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雪上の動物たち
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晴れた冬の午後。
一面の雪景色の中で、美しい雄のタンチョウ(鶴)が踊っていました。
「タン太くん、求愛ダンスの練習かい?」
タンチョウのチョウ三郎くんが声をかけました。
「そうだよ。雌のタンチョウが少数だから、僕たち雄は熾烈な嫁取り競争だよね」
タン太くんは華麗な求愛ダンスを続けます。
くるくるくると、つま先立ち回転も練習し始めました。
「おっ! その求愛ダンスは新しい動きだね!」
「ふふふ。目立って点数を稼ごうという作戦さ!」
なるほど!と、チョウ三郎さんもムーンウォークし始めました。
「うわ~! チョウ三郎くん、かっこいい~!」
負けじとバック転するタン太くん。
「おっ! やるね~!」
チョウ三郎さんは駆け出すと空へ飛翔し、空中から後方3回宙返り3回ひねりを成功させながら舞い降りてきました。
「「「わ~~~っ!! すご~~い!!」」」
いつの間にか泉の森の動物たちが集まっていて、拍手喝采を送っています。
「ダンスなら僕も得意だ!」
「わたしだって!」
次々と動物たちが雪上のダンスに参加してゆきます。
ユキヒョウやオオカミ、タヌキ、キツネ、ユキウサギ、鹿、ヒグマ、テン、リス、ペンギンたちが雪上に繰り出し、楽しそうに踊り始めました。
「突然、雪上のダンス大会が始まってしまいました! 私、司会のタヌキツネ! 相方の柴わん太さんは雪とたわむれ楽しそうに走っていますね!」
おなじみの司会者までスタンバっています。いつもマイクを持ち歩き、隙あらば司会してしまうタヌキツネさんなのでした。
「アイスゴリラさんがブレイクダンスを始めました! かっこいいですね! あっ、振り向きざまに隣にいたマンモスさんにぶつかりそうです! おお~! マンモスさんが怒っています! 乱闘が始まってしまいました!」
「最近はあまり見かけない、野球の試合中の乱闘のような感じですね! こんな時とばかりにどさくさに紛れてキックしてる野次馬がいますね!」
「乱闘を止める振りをして楽しんでいるユキヒョウさんは寝技に持ち込みました!」
「オオカミさんのドロップキックは凄い威力ですね~! おおっ! ヒグマさんに投げ飛ばされた白熊さんが猿団子中の猿の群れに飛び込み、とても温かい模様です!」
「カピバラさんたちは、雪の露天風呂に入りマイペースですね!」
「柚子の良い香りが漂ってきます」
「柴わん太さん!もう雪遊びはいいんですか?」
「寒くなってきたので、タヌキツネさんと実況しま~す!」
もふ耳と巻き尻尾、可愛い柴尻に、胸が「きゅうん♪」と高鳴ってしまうタヌキツネさんでした。
「白鳥さんたちのバレエは美しいですね!」
「ユキウサギさんたちのレゲエも可愛いです!」
「ペンギンさんたちの社交ダンスも足踏みまくりで可愛いですね!」
「「「10点!10点!10点!10点!10点!」」」
いつの間にか集まった審査員の動物たちが満点評価の連続です!
「皆さん、見事なダンスでした! さぁ! 泉の森ダンス大会の優勝の栄冠に輝くのは誰でしょうか!?」
表彰式まで始まってしまいました。
ダラララララ・・・ジャジャ~ン!
タ~ンタ~カタ~ンタ~ン、タラララタンタンタ~ン、タラララタンタンタ~ンタ~ン、タ~ラ~ラ~ララ~ン♪
泉の森オーケストラの華やかな演奏が始まり、審査員長らしき男性がステージに上がってきました。
おもむろにマイクを握ると、微笑みを浮かべ話し始めます。
「皆さん、素晴らしいダンスでした! 優勝者を発表する前に、僕がお祝いの歌を1曲プレゼントしようと思います!
♪~ふんふふんふふ~ん、ボヘ~~~♪」
ご機嫌で歌いだしたのは、泉の森の超ド級音痴のレジェンド、ダンジョンモンスターの青年でした。
音痴の自覚がなく、歌が大好きな超プラス思考の彼の歌声は止まることを知りません。
「うおぉっ!! マイクのエコーで音痴がパワーアップされている!」
「た…立ち上がれないほどの破壊力だ!」
「泉の森の最終兵器かも!」
音痴に悶える泉の森の動物や妖怪、魔物たち。
ダンジョンモンスターの青年は、皆が自分の歌に酔いしれ感動に震えていると解釈したらしく、2曲目を歌い始めました。
そこで、魔ネズミのねずりんが立ち上がり、こっそりマイクの電源コードを噛み切ったのでした。
「あれぇ? 雪の湿気のせいでマイクが故障したのかなぁ? そういえば、表彰式の途中でしたね! 栄えある第1回泉の森ダンス大会の優勝者は! タンチョウのチョウ三郎さんで~す! おめでとう~!」
ワ~~~~ッ!! と、動物や妖怪、魔物たちから歓声が沸きおこります!
「「「チョウ三郎さん、素敵ぃ~~♪」」」
タンチョウ女子たちのハートを鷲掴みにしたチョウ三郎さんは、めでたく花嫁をゲットしたのでした♪
*****************
遊びにきてくださりありがとうございました。うれしかったです。
お話が浮かばなくて、あまり更新できなくてすみませんでした。
一面の雪景色の中で、美しい雄のタンチョウ(鶴)が踊っていました。
「タン太くん、求愛ダンスの練習かい?」
タンチョウのチョウ三郎くんが声をかけました。
「そうだよ。雌のタンチョウが少数だから、僕たち雄は熾烈な嫁取り競争だよね」
タン太くんは華麗な求愛ダンスを続けます。
くるくるくると、つま先立ち回転も練習し始めました。
「おっ! その求愛ダンスは新しい動きだね!」
「ふふふ。目立って点数を稼ごうという作戦さ!」
なるほど!と、チョウ三郎さんもムーンウォークし始めました。
「うわ~! チョウ三郎くん、かっこいい~!」
負けじとバック転するタン太くん。
「おっ! やるね~!」
チョウ三郎さんは駆け出すと空へ飛翔し、空中から後方3回宙返り3回ひねりを成功させながら舞い降りてきました。
「「「わ~~~っ!! すご~~い!!」」」
いつの間にか泉の森の動物たちが集まっていて、拍手喝采を送っています。
「ダンスなら僕も得意だ!」
「わたしだって!」
次々と動物たちが雪上のダンスに参加してゆきます。
ユキヒョウやオオカミ、タヌキ、キツネ、ユキウサギ、鹿、ヒグマ、テン、リス、ペンギンたちが雪上に繰り出し、楽しそうに踊り始めました。
「突然、雪上のダンス大会が始まってしまいました! 私、司会のタヌキツネ! 相方の柴わん太さんは雪とたわむれ楽しそうに走っていますね!」
おなじみの司会者までスタンバっています。いつもマイクを持ち歩き、隙あらば司会してしまうタヌキツネさんなのでした。
「アイスゴリラさんがブレイクダンスを始めました! かっこいいですね! あっ、振り向きざまに隣にいたマンモスさんにぶつかりそうです! おお~! マンモスさんが怒っています! 乱闘が始まってしまいました!」
「最近はあまり見かけない、野球の試合中の乱闘のような感じですね! こんな時とばかりにどさくさに紛れてキックしてる野次馬がいますね!」
「乱闘を止める振りをして楽しんでいるユキヒョウさんは寝技に持ち込みました!」
「オオカミさんのドロップキックは凄い威力ですね~! おおっ! ヒグマさんに投げ飛ばされた白熊さんが猿団子中の猿の群れに飛び込み、とても温かい模様です!」
「カピバラさんたちは、雪の露天風呂に入りマイペースですね!」
「柚子の良い香りが漂ってきます」
「柴わん太さん!もう雪遊びはいいんですか?」
「寒くなってきたので、タヌキツネさんと実況しま~す!」
もふ耳と巻き尻尾、可愛い柴尻に、胸が「きゅうん♪」と高鳴ってしまうタヌキツネさんでした。
「白鳥さんたちのバレエは美しいですね!」
「ユキウサギさんたちのレゲエも可愛いです!」
「ペンギンさんたちの社交ダンスも足踏みまくりで可愛いですね!」
「「「10点!10点!10点!10点!10点!」」」
いつの間にか集まった審査員の動物たちが満点評価の連続です!
「皆さん、見事なダンスでした! さぁ! 泉の森ダンス大会の優勝の栄冠に輝くのは誰でしょうか!?」
表彰式まで始まってしまいました。
ダラララララ・・・ジャジャ~ン!
タ~ンタ~カタ~ンタ~ン、タラララタンタンタ~ン、タラララタンタンタ~ンタ~ン、タ~ラ~ラ~ララ~ン♪
泉の森オーケストラの華やかな演奏が始まり、審査員長らしき男性がステージに上がってきました。
おもむろにマイクを握ると、微笑みを浮かべ話し始めます。
「皆さん、素晴らしいダンスでした! 優勝者を発表する前に、僕がお祝いの歌を1曲プレゼントしようと思います!
♪~ふんふふんふふ~ん、ボヘ~~~♪」
ご機嫌で歌いだしたのは、泉の森の超ド級音痴のレジェンド、ダンジョンモンスターの青年でした。
音痴の自覚がなく、歌が大好きな超プラス思考の彼の歌声は止まることを知りません。
「うおぉっ!! マイクのエコーで音痴がパワーアップされている!」
「た…立ち上がれないほどの破壊力だ!」
「泉の森の最終兵器かも!」
音痴に悶える泉の森の動物や妖怪、魔物たち。
ダンジョンモンスターの青年は、皆が自分の歌に酔いしれ感動に震えていると解釈したらしく、2曲目を歌い始めました。
そこで、魔ネズミのねずりんが立ち上がり、こっそりマイクの電源コードを噛み切ったのでした。
「あれぇ? 雪の湿気のせいでマイクが故障したのかなぁ? そういえば、表彰式の途中でしたね! 栄えある第1回泉の森ダンス大会の優勝者は! タンチョウのチョウ三郎さんで~す! おめでとう~!」
ワ~~~~ッ!! と、動物や妖怪、魔物たちから歓声が沸きおこります!
「「「チョウ三郎さん、素敵ぃ~~♪」」」
タンチョウ女子たちのハートを鷲掴みにしたチョウ三郎さんは、めでたく花嫁をゲットしたのでした♪
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遊びにきてくださりありがとうございました。うれしかったです。
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