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魔法が使える!
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「過労死寸前だったから、最後の願いをきいてやろうとここへ連れてきたのじゃが。余計なお世話だったかの?」
心配そうに小さなおじいちゃんが訊く。
「いいえ、そんなことは…」
そっか。ブラック企業だったし、何の未練も無いな。
私は孤児だし、友達もみんな結婚して疎遠になってたし。
「どうして私の夢をかなえてあげようと思ったの?」
「気まぐれじゃ♪」
黄色い花びらのような服を着た小さなおじいさんは、いたずらっぽく笑ってウィンクした。
「陽当たりのよいベランダに置いて、どんなに忙しくても、ちゃんと水やりや手入れをしてくれたからのぅ。なかなか居心地が良かったぞ」
大事に育てたことへの恩返し? なかなか義理堅いおじいちゃんだ。
「異世界に来たからには、魔法を使いたいじゃろう?」
「もちろん!」
「なんと! この泉の傍にある大樹の赤い実を食べると魔法を使えるようになり、さらにこの泉の水を飲むと魔力がアップするのじゃ!」
「魔法使えるの? やった~!」
「なので、ここにいる動物たちも魔法が使えると思っていたほうがよい」
ということは、
目の前で大きな尻を振って歩いているアヒルのような水鳥でも、危険な目に遭うと『アヒルビーム!』とか言いながら、クチバシからビームを発射したりするのだろうか?
ビームは魔法じゃないかもしれないな。うむ。
小さなおじいちゃんの背中には透明の蝶のような大きな羽がついていた。
空を飛んで、大樹の赤い実をとって、私に渡してくれた。
赤い実は、スモモみたいにとっても甘くてジューシー♪
おかわりしたくなっちゃったけど、きっと貴重なものだろうしと思っていたら、おじいちゃんが赤い実をもう1個とってきてくれた。
「体力をすごく消耗したときや、ケガや病気にも効くぞい」
「万能薬なんだね♪ ありがとう」
遠慮なく美味しくいただくことにする。なんだか、弱ってた体に力が漲ってきた!
体が軽くて、筋力も上がったような気がする。試しにかるくジャンプしてみた。
「うわっ!!」
15mくらいジャンプしたらしく、大木の枝たちをへし折りながら上空へと進み、鳥の巣の隣へこんにちわした時点で、やっと止まった。
そして、そこから落ちてもちゃんと着地できるし、どこも痛くもかゆくもない。すごく運動神経良くなっちゃったな。
小さいおじいちゃんと一緒に泉の水を飲み、一通りの生活魔法や攻撃魔法など習った。
なんて面倒見のよいおじいちゃんなの!
やはり、だてに年は取ってないというか、行き届いた対応だなぁ~。
なんて、満足していたら、
「だいたいのことは教えたし、わし一度、この世界の家に帰るわ。ハニーが心配しているかもしれんのでのぉ~♪」
「ハニー?! って、ちょっと、おじいちゃん!」
透明の蝶のような羽をはためかせ、小さなおじいちゃんは空へ浮かんだ。
「ハニーの顔を見たら、また戻ってくる。これからのことは、その時考えようかの~」
「えぇ~~っ! すぐ戻ってきてよねっ! 私もハニーに会いたいよ~、おじいちゃ~ん」
「新婚の邪魔をするな~」
新婚かいっ! 高齢結婚したんか~い! おめでと~!
仕方ないので、ぼんやりと新婚のじいさまを待つことに。
心配そうに小さなおじいちゃんが訊く。
「いいえ、そんなことは…」
そっか。ブラック企業だったし、何の未練も無いな。
私は孤児だし、友達もみんな結婚して疎遠になってたし。
「どうして私の夢をかなえてあげようと思ったの?」
「気まぐれじゃ♪」
黄色い花びらのような服を着た小さなおじいさんは、いたずらっぽく笑ってウィンクした。
「陽当たりのよいベランダに置いて、どんなに忙しくても、ちゃんと水やりや手入れをしてくれたからのぅ。なかなか居心地が良かったぞ」
大事に育てたことへの恩返し? なかなか義理堅いおじいちゃんだ。
「異世界に来たからには、魔法を使いたいじゃろう?」
「もちろん!」
「なんと! この泉の傍にある大樹の赤い実を食べると魔法を使えるようになり、さらにこの泉の水を飲むと魔力がアップするのじゃ!」
「魔法使えるの? やった~!」
「なので、ここにいる動物たちも魔法が使えると思っていたほうがよい」
ということは、
目の前で大きな尻を振って歩いているアヒルのような水鳥でも、危険な目に遭うと『アヒルビーム!』とか言いながら、クチバシからビームを発射したりするのだろうか?
ビームは魔法じゃないかもしれないな。うむ。
小さなおじいちゃんの背中には透明の蝶のような大きな羽がついていた。
空を飛んで、大樹の赤い実をとって、私に渡してくれた。
赤い実は、スモモみたいにとっても甘くてジューシー♪
おかわりしたくなっちゃったけど、きっと貴重なものだろうしと思っていたら、おじいちゃんが赤い実をもう1個とってきてくれた。
「体力をすごく消耗したときや、ケガや病気にも効くぞい」
「万能薬なんだね♪ ありがとう」
遠慮なく美味しくいただくことにする。なんだか、弱ってた体に力が漲ってきた!
体が軽くて、筋力も上がったような気がする。試しにかるくジャンプしてみた。
「うわっ!!」
15mくらいジャンプしたらしく、大木の枝たちをへし折りながら上空へと進み、鳥の巣の隣へこんにちわした時点で、やっと止まった。
そして、そこから落ちてもちゃんと着地できるし、どこも痛くもかゆくもない。すごく運動神経良くなっちゃったな。
小さいおじいちゃんと一緒に泉の水を飲み、一通りの生活魔法や攻撃魔法など習った。
なんて面倒見のよいおじいちゃんなの!
やはり、だてに年は取ってないというか、行き届いた対応だなぁ~。
なんて、満足していたら、
「だいたいのことは教えたし、わし一度、この世界の家に帰るわ。ハニーが心配しているかもしれんのでのぉ~♪」
「ハニー?! って、ちょっと、おじいちゃん!」
透明の蝶のような羽をはためかせ、小さなおじいちゃんは空へ浮かんだ。
「ハニーの顔を見たら、また戻ってくる。これからのことは、その時考えようかの~」
「えぇ~~っ! すぐ戻ってきてよねっ! 私もハニーに会いたいよ~、おじいちゃ~ん」
「新婚の邪魔をするな~」
新婚かいっ! 高齢結婚したんか~い! おめでと~!
仕方ないので、ぼんやりと新婚のじいさまを待つことに。
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