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ニャロンを探して
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ニャロン島のリスさんのお家は、とても可愛かった。
黄緑色の長細い葉をたくさん付けた枝が、大樹に覆いかぶさっているみたい。
リスさんの案内で、大樹の上の方まで木登りする。
さすがリスさんは木登り上手で、すごいスピードで幹を駆け登ってゆく。ついていくのに必死だ。
樹洞が入り口になっていて、樹の中は広く、たくさんの部屋があった。
客間、食堂、リスさんの弟妹たちの子供部屋、両親の部屋、リスさんの部屋、使ってないいくつかの部屋、貯蔵庫には木の実がたくさん保存してあると自慢していた。
細い木の枝を器用に編んで作った籐製品に似たテーブルや椅子やタンスは綺麗だし。
コップや食器は、木の実をくりぬいて作ってあって、とても可愛い。
客間で、お茶とお菓子をもてなしてくれた。
花のような甘い香りの紅茶と、何種類もの砕いた木の実が練りこまれたパウンドケーキ。
木の実って、焼くと香ばしくて美味しいのね。ケーキの甘さはハチミツっぽい。
「リスさん、素敵なお家に招待してくれて、ありがとう。紅茶もお菓子もとても美味しいわ」
「ごちそうさまです」
私とカイルがお辞儀すると、
「ふふっ。ルカちゃんとカイルくんに、そう言ってもらえると嬉しいな」
優しく笑うリスさん。
「この島は、どうしてニャロン島っていうんですか?」
なんとなく気になってたので聞いてみた。
「昔、ニャロンという猫の魔法使いがいたの。小さなこの島が魔物に占領されそうになったところを、魔物と戦って島を守ってくれたの。でも、ニャロンはあれから姿が見えなくなって…。島のみんなで探したのだけど、どうしても見つからなかったの。だから、せめて、島の名前をニャロン島に変えて、ニャロンのことを忘れないで感謝していこうってことになったの」
「それは何年前のことですか?」
「2年くらい前よ」
「ニャロン島の前は、何ていう島名だったんですか?」
「ショボショボ島よ」
島の名前を変えたのは、正解だったと思う。
「ニャロンさんが戦ってたのはどの辺りなんですか? 私も探したいです!」
「僕も同じことを考えてた」
「ルカちゃん、カイルくん。ニャロンは半年間探しても見つからなかったのよ。それでも探しに行ってくれるの?」
「「はい!」」
突然、こんなことを言い出して、リスさんは困ってるのかな?
そっと、リスさんの顔色を窺うと、
「ありがとう。案内するわ。私も、もう一度ニャロンを探したい」
うれしそうに笑ってくれた。
早速、私たちはニャロンが魔物と戦った場所へと向かった。
海に面した断崖絶壁に立つと、サスペンスドラマを思い出してしまう。
いやいや、ここは異世界だったわ。2時間ドラマの帝王を思い出してる場合じゃなかったわ。
切り立った崖は、海面まで700mはあるだろうか。
海風に吹かれながら下を見下ろすと、ぞっとして足がすくむ。
「ここで、ニャロンは戦っていたんですか?」
「この辺りだと思うのですが…」
ニャロンを、どう探せばいいのだろう。
岩の隙間や、崖の上の森の中はすでに探しつくしただろうし…。
その時、カイルが断崖絶壁から飛び降りた!
「カイル! どうしたの?!」
カイルは重力に従い下降しながら、崖の窪みや亀裂などがないか見ているようだ。
海面まであと100mというところで、カイルは姿を消した。
「カイル!」
どうしよう!
私が、こんな危ない所に行くっていったから…。
「カイル! 戻ってきて~~っ!お願い~~っ!!」
崖にしがみつき、泣き叫ぶ私。
「ただいま!」
へっ?
振り向くと、元の身長に戻り、傷ついた猫を抱いて立つカイルがいた。
「カイル~~~~~ッ!!!」
うわぁぁぁん!とカイルに抱きついて泣きわめく。
「カイルが消えたと思って…、もう離さないんだからぁ~~っ!!」
私の涙と鼻水で、カイルの服はビショビショだ。後でちゃんと洗濯するから、今は許して!
「ルカ、心配かけてごめんね。でも、ニャロンを見つけてきたよ」
カイルは私の頭を優しく撫でて、ほほえんだ。
『ニャ~ン』
傷つき薄汚れてしまったニャロンが、カイルの胸に抱かれていた。
金色のたてがみを持つ、美しい白猫だ。
「魔物との闘いで、最終的に魔力を封じられて普通の猫にされてしまい、崖から落ちた時になんとか崖の穴に飛び移り生き延びたらしい。奇跡的に、ニャロンがいた崖の穴には食べれる植物がいつも生えていたんだって」
カイルは魔法でニャロンの傷を治し、体力を回復させ、体も綺麗に洗浄した。
「ニャロンさん! ご無事で嬉しいです。あの崖の下の辺りまでは、さすがに怖くて探しに行けませんでした。すみません…」
うつむいて謝るリスさんに、ニャロンは、
「気にせんでいいニャ。あんな所まで探しに来てくれるなんて思ってニャかったから」と言って笑った。
ニャロンがかけられた魔力封じの呪いは、島の祈祷師やみんなの祈願で治していくらしい。
「ニャロンさんが見つかって、本当によかった…」
リスさんにもらい泣きして、私もカイルも感動の涙が止まらなかった。
「カイルさん、ありがとうニャ。ルカさんも、こんな所まで見ず知らずのわしを探しに来てくれるニャんて…。この御恩は忘れないニャ」
ニャロンの瞳にも、涙が光っていた。
みんなの心が、感動と安堵に震えていた。
「では、ニャロンさん、帰りましょう。皆が待っております」
リスさんが促すと、
「いや…その…帰る前にだニャ…もう一度、あの崖の穴に戻らないといけニャいというか…」
ごにょごにょ言い出すニャロンに、リスさんは怒りだす。
「何を言うんです! やっと崖から助けてもらったのに、また戻るだなんて!」
「しかし、ナンシーやエリザベスやローラを置きざりにするわけにはいかないニャ~!」
そんなに愛人が?!
「仕方ないですね。瞬間移動で戻りましょう」
カイルはニャロンを抱いて、瞬間移動した。
「リスさん! ニャロンは独身なの? 奥さんがいたら、かわいそうよ! 愛人3匹も連れて帰る旦那なんて!」
「どうしましょう! こんな状況では、奥さんのところへ連れて帰れませんわ! 見つけられなかったということにしておいたほうがいいかしら?」
リスさんと、どうしようどうしようと言っていると、カイルとニャロンが戻ってきた。
可憐な花を3株抱えて、ニャロンはごきげんだ。
「もしかして…愛人ではなく、花の名前…?」
「もちろんニャ! 寂しい崖での暮らしをわしと一緒に過ごしてくれた、可愛い花たちニャ~!」
花に女性の名前とか付けて、まぎらわしいなぁ~ ^^;
でも、これで問題解決だ!
「では、ニャロンさん、もう忘れものは無いですね? お家に帰りましょうね?」
「ニャ~ン♪」
めでたしめでたし♪
黄緑色の長細い葉をたくさん付けた枝が、大樹に覆いかぶさっているみたい。
リスさんの案内で、大樹の上の方まで木登りする。
さすがリスさんは木登り上手で、すごいスピードで幹を駆け登ってゆく。ついていくのに必死だ。
樹洞が入り口になっていて、樹の中は広く、たくさんの部屋があった。
客間、食堂、リスさんの弟妹たちの子供部屋、両親の部屋、リスさんの部屋、使ってないいくつかの部屋、貯蔵庫には木の実がたくさん保存してあると自慢していた。
細い木の枝を器用に編んで作った籐製品に似たテーブルや椅子やタンスは綺麗だし。
コップや食器は、木の実をくりぬいて作ってあって、とても可愛い。
客間で、お茶とお菓子をもてなしてくれた。
花のような甘い香りの紅茶と、何種類もの砕いた木の実が練りこまれたパウンドケーキ。
木の実って、焼くと香ばしくて美味しいのね。ケーキの甘さはハチミツっぽい。
「リスさん、素敵なお家に招待してくれて、ありがとう。紅茶もお菓子もとても美味しいわ」
「ごちそうさまです」
私とカイルがお辞儀すると、
「ふふっ。ルカちゃんとカイルくんに、そう言ってもらえると嬉しいな」
優しく笑うリスさん。
「この島は、どうしてニャロン島っていうんですか?」
なんとなく気になってたので聞いてみた。
「昔、ニャロンという猫の魔法使いがいたの。小さなこの島が魔物に占領されそうになったところを、魔物と戦って島を守ってくれたの。でも、ニャロンはあれから姿が見えなくなって…。島のみんなで探したのだけど、どうしても見つからなかったの。だから、せめて、島の名前をニャロン島に変えて、ニャロンのことを忘れないで感謝していこうってことになったの」
「それは何年前のことですか?」
「2年くらい前よ」
「ニャロン島の前は、何ていう島名だったんですか?」
「ショボショボ島よ」
島の名前を変えたのは、正解だったと思う。
「ニャロンさんが戦ってたのはどの辺りなんですか? 私も探したいです!」
「僕も同じことを考えてた」
「ルカちゃん、カイルくん。ニャロンは半年間探しても見つからなかったのよ。それでも探しに行ってくれるの?」
「「はい!」」
突然、こんなことを言い出して、リスさんは困ってるのかな?
そっと、リスさんの顔色を窺うと、
「ありがとう。案内するわ。私も、もう一度ニャロンを探したい」
うれしそうに笑ってくれた。
早速、私たちはニャロンが魔物と戦った場所へと向かった。
海に面した断崖絶壁に立つと、サスペンスドラマを思い出してしまう。
いやいや、ここは異世界だったわ。2時間ドラマの帝王を思い出してる場合じゃなかったわ。
切り立った崖は、海面まで700mはあるだろうか。
海風に吹かれながら下を見下ろすと、ぞっとして足がすくむ。
「ここで、ニャロンは戦っていたんですか?」
「この辺りだと思うのですが…」
ニャロンを、どう探せばいいのだろう。
岩の隙間や、崖の上の森の中はすでに探しつくしただろうし…。
その時、カイルが断崖絶壁から飛び降りた!
「カイル! どうしたの?!」
カイルは重力に従い下降しながら、崖の窪みや亀裂などがないか見ているようだ。
海面まであと100mというところで、カイルは姿を消した。
「カイル!」
どうしよう!
私が、こんな危ない所に行くっていったから…。
「カイル! 戻ってきて~~っ!お願い~~っ!!」
崖にしがみつき、泣き叫ぶ私。
「ただいま!」
へっ?
振り向くと、元の身長に戻り、傷ついた猫を抱いて立つカイルがいた。
「カイル~~~~~ッ!!!」
うわぁぁぁん!とカイルに抱きついて泣きわめく。
「カイルが消えたと思って…、もう離さないんだからぁ~~っ!!」
私の涙と鼻水で、カイルの服はビショビショだ。後でちゃんと洗濯するから、今は許して!
「ルカ、心配かけてごめんね。でも、ニャロンを見つけてきたよ」
カイルは私の頭を優しく撫でて、ほほえんだ。
『ニャ~ン』
傷つき薄汚れてしまったニャロンが、カイルの胸に抱かれていた。
金色のたてがみを持つ、美しい白猫だ。
「魔物との闘いで、最終的に魔力を封じられて普通の猫にされてしまい、崖から落ちた時になんとか崖の穴に飛び移り生き延びたらしい。奇跡的に、ニャロンがいた崖の穴には食べれる植物がいつも生えていたんだって」
カイルは魔法でニャロンの傷を治し、体力を回復させ、体も綺麗に洗浄した。
「ニャロンさん! ご無事で嬉しいです。あの崖の下の辺りまでは、さすがに怖くて探しに行けませんでした。すみません…」
うつむいて謝るリスさんに、ニャロンは、
「気にせんでいいニャ。あんな所まで探しに来てくれるなんて思ってニャかったから」と言って笑った。
ニャロンがかけられた魔力封じの呪いは、島の祈祷師やみんなの祈願で治していくらしい。
「ニャロンさんが見つかって、本当によかった…」
リスさんにもらい泣きして、私もカイルも感動の涙が止まらなかった。
「カイルさん、ありがとうニャ。ルカさんも、こんな所まで見ず知らずのわしを探しに来てくれるニャんて…。この御恩は忘れないニャ」
ニャロンの瞳にも、涙が光っていた。
みんなの心が、感動と安堵に震えていた。
「では、ニャロンさん、帰りましょう。皆が待っております」
リスさんが促すと、
「いや…その…帰る前にだニャ…もう一度、あの崖の穴に戻らないといけニャいというか…」
ごにょごにょ言い出すニャロンに、リスさんは怒りだす。
「何を言うんです! やっと崖から助けてもらったのに、また戻るだなんて!」
「しかし、ナンシーやエリザベスやローラを置きざりにするわけにはいかないニャ~!」
そんなに愛人が?!
「仕方ないですね。瞬間移動で戻りましょう」
カイルはニャロンを抱いて、瞬間移動した。
「リスさん! ニャロンは独身なの? 奥さんがいたら、かわいそうよ! 愛人3匹も連れて帰る旦那なんて!」
「どうしましょう! こんな状況では、奥さんのところへ連れて帰れませんわ! 見つけられなかったということにしておいたほうがいいかしら?」
リスさんと、どうしようどうしようと言っていると、カイルとニャロンが戻ってきた。
可憐な花を3株抱えて、ニャロンはごきげんだ。
「もしかして…愛人ではなく、花の名前…?」
「もちろんニャ! 寂しい崖での暮らしをわしと一緒に過ごしてくれた、可愛い花たちニャ~!」
花に女性の名前とか付けて、まぎらわしいなぁ~ ^^;
でも、これで問題解決だ!
「では、ニャロンさん、もう忘れものは無いですね? お家に帰りましょうね?」
「ニャ~ン♪」
めでたしめでたし♪
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