異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓

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ナルト花とユカイトンボさん  その3

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 ナルト花の花畑に戻ってきたルカとカイルは、マジックバックの小物入れの中で眠るトンボロウさんを起こして、ルグルグ水を飲ませてあげました。

「目が回らなくなるといいわね」
「今度こそ、うまくいくといいね」
 ルカとカイルの優しい言葉に、トンボロウさんは勇気をもらいました。

「ありがとう。僕、今度こそ…」
 トンボロウさんが話していると、突然、遠くから悲鳴が聞こえてきました。

「あの声は…トンボリーちゃんだ!」
 トンボロウさんは、言うが早いか全速力で声のする方向へと向かいます。
 ルカとカイルも後を追いました。

 途中、何度もナルト花を見かけましたが、トンボロウさんはもう目を回すことはありませんでした。

 駆けつけてみると、トンボリーちゃんが食虫植物に捕まり食べられそうになっています!

「トンボリーちゃん!」
 トンボロウさんは食虫植物に体当たりして、トンボリーちゃんを救いました。

「トンボリーちゃんを食べるなんて許さないぞ!」
 トンボロウさんは怒りのあまり、筋肉ムキムキのスーパートンボロウに変身してしまいました。

 もの凄い攻撃をされるのかと、たじろぐ食虫植物でしたが、

 ピコン、ピコン、ピコン…

 スーパートンボロウさんの胸に光るカラータイマーが鳴り始めてしまいました!
 スーパートンボロウさんの活動時間は1分しかなかったようです! ←短すぎ!

「うぅっ。まだ何も攻撃できてないのに!」
 残念そうなトンボロウさんは、なす術もありません。

 食虫植物は攻撃できないトンボロウさんと戦う気も起らず、森の中へと帰ってゆきました。

「トンボロウさん! 大丈夫?」
 無傷のトンボロウさんを心配する優しいトンボリーちゃんです。

「トンボリーちゃん。僕、ナルト花を見ても目が回らなくなったんだ」
「本当? すごいわ!」
「でも、僕の実力でそうなったんじゃなくて、ルカちゃんやカイルくんのお陰なんだ」
「分かってるわ」
 トンボリーちゃんは、何でもお見通しのようです。

「でも、トンボロウさんのそんな正直な性格が好きよ」

 えぇっ!?

「本当? 僕が好きなの?」
「ずっと私だけを好きでいてくれたし、私を命がけで助けようとしてくれたわ」
「トンボリーちゃん、好きだよ! 僕と結婚して!」

 告白するつもりが、プロポーズしてしまったトンボロウさん。

「いいわよ」

 トンボリーちゃんの返事に、

「やったぁ~~っ!」
 と、喜び飛び回るトンボロウさん。

 トンボロウさんの101回目の告白はプロポーズになり、大成功したのでした♪
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