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自称・名探偵ビーグル その3
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この寒いのに、冬の山頂で3角関係の修羅場が始まるのか~?!
と、初めてのモテ期にワクワクするカピバラ子と、自称・名探偵ビーグル。
バラ郎さんに睨まれたカピ男さんは申し訳なさそうに話し始めました。
「じつは・・・僕は鳳凰が大好きなんです。
だから、この見事な鳳凰の編み込まれたセーターに魅了されてしまいました」
セーターの中で舞い飛ぶ朱色の艶やかな鳳凰は、美しく今にも飛び立ってゆきそうな躍動感に溢れていました。
(あら? 私のセーターだから欲しかったのいうわけではなかったのね?)
どうも3角関係じゃないみたい。
と、モテ子気分を味わえるかと期待していたカピバラ子さんは、
世の中そんなに甘くないわよね~うんうん、と何かを悟ったのでした。
「そんなに、その鳳凰が気に入ったのか。
そのセーターは俺が編んだんだ。妹のカピバラ子に貸していたんだ」
「えっ? バラ郎さんが編んだんですか? この素晴らしい鳳凰を?」
瞳をキラキラと輝かせ、憧れの眼差しを送ってくる乙男なカピ男さん。
「そんなに褒められると照れるじゃないか」
バラ郎さんはつい浮かれてスキップしてしまいそうになる右足を必死に抑えるのでした。
「お兄ちゃんのセーターで借り物だから、私も絶対見つけて返さなきゃって思ってたの」
「そうだったんですか。本当にすみませんでした。こんな所まで来てもらって。
ここに鳳凰の祀られた祠があるんです。聖地なんです」
カピ郎さんはそう言うと、鳳凰の祠の前に跪き、手を合わせて祈りを捧げました。
それに倣う、カピバラ子、バラ郎、ビーグル。
祈っている姿のバラ郎さんがカッコよく見えて、内緒でキュンと胸を高鳴らせてしまう乙男なカピ男さん。どうやらBL方面の方のようです。
そんなカピ男さんの複雑な想いには到底気付かないバラ郎さんは言いました。
「カピ男くん。君は本当に鳳凰が好きなんだね」
「はい。こんなに素晴らしい鳳凰を編んだバラ郎さんを尊敬しています。
ぜひ、売っていただけませんか?」
暑苦しいほどの熱視線と共にハートマークがわんさか飛んできます。
あっという間にハートマーク(カピ男の愛)に埋もれたバラ郎さんは彼の熱意に参りました。
「そんなに気に入ったのなら、あげるよ」
「本当ですか?! バラ郎さん、大好き~!
あっ、代わりにといっては何ですが、この豚のお尻模様と雷様の大笑い模様のセーターを差し上げます!」
「おお! これは着ただけで大笑いされそうな罰ゲーム的なデザインじゃないか! 何かのイベントの時にでも着るよ」
なんだか仲良くなってしまったふたりを見て、カピバラ子さんはヤキモチを焼くのでした。
「もぉ~、私のお兄ちゃんなのよ! そんなにくっついちゃダメ! BL禁止!」
バラ郎さんの右腕にくっつくカピバラ子さん。左腕にはカピ男さんがくっついています。
モテ期到来だったのは、バラ郎さんだったようです。
祠の前で大騒ぎしていると、突然、空から大きな翼を持つ朱色の鳳凰が優雅に舞い降りてきました。
つぶらな瞳で愛らしく見つめてきます。
そして、甲高い声で嬉しそうに鳴くのでした。
「皆さん! 鳳凰が『話は全て聞かせてもらった!そんなに我を崇拝しているのなら背中に乗せて飛んであげてもいいぞ!超ゴキゲン♪』と言っていますよ!」
鳳凰はどこかでずっとこっそり聞き耳を立てていたようです。
なぜか鳳凰語も分かるビーグルが通訳すると、
「「「わ~~い!!」」」
皆、大喜びです!
早速、皆が鳳凰の背中によじ登ると、
大きな美しい翼をはためかせ、真っ青な大空へと飛翔してゆきました。
「「「「ヤッホ~~~!!」」」」
楽しそうな4人の声は、賑やかな山彦となり、山々に響き渡ったのでした。
と、初めてのモテ期にワクワクするカピバラ子と、自称・名探偵ビーグル。
バラ郎さんに睨まれたカピ男さんは申し訳なさそうに話し始めました。
「じつは・・・僕は鳳凰が大好きなんです。
だから、この見事な鳳凰の編み込まれたセーターに魅了されてしまいました」
セーターの中で舞い飛ぶ朱色の艶やかな鳳凰は、美しく今にも飛び立ってゆきそうな躍動感に溢れていました。
(あら? 私のセーターだから欲しかったのいうわけではなかったのね?)
どうも3角関係じゃないみたい。
と、モテ子気分を味わえるかと期待していたカピバラ子さんは、
世の中そんなに甘くないわよね~うんうん、と何かを悟ったのでした。
「そんなに、その鳳凰が気に入ったのか。
そのセーターは俺が編んだんだ。妹のカピバラ子に貸していたんだ」
「えっ? バラ郎さんが編んだんですか? この素晴らしい鳳凰を?」
瞳をキラキラと輝かせ、憧れの眼差しを送ってくる乙男なカピ男さん。
「そんなに褒められると照れるじゃないか」
バラ郎さんはつい浮かれてスキップしてしまいそうになる右足を必死に抑えるのでした。
「お兄ちゃんのセーターで借り物だから、私も絶対見つけて返さなきゃって思ってたの」
「そうだったんですか。本当にすみませんでした。こんな所まで来てもらって。
ここに鳳凰の祀られた祠があるんです。聖地なんです」
カピ郎さんはそう言うと、鳳凰の祠の前に跪き、手を合わせて祈りを捧げました。
それに倣う、カピバラ子、バラ郎、ビーグル。
祈っている姿のバラ郎さんがカッコよく見えて、内緒でキュンと胸を高鳴らせてしまう乙男なカピ男さん。どうやらBL方面の方のようです。
そんなカピ男さんの複雑な想いには到底気付かないバラ郎さんは言いました。
「カピ男くん。君は本当に鳳凰が好きなんだね」
「はい。こんなに素晴らしい鳳凰を編んだバラ郎さんを尊敬しています。
ぜひ、売っていただけませんか?」
暑苦しいほどの熱視線と共にハートマークがわんさか飛んできます。
あっという間にハートマーク(カピ男の愛)に埋もれたバラ郎さんは彼の熱意に参りました。
「そんなに気に入ったのなら、あげるよ」
「本当ですか?! バラ郎さん、大好き~!
あっ、代わりにといっては何ですが、この豚のお尻模様と雷様の大笑い模様のセーターを差し上げます!」
「おお! これは着ただけで大笑いされそうな罰ゲーム的なデザインじゃないか! 何かのイベントの時にでも着るよ」
なんだか仲良くなってしまったふたりを見て、カピバラ子さんはヤキモチを焼くのでした。
「もぉ~、私のお兄ちゃんなのよ! そんなにくっついちゃダメ! BL禁止!」
バラ郎さんの右腕にくっつくカピバラ子さん。左腕にはカピ男さんがくっついています。
モテ期到来だったのは、バラ郎さんだったようです。
祠の前で大騒ぎしていると、突然、空から大きな翼を持つ朱色の鳳凰が優雅に舞い降りてきました。
つぶらな瞳で愛らしく見つめてきます。
そして、甲高い声で嬉しそうに鳴くのでした。
「皆さん! 鳳凰が『話は全て聞かせてもらった!そんなに我を崇拝しているのなら背中に乗せて飛んであげてもいいぞ!超ゴキゲン♪』と言っていますよ!」
鳳凰はどこかでずっとこっそり聞き耳を立てていたようです。
なぜか鳳凰語も分かるビーグルが通訳すると、
「「「わ~~い!!」」」
皆、大喜びです!
早速、皆が鳳凰の背中によじ登ると、
大きな美しい翼をはためかせ、真っ青な大空へと飛翔してゆきました。
「「「「ヤッホ~~~!!」」」」
楽しそうな4人の声は、賑やかな山彦となり、山々に響き渡ったのでした。
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