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これを穿けばモテモテ?
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「アーシャさん、呪いを解くものってありませんか?」
夕食後の団欒の時間に尋ねてみた。
ニャロンさんの魔力封じの呪いを解いてあげれたらと思って。
「何の呪いなの?」
「魔物と戦った魔法使いの猫さんの、魔力封じの呪いです。今は普通の猫になってしまったけど、島で唯一の魔法使いみたいだし、また魔法を使えるようになりたいんじゃないかと思って…」
「それなら、呪いを浄化する植物があったと思うぞ。山の上に厄除けの神社があるから、そこで分けてもらえるかもしれない。その植物を毎日食べることで、徐々に呪いが浄化されていくんだ。空を飛べば15分ほどで行ける」
レオンさんが貴重な情報を提供してくれた。
「そんな植物があるんですか? じゃあ、明日にでも分けてもらいに行こうかしら」
「僕も行く!」
子虎の姿になっていたカイルが、君を守るのは僕だよ!みたいな視線を送ってくっついてくる。久し振りのモフモフ気持ちいい~♪
窓から見える夜空には、たくさんの星が瞬いていた。
あっ、そうだ。夏といえば…。
私はみんなを庭に誘った。
人差し指を夜空へ向け、指先から連続して火花を発射する。
ドド~~~ン!! パ~~~ン!! ドド~~~ン!!
「た~まや~♪」
異世界の夜空に、たくさんの大輪の花火が咲く。
「うわ~~~っ!!綺麗だ~~~っ!!」
カイルは大喜び。レオンさんとアーシャさんは驚いていたけど、喜んでくれた。
追加の花火を連発する。静かだった夜空は、満開の花火で華やかに彩られていく。
みんなで見た夏の花火は、とても綺麗で楽しかった♪
翌朝。
「アイス山の神社だぞ。気を付けてな」
レオンさんから地図を受け取る。
なんか寒そうな山なのかな?
「わかりました。行こう、カイル」
「うん! 早くお弁当食べたいな~♪美味しそうだった」
お弁当って、特別美味しく見えてしまうのは何でだろう?
お弁当箱に可愛らしくおかずが詰まってるからかな?
「お昼になったら食べようね♪」
「早く神社に行こう!」
森は盗賊も出るので、空を飛んで神社を探すことにした。
夏の太陽に向かって、熱中症と日焼けを気にしながら飛んでいる、心はアラサーの私。
カイルは純粋に空からの景色を楽しんでいるようだ。
空から見ると、森がブロッコリーみたいに見える。
アイス山に近づくにつれ、空気が冷たくなってきた。
クーラーのような涼しい風が気持ちいい~♪ なんて思ってたら、段々、冷凍庫のような寒さに。
その時、ふわっと暖かいものに包まれる。
「ルカ、上着を着て?」
カイルが空を飛びながら、私に上着を着せてくれていた。
なんて用意がいいの!
「カイルの上着は?」
「あるよ」
マジックバッグから出して上着を着るカイル。
その時、強風に見舞われ、マジックバッグを落としてしまった!
「私が取ってくるわ!」
「僕も行く!」
マジックバッグを追いかけて森に入っていくと、すでにアイスゴリラに拾われていた。
「あの~…。それを返していただきたいのですが…」
胸をポコポコ叩きながら、ウッホウッホと鳴きながらこちらを睨んでいる。
「カイル、マジックバッグは諦めない?」
アイスゴリラのガン飛ばしに早くもくじけそうな私。
「だって…あのマジックバッグの中には…」
「中には?」
「この間、買ったばかりのヴィンテージのステテコが…」
ヴィンテージのGパンじゃなくて、ステテコだとぅ~~?
「諦めなさい! アイスゴリラと戦ってまで取り返さなくてもいい物です!」
「なんで? 洋服店のお兄さんが、この夏イチオシのステテコだって…これを穿けばモテモテだって言うから買ったのに…ルカにカッコイイって思われたかったのに…」
私はステテコにときめく趣味はない…。
(ステテコ愛好家の方、申し訳ございません!夏は涼しくて最高ですよね)
「カイル!カイルはステテコなんて似合わないわ!今の普通の服装がとっても素敵!ヴィンテージって、誰かが穿いてたステテコなのよ?破れてつぎあてが付いてるかもしれないわ!」
「本当?」
カイルが穢れのないキラキラした瞳で私を見つめる。
こんな純粋なカイルを騙すなんて…。
いや、もしかしたら異世界ではそういうファッションが流行りつつあるのかしら?う~~ん。ほんまかいな。
「ルカがカッコイイって思ってくれないなら、ステテコはゴリラさんにあげるよ」
カイルの言葉を聞いて、アイスゴリラはマジックバッグからヴィンテージステテコを取り出し、マジックバッグをこちらに投げ返してきた。
早速、ヴィンテージステテコを穿くアイスゴリラ。サイズがきつそうだが、気に入ったようだ。
すると、そのステテコに吸い寄せられるように、アイスゴリラ女子が集まってきた。なぜか、モテモテ状態に!
ステテコマジック?
「ほらっ、やっぱりモテるヴィンテージステテコだったんだよ!」
「そうだね。店員さんは間違ってなかったね」
モテる魔法でもかけてあるステテコだったのかな…?
なにはともあれ、再びアイス山の神社を目指す私たちだった。
夕食後の団欒の時間に尋ねてみた。
ニャロンさんの魔力封じの呪いを解いてあげれたらと思って。
「何の呪いなの?」
「魔物と戦った魔法使いの猫さんの、魔力封じの呪いです。今は普通の猫になってしまったけど、島で唯一の魔法使いみたいだし、また魔法を使えるようになりたいんじゃないかと思って…」
「それなら、呪いを浄化する植物があったと思うぞ。山の上に厄除けの神社があるから、そこで分けてもらえるかもしれない。その植物を毎日食べることで、徐々に呪いが浄化されていくんだ。空を飛べば15分ほどで行ける」
レオンさんが貴重な情報を提供してくれた。
「そんな植物があるんですか? じゃあ、明日にでも分けてもらいに行こうかしら」
「僕も行く!」
子虎の姿になっていたカイルが、君を守るのは僕だよ!みたいな視線を送ってくっついてくる。久し振りのモフモフ気持ちいい~♪
窓から見える夜空には、たくさんの星が瞬いていた。
あっ、そうだ。夏といえば…。
私はみんなを庭に誘った。
人差し指を夜空へ向け、指先から連続して火花を発射する。
ドド~~~ン!! パ~~~ン!! ドド~~~ン!!
「た~まや~♪」
異世界の夜空に、たくさんの大輪の花火が咲く。
「うわ~~~っ!!綺麗だ~~~っ!!」
カイルは大喜び。レオンさんとアーシャさんは驚いていたけど、喜んでくれた。
追加の花火を連発する。静かだった夜空は、満開の花火で華やかに彩られていく。
みんなで見た夏の花火は、とても綺麗で楽しかった♪
翌朝。
「アイス山の神社だぞ。気を付けてな」
レオンさんから地図を受け取る。
なんか寒そうな山なのかな?
「わかりました。行こう、カイル」
「うん! 早くお弁当食べたいな~♪美味しそうだった」
お弁当って、特別美味しく見えてしまうのは何でだろう?
お弁当箱に可愛らしくおかずが詰まってるからかな?
「お昼になったら食べようね♪」
「早く神社に行こう!」
森は盗賊も出るので、空を飛んで神社を探すことにした。
夏の太陽に向かって、熱中症と日焼けを気にしながら飛んでいる、心はアラサーの私。
カイルは純粋に空からの景色を楽しんでいるようだ。
空から見ると、森がブロッコリーみたいに見える。
アイス山に近づくにつれ、空気が冷たくなってきた。
クーラーのような涼しい風が気持ちいい~♪ なんて思ってたら、段々、冷凍庫のような寒さに。
その時、ふわっと暖かいものに包まれる。
「ルカ、上着を着て?」
カイルが空を飛びながら、私に上着を着せてくれていた。
なんて用意がいいの!
「カイルの上着は?」
「あるよ」
マジックバッグから出して上着を着るカイル。
その時、強風に見舞われ、マジックバッグを落としてしまった!
「私が取ってくるわ!」
「僕も行く!」
マジックバッグを追いかけて森に入っていくと、すでにアイスゴリラに拾われていた。
「あの~…。それを返していただきたいのですが…」
胸をポコポコ叩きながら、ウッホウッホと鳴きながらこちらを睨んでいる。
「カイル、マジックバッグは諦めない?」
アイスゴリラのガン飛ばしに早くもくじけそうな私。
「だって…あのマジックバッグの中には…」
「中には?」
「この間、買ったばかりのヴィンテージのステテコが…」
ヴィンテージのGパンじゃなくて、ステテコだとぅ~~?
「諦めなさい! アイスゴリラと戦ってまで取り返さなくてもいい物です!」
「なんで? 洋服店のお兄さんが、この夏イチオシのステテコだって…これを穿けばモテモテだって言うから買ったのに…ルカにカッコイイって思われたかったのに…」
私はステテコにときめく趣味はない…。
(ステテコ愛好家の方、申し訳ございません!夏は涼しくて最高ですよね)
「カイル!カイルはステテコなんて似合わないわ!今の普通の服装がとっても素敵!ヴィンテージって、誰かが穿いてたステテコなのよ?破れてつぎあてが付いてるかもしれないわ!」
「本当?」
カイルが穢れのないキラキラした瞳で私を見つめる。
こんな純粋なカイルを騙すなんて…。
いや、もしかしたら異世界ではそういうファッションが流行りつつあるのかしら?う~~ん。ほんまかいな。
「ルカがカッコイイって思ってくれないなら、ステテコはゴリラさんにあげるよ」
カイルの言葉を聞いて、アイスゴリラはマジックバッグからヴィンテージステテコを取り出し、マジックバッグをこちらに投げ返してきた。
早速、ヴィンテージステテコを穿くアイスゴリラ。サイズがきつそうだが、気に入ったようだ。
すると、そのステテコに吸い寄せられるように、アイスゴリラ女子が集まってきた。なぜか、モテモテ状態に!
ステテコマジック?
「ほらっ、やっぱりモテるヴィンテージステテコだったんだよ!」
「そうだね。店員さんは間違ってなかったね」
モテる魔法でもかけてあるステテコだったのかな…?
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