異世界でのんびり暮らしてみることにしました

ウサギネコの赤ちゃんお披露目パーティー

　桃色のアジサイが咲いた日、ウサギネコのペーターさん夫妻に赤ちゃんが生まれた。
　初めての赤ちゃんに大喜びのペーターさんは、自宅の庭で赤ちゃんのお披露目パーティーを開いたの。

「ペーターさん、おめでとう～♪」
「可愛い赤ちゃんね！」
「お祝いのプレゼントだよ～♪」
　泉の森の皆の祝福に、大喜びのペーターさん夫妻。

「みんな、来てくれてありがとう！　楽しんでいってね♪」
　ペーターさん夫妻はバイキング形式のごちそうや飲み物を、長テーブルにずらりと並べてもてなしてくれた。
　広い庭には、色とりどりの綺麗な花々が咲いていて、とても華やか。

　レースフリフリのベビーベッドで眠るウサギネコの赤ちゃんは、とても小さくて柔らかそう。
　モフモフの白うさぎの耳に、茶色い猫の目をした、ほぼ白うさぎの女の子で、名前はミミリンちゃん。

「お招きいただき、ありがとうございます。ミミリンちゃん、可愛いですね♪」
　ミミリンちゃんへのプレゼントにおもちゃを渡し、私とカイルがペーターさんに挨拶すると、

「ええ、妻に似たんですよ♪」
　と、目尻を下げて惚気るペーターさん。

「まぁ。あなたに似たのよ♪」
　と、もじもじする奥さん。

「おまえだよ♪」
「ううん、あなたよ♪」
　と、ラブラブ全開のイチャデレエンドレスが目の前で始まってしまった。

「それでは、ミミリンちゃんの誕生を祝って、七色鳥が空を舞うそうです！　
　七色鳥のみなさん、は～りきって、どうぞ～♪」
　今日も司会進行役のマイクを握るタヌキツネさんに紹介され、数十羽の鮮やかな七色鳥たちが空に飛び立った。

　七色鳥は白鳩くらいの大きさで、それぞれ色が違っていて、赤い鳥、青い鳥、黄色い鳥、緑の鳥、桃色の鳥、オレンジ色の鳥、紫色の鳥たちが、色分けされながら虹のように列になって、波のような動きをしながら流れるように飛んでゆく。

「ウェ～ブだ！」
「きれいね～！」
　七色鳥たちは虹のようなウェーブをした後、花の模様を表現するために並び替えて飛んだ。
「バラの花だ！」
「ひまわりも！」
「あじさいだ！」
　七色鳥たちが空に描く大輪の花に、みんな大喜び。
　フィニッシュに、七色鳥たちは華麗な鳥文字を披露した。

　☆おめでとう☆

　ワ～～～ッ！　と歓声や拍手が鳴り響く。

　七色鳥たちの素晴らしい空中技の後、お笑い系妖怪たちの揃わないラインダンスが始まり、太めの白鳥たちが白鳥の湖を転びながら舞い、引っ越し途中の鴨親子が寄り道ついでにステージに乱入し、人魚姫が釣ったジョーズの一夜干しを丸焼きにしてくれたりで、パーティー会場は大盛況！

　しかし、会場の隅っこでは、悪だくみをしている者がいたのでした。


　つづく