに魔弾を二発撃つ。 そして、即座にハクの後ろに回り込みもう一発撃つ。 それをハクは前後に尻尾を向けて撃ち返して余っていた四本の尾の中三本の尾から魔弾を撃ちだしてきた。
(一本だけ撃たなかった?)
わたしが三発撃ったのは、がんばって避けられるのが、多分、六発分だと思ったからで六発分を誘導しようと思ったんだけど、まさか五発しか撃ってこなかった。
撃ちだされた魔弾を確認すると、二発の時よりスピードが遅くなっていた。
「さて、これからどうするかだね」
予想通り数が多いい程スピードが落ちるとはいえ、数が多ければ避けにくくなるのは当たり前な訳で戦況は防戦一方。
とりあえず、五発の魔弾を避けながら、周囲を観察してみる。
出来れば魔力感知も使いたいところだけど、ホウキの操縦が疎かになってしまう為、出来るだけ視野で確認すると、二発だけ空中で止まっていた。
(あれは温存してるのかな?)
一応、警戒をしておこう。
「……」
どうにかして全ての魔弾を撃ち落としたいけど、ひとつひとつ撃ち落としていたら残った魔弾のスピードがあがってしまう。 ……なら、わたしもひとつの魔弾を操って対抗する? ……いや、それだと絶対数で負ける。 だったら狙うは《一点集中》魔弾が重なった瞬間に特大の魔弾をお見舞いする。
「……よし」
覚悟を決めると杖に魔力を込めていく。
特大の魔弾を撃つには少し時間がかかるから、周囲を警戒しながら慎重に魔力を込めていく。
「!?」
ハクはわたしがなにをしようとしているのか気付き攻撃を激しくしてきたが、なんとかかわしていく。
「もう! 急に激しくしないでよ集中出来ないでしょ!」
少し投げやりになりながらも集中する。
「くっ! ……もう少し」
わたしの頬に魔弾が擦れた。
「……!」
頬から血が流れ、滴が宙を舞い地面に落ちる。
「よし!」
準備完了! 後は魔弾が重なる瞬間を狙う!
杖を構えハクの方を確認すると、尾が《六本》動いていた。
「えっ!? 六本!?」
慌てて周りを確認しようとするが、遅かった。
さっきまで空中で止まっていた魔弾が猛スピードで動きだしてわたしの杖を手から弾いた。
「しまった!」
それと同時に真下の地面が弾けて一発の魔弾が飛び出してきた。
「うそ!?」
わたしは咄嗟にホウキから真後ろに飛び退き避けるが、時すでに遅し、自ら空中に飛び出してしまった……。 避けたことで魔弾の直撃を避けることができ、その代わりホウキは破壊されてしまったが、それ以上にヤバイ!
「ヤバイ! ヤッバイ!!」
浮遊感と共にカラダに重力がのしかかった。
「うわあああああ!!」
落下する体に急いで浮遊魔法をかけようとするが、落下スピードと発動時間が間に合うか? いや、考えても仕方ない間に合え! わたしは間に合うことに賭けて浮遊魔法をかける。
「グゥッ!」
なんとか地面スレスレのところで間に合ったが、わたしに向かって魔弾が降り注ぐ、そして四発の魔弾が一列に《重なった》!
「バッチグー!」
杖を持っていた《逆の手》を向けて二本の指先をむける。
「いっけー!」
そして、指先から《溜めていた魔力》で一点集中の魔弾を放つ!
魔弾同士がぶつかり大きな煙が辺りを覆う。
「《消えた》!? 何処に行きましたか!?」
ハクは煙の中、魔力感知でわたしを探す。
「……!? ……ッフ」
すぐにわたしの場所を把握したハクは軽く笑うとわたしにいう。
「お見事です」
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