異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓

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鶏助さんの鶏技

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「鶏助さん、食べ頃の果物って、どれか分かる?」

 レオンさんの広い畑にはたくさんの野菜や果物がなっていて、赤、黄、オレンジ、ピンク、緑、紫と色とりどりだ。
 星形や丸形、四角や三角、長細いのとか、形も色々。初めて見る作物ばかりで、どれが熟れてるのかよく分からない。

「今なら、これが美味しいぜ!」

 鶏助さんは、とうっとジャンプすると、鋭い飛び蹴りを決めた。

 ぷちっ、ひゅるるる~ん、ぽとん。

 私の手のひらには、今しがた鶏助さんが飛び蹴りで収穫した果物が乗っていた。

 鶏助さん、すごい!
 ちゃんと、私の手のひらの上に落ちるように実を収穫するなんて!
 神業だね! 
 いや、鶏技?

「「「お父さ~ん! 僕にも取って~!」」」
「「お父さ~ん! わたしも~!」」

「ハハ。わかったわかった!」
 子供たちの声援を受け、鶏助さんは次々と飛び蹴りの連続技を決めまくる。

 ちゃんと、子供たちの目の前に落ちるように実を収穫し、最後に奥さんに特別大きな実を渡した。
 ラブラブだね♪

 鶏助さんは、何種類かの果物をとってくれた。
 キラキラ光った綺麗な星形のものや、岩のような形のもの、花の蕾みたいな形のもの、ギザギザした形のものなどいろいろ。
 甘くていい匂い~。
 良い匂いすぎて、匂いだけでお腹が一杯になりそう~。

 家に戻ると、アーシャさんがお風呂の使い方を教えてくれた。
 夕食のデザートに、鶏助さんが収穫してくれた果物をいただいた。
 レオンさんとアーシャさんと小虎ちゃんと一緒に食べた果物は、とても甘くて美味しかった。
 好きな人たちと一緒に食べたから、美味しさも倍増してたと思う。

 アーシャさんが用意してくれた部屋は、カントリー調の素敵な部屋だった。
 猫足の家具たちがとてもお洒落でかわいい。
 レースのカーテンが風に揺れて、ロマンティックな雰囲気を醸し出している。

 こんな素敵な広いお部屋を使っちゃっていいのかな。
 明日から、畑のお手伝いとかしよう。

「キュルルルル…」

 いつの間にか、カイルが私の傍にいた。
 足に体をこすりつけてくる。
 かわいい~~~♪

「カイルッ!」

 思わず抱き着いて、頬ずりした後、私たちは仲良くベッドで眠りにおちた。
 
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