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「か、風邪をひくよ。」
声をかけられ、驚いて上を見上げた。
サラリーマン風の男の人が傘を差し出してくれた。
その時まで、自分が雨でびしょ濡れだった事に気付かなかった。
「…僕が傘を受け取ったら、あなたが濡れますよね?」
僕は、その人に言った。
「い、いや、私は折りたたみがあるから」
そう言って、傘を差し出した手を引っ込めなかった。
「でも…っくしょん!」
くしゃみをしてしまった。
確かに、身体は冷え切っていた。
「ほ、ほらっ、風邪をひく」
僕は、傘を受け取った。
優しい人だなぁと思った。
人の為に自分のものを差し出せる人がいるのに、どうして、奪う事しかできない人がいるのだろう。
「ありがとうございます」
立ち上がり、僕はお礼を言った。
そして、足早にその場を去った。
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
※この辺のエピソードは、ピーナッツバターの「満員電車の悪夢」とリンクしています。
声をかけられ、驚いて上を見上げた。
サラリーマン風の男の人が傘を差し出してくれた。
その時まで、自分が雨でびしょ濡れだった事に気付かなかった。
「…僕が傘を受け取ったら、あなたが濡れますよね?」
僕は、その人に言った。
「い、いや、私は折りたたみがあるから」
そう言って、傘を差し出した手を引っ込めなかった。
「でも…っくしょん!」
くしゃみをしてしまった。
確かに、身体は冷え切っていた。
「ほ、ほらっ、風邪をひく」
僕は、傘を受け取った。
優しい人だなぁと思った。
人の為に自分のものを差し出せる人がいるのに、どうして、奪う事しかできない人がいるのだろう。
「ありがとうございます」
立ち上がり、僕はお礼を言った。
そして、足早にその場を去った。
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※この辺のエピソードは、ピーナッツバターの「満員電車の悪夢」とリンクしています。
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