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第四章
思わぬ情報
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「あ、莉奈!」
「瑞希、どうしたの?」
「この後、柚希が最終衣装合わせに来るんだけど、私打ち合わせが長引いてて…」
「じゃあ、私が立ち会っとくよ」
「助かる!」
打ち合わせの合間に莉奈にそれだけお願いして、瑞希は新規のお客様の打ち合わせに戻った。
ウィーン…
しばらくして自動ドアが開き、柚希と柚希の旦那になる新郎が来店する。
「柚希ちゃん、いらっしゃい」
「あ、莉奈さん」
「瑞希、打ち合わせが長引いてるから、最初私が立ち会うね」
「そうなんですね、お願いします」
そう言うと柚希は、莉奈とは初めて顔を合わす新郎を紹介した。
「あ、莉奈さん、初めてですよね!」
「高橋亮(たかはし りょう)です。宜しくお願いします」
「初めまして、杉山莉奈です!」
早速三人はフィッティングルームへと向かう。
フィッティングルームでは、前のお客様が試着したドレスが片付けられてる最中だった。
衣装スタッフがパタパタしている中、莉奈は柚希と亮にコーヒーを出しながら告げる。
「柚希ちゃんごめんね、少しだけ待ってもらっても大丈夫?」
「大丈夫ですよー」
莉奈もその場に座ると、「ねぇねぇ」と、莉奈得意の雑談が始まった。
「亮くんは、仕事何してるの?」
「美容師っすよー」
「おぉ!凄いね!カリスマ美容師だね」
「あはは、莉奈さんそれ古いっす」
その場は笑いに溢れる。
「美容師って大変そう」
「でも、新しいヘアカラーの買い付けとか海外に行ったりもするんで、楽しいっすよ!」
亮がそんな話をすると、柚希は〝あぁ、そういえば〟と思い出しながら言った。
「去年、亮は行けなかったんだよねー」
莉奈は亮に問い掛けた。
「え?どうして?」
〝聞いて下さいよー〟とばかりに、亮は話し始める。
「去年ニューヨークに行けるはずだったのに、インフルエンザにかかっちゃって、代わりに店長と受付の子が行ったんすよー」
「えぇ?ショックだねー」
「ですよねっ?受付の子ってカラーなんて分かんないし、行っても仕方なくないっすか?
店長もインフル治るの待ってくれたらいいのにさー」
莉奈と柚希は、うんうんとなだめるように相槌を打ちながら聞いていた。
すると、何か思い出したように亮は話を続ける。
「そういえばその受付の子、ニューヨークで事故に遭っちゃって、そのまま仕事辞めたんすよー」
「えっ?亡くなったの?」
「いや、軽い怪我で済んでるんですけどー…念のため入院するとかで…」
「それでそれで?」
莉奈は興味津々で話を聞く。
「事故に遭いそうになった男性を助けて、事故に遭っちゃったらしくて」
「うんうん」
「なんか、その男性に一目惚れしたとかで!
毎日、申し訳なさそうにお見舞いに来てくれる男性になんと…!」
「…なんと?」
「〝一生モノの怪我をした代わりに、結婚して下さい〟って言ったらしいっすよ!
まぁ、俺はスタッフに聞いただけなんで、その後は知らないんすけどね」
そう言って亮は呆れ顔で笑った。
莉奈は、一瞬表情を曇らせる。
場所はニューヨーク…
瑞希が一番最初の打ち合わせの後に言ってた「彼女の一目惚れだったんだって」って言葉…
そういえば、怪我を隠せる衣装が少ないと、衣装スタッフが悩んでた…
考え込む様子に気付いた柚希が「莉奈さん?」と声を掛けると…、莉奈は問い掛けた。
「亮くん…、その受付の子の名前って何て名前?」
キョトンとした顔で亮は答える。
「雪乃ちゃんって言います…」
莉奈は目を見開き、呆然とした…
「瑞希、どうしたの?」
「この後、柚希が最終衣装合わせに来るんだけど、私打ち合わせが長引いてて…」
「じゃあ、私が立ち会っとくよ」
「助かる!」
打ち合わせの合間に莉奈にそれだけお願いして、瑞希は新規のお客様の打ち合わせに戻った。
ウィーン…
しばらくして自動ドアが開き、柚希と柚希の旦那になる新郎が来店する。
「柚希ちゃん、いらっしゃい」
「あ、莉奈さん」
「瑞希、打ち合わせが長引いてるから、最初私が立ち会うね」
「そうなんですね、お願いします」
そう言うと柚希は、莉奈とは初めて顔を合わす新郎を紹介した。
「あ、莉奈さん、初めてですよね!」
「高橋亮(たかはし りょう)です。宜しくお願いします」
「初めまして、杉山莉奈です!」
早速三人はフィッティングルームへと向かう。
フィッティングルームでは、前のお客様が試着したドレスが片付けられてる最中だった。
衣装スタッフがパタパタしている中、莉奈は柚希と亮にコーヒーを出しながら告げる。
「柚希ちゃんごめんね、少しだけ待ってもらっても大丈夫?」
「大丈夫ですよー」
莉奈もその場に座ると、「ねぇねぇ」と、莉奈得意の雑談が始まった。
「亮くんは、仕事何してるの?」
「美容師っすよー」
「おぉ!凄いね!カリスマ美容師だね」
「あはは、莉奈さんそれ古いっす」
その場は笑いに溢れる。
「美容師って大変そう」
「でも、新しいヘアカラーの買い付けとか海外に行ったりもするんで、楽しいっすよ!」
亮がそんな話をすると、柚希は〝あぁ、そういえば〟と思い出しながら言った。
「去年、亮は行けなかったんだよねー」
莉奈は亮に問い掛けた。
「え?どうして?」
〝聞いて下さいよー〟とばかりに、亮は話し始める。
「去年ニューヨークに行けるはずだったのに、インフルエンザにかかっちゃって、代わりに店長と受付の子が行ったんすよー」
「えぇ?ショックだねー」
「ですよねっ?受付の子ってカラーなんて分かんないし、行っても仕方なくないっすか?
店長もインフル治るの待ってくれたらいいのにさー」
莉奈と柚希は、うんうんとなだめるように相槌を打ちながら聞いていた。
すると、何か思い出したように亮は話を続ける。
「そういえばその受付の子、ニューヨークで事故に遭っちゃって、そのまま仕事辞めたんすよー」
「えっ?亡くなったの?」
「いや、軽い怪我で済んでるんですけどー…念のため入院するとかで…」
「それでそれで?」
莉奈は興味津々で話を聞く。
「事故に遭いそうになった男性を助けて、事故に遭っちゃったらしくて」
「うんうん」
「なんか、その男性に一目惚れしたとかで!
毎日、申し訳なさそうにお見舞いに来てくれる男性になんと…!」
「…なんと?」
「〝一生モノの怪我をした代わりに、結婚して下さい〟って言ったらしいっすよ!
まぁ、俺はスタッフに聞いただけなんで、その後は知らないんすけどね」
そう言って亮は呆れ顔で笑った。
莉奈は、一瞬表情を曇らせる。
場所はニューヨーク…
瑞希が一番最初の打ち合わせの後に言ってた「彼女の一目惚れだったんだって」って言葉…
そういえば、怪我を隠せる衣装が少ないと、衣装スタッフが悩んでた…
考え込む様子に気付いた柚希が「莉奈さん?」と声を掛けると…、莉奈は問い掛けた。
「亮くん…、その受付の子の名前って何て名前?」
キョトンとした顔で亮は答える。
「雪乃ちゃんって言います…」
莉奈は目を見開き、呆然とした…
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