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ダンジョン 仮面男の情熱
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フフフ…、と不敵な笑みを浮かべる仮面男。
「では、勝負はジャンケンで」
カイルが真顔で言うと、仮面男は椅子から落ちてズッコケた。
「この、見るからに強そうな魔法使いで剣士の私に向かって、ジャンケンで勝負だとぉ~?! この流れでいくと、魔法か剣の勝負にするべきだろう!」
仮面男は食い下がったが、
「勝負は何がいい?って、おじさんが訊いたんですよ?」
カイルの返答に、うっと言葉に詰まる仮面男。
「おじさんじゃないっ! これでもまだ独身で若いのだっ!」
「ダンジョン制覇大会参加者の中に、若い独身女性がたくさんいましたよ?」
「なにっ! それは本当かっ!?」
私の耳より情報に食いつく仮面男。
「1階は落とし穴がいっぱいだから、2階まで来れるかなぁ~?」
私が心配そうに言うと、
「ならば、今すぐ駆けつけて彼女たちを落とし穴から助けなくては!
せっかくの出会いのチャンスを無駄には出来ん!
私の運命の女性、マイスイートエンジェル候補が来ているかもしれないというのに~!」
仮面男はそう叫ぶと、優雅にステップ&ターンを決め(何の意味が?)一目散に部屋を出て行った。
ゾンビの群れに飛び込んででも、貴重な出会いのチャンスをゲットしたい独身仮面男の情熱がひしひしと伝わってくるようだった。
「ダンジョン制覇大会を、女性との出会いの場だと思ってる人がいるとは思わなかったね」
「敵であるはずのダンジョンモンスターが、ダンジョン挑戦者を助けにいくとは…」
私とカイルは仮面男を茫然と見送った後、3階への階段を探すことにした。
「ルカ、これじゃない?」
カイルが見つけたのは、衝立の奥にあった狭くて小さい石の階段。
早速、衝立を押しのけ、私たちは3階へと続く細長い階段を上っていく。
3階に着くと、廊下の大きな窓から眩しい太陽の光がさんさんと射しこんでいた。
広い廊下には、大小様々な大きさの球が、ぽよんぽよんと楽しそうに跳ねている。
「おチビちゃん。ここまで来るとは、やるじゃないか!」
全身黄色タイツに赤白ストライプ模様のマントを翻し、ウサギちゃん模様の大きな腹巻をした、ちょっとやばそうなキャラに、若干、腰が引ける。
「いえ…、たいしたことは何もしてないんですが…」
事実を述べると、
「その奥ゆかしいところも良いのぅ♪」と、おじさんはご機嫌だ。
「しかし、このわしを倒すことができるかな?」
おじさんは自信満々にマイボールを右腕で高く掲げたのだった。
「では、勝負はジャンケンで」
カイルが真顔で言うと、仮面男は椅子から落ちてズッコケた。
「この、見るからに強そうな魔法使いで剣士の私に向かって、ジャンケンで勝負だとぉ~?! この流れでいくと、魔法か剣の勝負にするべきだろう!」
仮面男は食い下がったが、
「勝負は何がいい?って、おじさんが訊いたんですよ?」
カイルの返答に、うっと言葉に詰まる仮面男。
「おじさんじゃないっ! これでもまだ独身で若いのだっ!」
「ダンジョン制覇大会参加者の中に、若い独身女性がたくさんいましたよ?」
「なにっ! それは本当かっ!?」
私の耳より情報に食いつく仮面男。
「1階は落とし穴がいっぱいだから、2階まで来れるかなぁ~?」
私が心配そうに言うと、
「ならば、今すぐ駆けつけて彼女たちを落とし穴から助けなくては!
せっかくの出会いのチャンスを無駄には出来ん!
私の運命の女性、マイスイートエンジェル候補が来ているかもしれないというのに~!」
仮面男はそう叫ぶと、優雅にステップ&ターンを決め(何の意味が?)一目散に部屋を出て行った。
ゾンビの群れに飛び込んででも、貴重な出会いのチャンスをゲットしたい独身仮面男の情熱がひしひしと伝わってくるようだった。
「ダンジョン制覇大会を、女性との出会いの場だと思ってる人がいるとは思わなかったね」
「敵であるはずのダンジョンモンスターが、ダンジョン挑戦者を助けにいくとは…」
私とカイルは仮面男を茫然と見送った後、3階への階段を探すことにした。
「ルカ、これじゃない?」
カイルが見つけたのは、衝立の奥にあった狭くて小さい石の階段。
早速、衝立を押しのけ、私たちは3階へと続く細長い階段を上っていく。
3階に着くと、廊下の大きな窓から眩しい太陽の光がさんさんと射しこんでいた。
広い廊下には、大小様々な大きさの球が、ぽよんぽよんと楽しそうに跳ねている。
「おチビちゃん。ここまで来るとは、やるじゃないか!」
全身黄色タイツに赤白ストライプ模様のマントを翻し、ウサギちゃん模様の大きな腹巻をした、ちょっとやばそうなキャラに、若干、腰が引ける。
「いえ…、たいしたことは何もしてないんですが…」
事実を述べると、
「その奥ゆかしいところも良いのぅ♪」と、おじさんはご機嫌だ。
「しかし、このわしを倒すことができるかな?」
おじさんは自信満々にマイボールを右腕で高く掲げたのだった。
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