異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓

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白うさぎさんと餅つき

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 満月が煌々と輝く夜。
 白うさぎさんたちがダンスを踊りながら、森の泉に向かう姿が見えた。
 小さな白い手には、杵と臼を持っている。

 私とカイルはわくわくしながら、うさぎさんの後をついていった。

 森の泉では、すでに大勢のうさぎさんが、もち米を炊きながらダンスを踊っていた。
 小さなあんよの二足歩行がとっても可愛い。

 白うさぎさんたちがくるくると輪になって踊っている中央に臼が設置され、炊き立てのもち米が臼に入れられると、餅つきが始まった。
 
 ぺったんこ~、ぺったんこ~♪

 みんなの掛け声と共に、美味しそうなもち米の匂いと湯気が漂ってくる。

「カイルッ! 私、あんこを作ってくるわ!」
「あんこ?」
 すぐ戻るからとカイルに言って、この前、山で見つけた小豆に似た豆を摘みに走る。

「やっぱり、お餅にはあんこよね~♪」
 大量に摘んだ小豆もどきを魔法であんこに調理する。
 大皿に盛った、出来立てホヤホヤのあんこはとっても美味しそう。

「そうだ! レオンさんとアーシャさんも誘ってみよう♪」
 家に戻ると、レオンさんは1mの大皿に乗った山盛りのあんこにビックリ仰天。
「なんじゃこりゃあ~!?」
 あっ。松〇優作さんみたい♪かっこい~!

「あんこです! これを持参して、うさぎさんの餅つき大会に参加させていただきましょう!」
 搗き立てホカホカゲットだぜ!

「甘くていい匂い♪」
 アーシャさんが食べたそうなので、ひとくち味見してもらう。
「おいしい~!」
 感動してるアーシャさんを見て、レオンさんも味見する。
「うわっ、うま!」
 レオンさん、スイーツ男子だったんですね。爆食いしてるし!
「全部食べちゃダメ~! うさぎさんたちにもあげるんですから~!」
「あっ、そうだったな。すっかり忘れてた!」
 大事なとこです、そこ!
「今度、あんこでどら焼きを作りましょうか?」
「うまそう!楽しみにしてるよ」
「じゃあ、森の泉に行きましょう♪」

 もう歩きまわれるようになった赤ちゃん虎をベビーカーに乗せて、餅つき会場へ。
 白うさぎさんは、あんこの差し入れをすごく喜んでくれた。

「満月の夜になると、なぜか餅つきがしたくなっちゃうのよ~♪」という白うさぎさんの呟きを、
 すごくわかる~♪と思いながら、うさぎさんたちと一緒にお餅を丸め、あんこを乗せた。

 大皿に丸い餅の山がピラミッドのように綺麗に積まれていく。
 大皿、重宝するわぁ~。また仕入れておかなくちゃ。

 ススキのような箒のような形の草を探してきて、花瓶に挿してみる。
 ほぼ、十五夜だよ~♪
 異世界で十五夜ができるとは思わなかった♪

 澄んだ夜空に浮かぶ真ん丸なお月様はとても綺麗。
 あんこの乗ったお餅は大好評で、みんなでたらふく食べたのでした♪









********************************************************
このお話を、お子様が読んでくれている可能性は極めて低いのですが、念には念を…。

これは、おとぎ話です。うさぎさんはお餅やあんこを食べません。新鮮な生の人参をあげてくださいね♬
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