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第二章 木槿山の章
第12話 仕事3
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「言われた通り一抱え買ってきたけど、たかだか草履を直すのにこんなにたくさん要らないよねぇ?」
帰って来た狐杜は与平の背負った藁を下ろすのを手伝いながらケラケラと笑った。
農家の人がまとめてくれたのだろう、一抱え分の藁が上手に縛ってある。
「すまんな、藁の代金は出世払いにして貰えぬか」
月守が藁束を土間に立てかけるのを見ながら、与平はとんでもないと首を横に振る。
「今日の売り上げはほとんど月守が一人で仕留めた魚だぜ。藁でおつりが来らぁ」
「ではそのおつり分は私が世話になっている滞在費としてくれるか」
「何言ってんの。もう家族じゃない、あたしたち」
「家族……」
月守が不意に遠い目をした。狐杜は言ってはいけないことを言ってしまったかと不安になった。
この男は自分に関する記憶を持たない。家族のことも忘れてしまっているのだろう。
だが与平は逆にそこを突っ込んできた。
「月守さぁ、家族のこととか思い出さねえの? 親とか子供とか。っていうか独身?」
「与平!」
狐杜が慌てて止めたが、与平は「大事なことだろ、家族って」と真顔で返す。
「それがたとえ血の繋がらない家族だったとしてもさ」
与平は視線を狐杜から月守へと移した。
「狐杜と両親だって血は繋がってなかった。それでも家族だった。おいらと狐杜と月守だって血の繋がらねえ家族だ。人は一人じゃ生きられねえ。月守にも大事な人はいたはずだと思うんだ」
月守はそのまま押し黙った。何も思い出せないのか、思い出そうと必死なのか、その表情からは掴み取れない。
そういえばこの男はもともとあまり喜怒哀楽を顔に出さない。二人とも月守と生活を始めてから、彼の笑顔をまだ見ていない。
「ゆっくり思い出せばいいか。おいらたちはもう家族だ。月守が何か思い出しても追い出したりしない。もちろん月守が自分の家を思い出して帰りたくなったら、引き留めたりもしねえよ。おいらたちが遊びに行くだけだ」
「そうだよね!」
狐杜は全力で彼に同調した。こんな時の与平はなんと頼りになるのだろうか。
「じゃ、おいら帰るよ。また明日な」
「うん、おやすみ」
月守は何も言わずに隣のあばら家に入る与平を見送った。
その夜、狐杜が深夜に目を覚ますと、隣りに寝ているはずの月守の姿が見当たらない。厠だろうかと思ったが、家のすぐ裏側に何かの気配を感じる。こんなところに熊も出ないだろうし、猿や貉かもしれない。
野生動物は臆病なので、音を立てれば大抵は逃げる。狐杜は鍋の蓋とおたまを持って静かに外に出てみた。鼬か貂か。犬でなければいいが。
そっと足音を忍ばせて家の裏手に回る。こちらは満月が出ていてとても明るい。何かがいればすぐにわかる。
狐杜が静かに覗こうとしたとき、それよりも早く声がした。
「狐杜殿か」
月守が座していた。月明かりに浮かぶ彼は、月の精と見紛うほどに美しく、この世のものとは思えなかった。
「こんな夜中に月見ですか」
「今宵は満月のようだ」
変な動物ではないと安心した狐杜は、構えていた鍋の蓋とおたまを下ろして月守に近付いた。
よく見ると手元に藁の束がある。一体何をやっていたのかと聞こうとした瞬間、逆に月守の質問が飛んできた。
「狐杜殿、こんな夜中に鍋の蓋など持って、どうされたのだ」
「あ、ええと、何かの気配を感じたから、動物がいるかと思って、追い払おうかって思って、その……」
「気配?」
月守が訝しむように狐杜を見た。
「私が気配をさせていたのか」
「え? はい、そうですけど」
月守の不思議な物言いに、狐杜は首を捻った。「私の気配を感じたのか」ならまだわかるが、「私が気配をさせていたのか」とはどういう意味だろう。
それを聞く間もなく、再び月守が口を開いた。
「それは申し訳ない。起こしてしまったか」
「いえ。それより何をやってるんですか?」
狐杜は月守の手元にある一握りの藁束に視線を落とした。
「草履を作っている」
「草履?」
おうむ返しに聞くと、「目が覚めて寝付けなくなってな」と言い訳のように付け足した。
「あの草履では、明日町に行ったら帰りは間違いなく裸足で戻って来ることになる」
与平のことを言っているのは狐杜にもすぐわかった。本当は寝付けなかったのではなく、最初から狐杜が寝入るのを待って外に出て、月明かりで草履を作るつもりだったに違いない。
「私は眠気が戻って来たら床に入るゆえ、狐杜殿はもう戻られよ。夜風は体を冷やす」
どうやら邪魔になるらしい。無心に草履を編みながら何かを思い出そうとしているのかもしれない。狐杜は素直に従うことにした。
翌朝の与平はご機嫌で口笛を吹きながら出て行った。理由は簡単、作ったばかりの新しい草履を月守から手渡されたからだ。
月守の草履はしっかりと目が詰まり、それだけに厚みを持って丈夫そうだった。
最後に与平の足に合わせて鼻緒をピタリと調整してくれたおかげで、どこまでも歩いて行けそうなくらい足に馴染んだ。
今日の与平の目的地は町ではなく、町へ行く途中に抜ける田園地域だ。ここの農家から野菜や藁を買っている。
このところ月守の体調が早く戻るようにと、普段よりはきちんとした野菜を買うようになっていた。それまでの彼らは、芋の蔓やその辺に生えている零余子、川で獲る魚ばかり食べていたが、農家が作っている野菜を分けて貰いに行くことが増えていた。
たくさんの野菜と途中で獲った山菜を背負い籠に入れて戻った与平は、開口一番に月守を呼んだ。
「月守に仕事を頼みたいって人がいたよ」
きょとんとする狐杜と月守に、与平は片足を上げて見せた。
「この草履だよ。新しいのを買ったのかって聞かれてさ、最近増えた家族が作ってくれたって言ったんだ。すげえ履き心地が良くて池の上でも歩けそうだって言ったら作って欲しいって言われたんだよ。お金はないけど、野菜ならたくさんあるからって。やれるか?」
「いくつ作れば良いのだ」
月守は顔色一つ変えずに尋ねた。
「三人分。大吉さんとお米さん、あとお種ちゃんはまだ五つだから小さいヤツな!」
「しかと心得た」
急な注文にも動じず、相変わらずの言葉遣いで返す月守を見ながら、狐杜は「やっぱりお武家様かも」と思った。
帰って来た狐杜は与平の背負った藁を下ろすのを手伝いながらケラケラと笑った。
農家の人がまとめてくれたのだろう、一抱え分の藁が上手に縛ってある。
「すまんな、藁の代金は出世払いにして貰えぬか」
月守が藁束を土間に立てかけるのを見ながら、与平はとんでもないと首を横に振る。
「今日の売り上げはほとんど月守が一人で仕留めた魚だぜ。藁でおつりが来らぁ」
「ではそのおつり分は私が世話になっている滞在費としてくれるか」
「何言ってんの。もう家族じゃない、あたしたち」
「家族……」
月守が不意に遠い目をした。狐杜は言ってはいけないことを言ってしまったかと不安になった。
この男は自分に関する記憶を持たない。家族のことも忘れてしまっているのだろう。
だが与平は逆にそこを突っ込んできた。
「月守さぁ、家族のこととか思い出さねえの? 親とか子供とか。っていうか独身?」
「与平!」
狐杜が慌てて止めたが、与平は「大事なことだろ、家族って」と真顔で返す。
「それがたとえ血の繋がらない家族だったとしてもさ」
与平は視線を狐杜から月守へと移した。
「狐杜と両親だって血は繋がってなかった。それでも家族だった。おいらと狐杜と月守だって血の繋がらねえ家族だ。人は一人じゃ生きられねえ。月守にも大事な人はいたはずだと思うんだ」
月守はそのまま押し黙った。何も思い出せないのか、思い出そうと必死なのか、その表情からは掴み取れない。
そういえばこの男はもともとあまり喜怒哀楽を顔に出さない。二人とも月守と生活を始めてから、彼の笑顔をまだ見ていない。
「ゆっくり思い出せばいいか。おいらたちはもう家族だ。月守が何か思い出しても追い出したりしない。もちろん月守が自分の家を思い出して帰りたくなったら、引き留めたりもしねえよ。おいらたちが遊びに行くだけだ」
「そうだよね!」
狐杜は全力で彼に同調した。こんな時の与平はなんと頼りになるのだろうか。
「じゃ、おいら帰るよ。また明日な」
「うん、おやすみ」
月守は何も言わずに隣のあばら家に入る与平を見送った。
その夜、狐杜が深夜に目を覚ますと、隣りに寝ているはずの月守の姿が見当たらない。厠だろうかと思ったが、家のすぐ裏側に何かの気配を感じる。こんなところに熊も出ないだろうし、猿や貉かもしれない。
野生動物は臆病なので、音を立てれば大抵は逃げる。狐杜は鍋の蓋とおたまを持って静かに外に出てみた。鼬か貂か。犬でなければいいが。
そっと足音を忍ばせて家の裏手に回る。こちらは満月が出ていてとても明るい。何かがいればすぐにわかる。
狐杜が静かに覗こうとしたとき、それよりも早く声がした。
「狐杜殿か」
月守が座していた。月明かりに浮かぶ彼は、月の精と見紛うほどに美しく、この世のものとは思えなかった。
「こんな夜中に月見ですか」
「今宵は満月のようだ」
変な動物ではないと安心した狐杜は、構えていた鍋の蓋とおたまを下ろして月守に近付いた。
よく見ると手元に藁の束がある。一体何をやっていたのかと聞こうとした瞬間、逆に月守の質問が飛んできた。
「狐杜殿、こんな夜中に鍋の蓋など持って、どうされたのだ」
「あ、ええと、何かの気配を感じたから、動物がいるかと思って、追い払おうかって思って、その……」
「気配?」
月守が訝しむように狐杜を見た。
「私が気配をさせていたのか」
「え? はい、そうですけど」
月守の不思議な物言いに、狐杜は首を捻った。「私の気配を感じたのか」ならまだわかるが、「私が気配をさせていたのか」とはどういう意味だろう。
それを聞く間もなく、再び月守が口を開いた。
「それは申し訳ない。起こしてしまったか」
「いえ。それより何をやってるんですか?」
狐杜は月守の手元にある一握りの藁束に視線を落とした。
「草履を作っている」
「草履?」
おうむ返しに聞くと、「目が覚めて寝付けなくなってな」と言い訳のように付け足した。
「あの草履では、明日町に行ったら帰りは間違いなく裸足で戻って来ることになる」
与平のことを言っているのは狐杜にもすぐわかった。本当は寝付けなかったのではなく、最初から狐杜が寝入るのを待って外に出て、月明かりで草履を作るつもりだったに違いない。
「私は眠気が戻って来たら床に入るゆえ、狐杜殿はもう戻られよ。夜風は体を冷やす」
どうやら邪魔になるらしい。無心に草履を編みながら何かを思い出そうとしているのかもしれない。狐杜は素直に従うことにした。
翌朝の与平はご機嫌で口笛を吹きながら出て行った。理由は簡単、作ったばかりの新しい草履を月守から手渡されたからだ。
月守の草履はしっかりと目が詰まり、それだけに厚みを持って丈夫そうだった。
最後に与平の足に合わせて鼻緒をピタリと調整してくれたおかげで、どこまでも歩いて行けそうなくらい足に馴染んだ。
今日の与平の目的地は町ではなく、町へ行く途中に抜ける田園地域だ。ここの農家から野菜や藁を買っている。
このところ月守の体調が早く戻るようにと、普段よりはきちんとした野菜を買うようになっていた。それまでの彼らは、芋の蔓やその辺に生えている零余子、川で獲る魚ばかり食べていたが、農家が作っている野菜を分けて貰いに行くことが増えていた。
たくさんの野菜と途中で獲った山菜を背負い籠に入れて戻った与平は、開口一番に月守を呼んだ。
「月守に仕事を頼みたいって人がいたよ」
きょとんとする狐杜と月守に、与平は片足を上げて見せた。
「この草履だよ。新しいのを買ったのかって聞かれてさ、最近増えた家族が作ってくれたって言ったんだ。すげえ履き心地が良くて池の上でも歩けそうだって言ったら作って欲しいって言われたんだよ。お金はないけど、野菜ならたくさんあるからって。やれるか?」
「いくつ作れば良いのだ」
月守は顔色一つ変えずに尋ねた。
「三人分。大吉さんとお米さん、あとお種ちゃんはまだ五つだから小さいヤツな!」
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