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 1年後、ジャックとマリーは結婚し、その翌年には女児が生まれました。
 マリーによく似た赤ちゃんは、1歳の誕生日にライに話しかけました。

「ライ、逢いたかったわ」
 その子の持つ雰囲気は、まるでミアと同じでした。
 ライは、ひとつの可能性を夢見て、ジャックにお願いをしました。

「この子の魂を呼び出して、会話させてくれないか?」
 真剣な表情のライに、ジャックは頷きました。

 ライは魔法で魂を呼び出します。
 白い霧に包まれた魔法陣の中から現れたのは、まぎれもなくミアの魂でした。

『ライ…あなたに逢いたくて、生まれ変わってきたのよ。あなたをこの世に残して逝ってしまって。たくさん寂しい思いをさせてごめんね。これからは、ずっと一緒にいましょう…?』
 ライとの奇跡の再会を喜び涙するミアの魂は、黄金色に輝いています。

 もう逢うことは叶わないと諦めていたミアの魂を目の当たりにして、嬉し涙が溢れてくるライ。

 神々しい女神を崇めるように、ミアに釘付けになっている放心状態のライは、ゆっくり振り向き、もらい泣きしている2人に告げました。

「ミアに…もう1度逢わせてくれて、ミアを生んでくれて、ありがとう…。ジャックとマリーのお陰だ。こんな…こんなことがあるなんて…夢を見てるみたいだ…」
 ライの涙は止まりません。

「ライ、よかったな」
「本当に…」
 号泣するライを優しく抱きしめるジャックとマリー。

「ライ、ヨカッタネ!」
「ミアサンモ ヨカッタネ!」
「バンザ~イ!」
 インコたちも万歳三唱しながら、もらい泣きしています。
 
 ライの凍っていた心が、やっと溶けた瞬間でした。


 それから、ジャックの娘は「ミア」と改名されました。
 ライは、赤ちゃんのミアを一生懸命育児しています。
 ミルクをあげるのも、お風呂に入れるのも、抱っこもとても上手です。

 逢えなかった時間を取り戻すかのように、愛を育むライとミア。
 とても幸せそうな2人を、微笑ましく見守るジャックとマリーです。

「ライって、本当は朗らかな人だったのね。ミアさんと一緒にいると、いつも笑ってるわ」
「俺たちと出会った頃は、無表情でクールな雰囲気だったな。よほど、ミアさんを亡くしたことが辛くて、笑えなかったんだな…。ライに笑顔が戻って、本当によかった」
 
 優しい瞳でライを見守るジャックに、マリーは微笑みかけました。
「私も、ジャックと一緒に居られて幸せよ。ジャックの魔法のお陰で父も性格が優しくなったし。私、思いやりのある優しいジャックが大好きよ」
「マリー!」
 マリーからの告白がうれしくて、ジャックは思い切りマリーを抱きしめました。

「ジャック! ワタシタチモ ジャックト マリーガ 大好キダヨ!」
 インコたちが我先にとジャックとマリーの頭や肩に乗ってきます。甘えん坊なインコたちです。
「俺もみんなが好きだよ!」

 幸せで楽しい笑い声に包まれ、ジャックとマリーは仲良く寄り添い、微笑み合ったのでした。







 end

 読んでくださった全ての方に感謝いたします。
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