異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓

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ナルト花とユカイトンボさん  その2

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「ルグルグ水を飲めば、ナルト花を見ても目が回らなくなると言われてるんだよ。
 でも、どこにあるか分からないんだ。
 このままじゃ、トンボリーちゃんに振られちゃう」
 トンボロウさんは、どうしようどうしようと焦っています。

 すでに100回振られてますよ。とは言えないルカとカイルでした。
 でも、ルグルグ水を見つけることができたら、今度こそ上手くいくかもしれない。なら協力したいと思いました。

「トンボロウさん、ルグルグ水を探しに行きましょう!」
「見つかるかもしれないよ」
 ルカとカイルの励ましに、滝涙を流して感動するトンボロウさん。

「ありがとう! 本当にあるのか分からない伝説のルグルグ水だけど、なんだか見つかりそうな気がしてきたよ!」
 突然、根拠のない自信にあふれてしまったトンボロウさんは、

「さぁ! 探しに行こう!」
 と、意気揚々と空を飛び始めました。

「こっちの方角でいいの?」
 ルカが素朴な疑問を投げかけると、

「え~~っとぉ…どっちに行けばいいの?」
 トンボロウさんは行き当たりばったりに探そうとしていたようです。

「聞き込み調査をしよう!」
 カイルの掛け声に、

「「「お~~~っ!!」」」
 一致団結!

 そして次の瞬間、

「トンボロウさん!」

 またもやうっかりナルト花を見てしまったトンボロウさんは目を回して眠ってしまい、ルカが空中キャッチして、マジックバッグ内の小物入れの中に保護しました。
 すやすやと幸せそうな寝顔のトンボロウさんです。

 早速、森の泉に行って聞き込み調査を開始しました。

「ルグルグ水? あのやたら気分が明るくなって踊りたくなる水のこと?」
「それは、ルンルン水だよ!」
 と、狸さんに狐さんが突っ込み。

「ルグルグ水かい? それなら僕も探しに行ったさ~。でも伝説の水なんじゃないかなぁ~?見つからなかったよ」
「ルグルグ水? ルグルグキャンディーが売ってる店なら知ってるわよ」

 聞き込み調査の結果、とりあえず、ルグルグキャンディーが売られている村の場所が分かったので行ってみると、ナルト花のような形のキャンディーが売られていました。

 ルグルグ村の入り口に建っている小さな木造のお店は、アンティーク調でこじんまりとした可愛いお店です。

 エプロンをしたハリネズミのお母さんが店番をしていました。
「いらっしゃい! 美味しいルグルグキャンディーはいかが? 
 トンテケテン味とドドンパ味がおすすめだよ♪」

 どんな味?
 と思わずにはいられないルカでした。

 とりあえず、店主おすすめのキャンディーを買い、尋ねることにしました。

「おばさん。ルグルグ水って、どこにあるか知ってますか?」ルカが聞くと、
 ハリネズミのお母さんは『おばさん』というワードがちょっと気に入らないようでした。

 カイルが
「お姉さん。ルグルグ水って、どこにあるか知ってますか?」と言い直すと、
 途端に上機嫌になるハリネズミ母。

「ルグルグ水かい? それならね~、この道をまっすぐ行って、つきあたりを左に曲がったところにある洞窟内のどこかにあるんじゃないかって噂を聞いたことがあるよ」

 愛想良く教えてくれるハリネズミ母を見て、これからは女性に何か尋ねる時は『お姉さん』と言うことにしようと心に決めたルカでした。

(そういえば、近所の八百屋さんは、おばあさんにでも『お姉さん』と声かけしていたわ。
 「お姉さん、大根が安いよ!」「や~ん♪買っちゃう♪」
 という感じで繁盛してたわね)←実話
 と、昔を思い出すルカ。

 ハリネズミ母に教えてもらった道を進むと、洞窟にたどり着きました。

 洞窟の入り口は小さくて、うっかり見過ごしてしまいそうです。
 中は暗くて、入るのに躊躇していると、洞窟の中からネズミの子供たちが楽しそうに突進してきました。

「「「「「わ~~い!」」」」」

 カイルが受け止めると、ネズミのお母さんが現れました。

「もう!飛び出しちゃダメって言ってるでしょ?」
 お母さんネズミはカイルから子供たちを受け取ると、
「すみません。ぶつかっちゃって」
 とカイルに謝りました。
 
「いえ、大丈夫ですよ」
 カイルの美貌に思わず見とれてしまうネズミのお母さん。

「お姉さん、ルグルグ水がどこにあるか知ってますか?」
 
 ネズミのお母さんは快く、ルグルグ水のありかを教えてくれたのでした。
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