レモネードのように。

はる

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Days

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ルナと恋人同士になった。それからの日々は本当に楽しかった。それはもう、これは本当に自分の人生かと疑う程、楽しかった。

毎朝一緒に起きて、お互いの寝癖を笑いあったりしながら一緒に歯を磨く。

フェアリーランドは雨があまり降らないらしく、ずっと晴天が続いた。お店の手伝いにも大分慣れてきた。お得意さん達にも顔を覚えて貰えるようになった。

「ルナちゃんとリクくん、最近仲良いよね。」

「もしかして付き合ってるの!?」

なんて、お得意さん達に聞かれたりする。照れているルナをよそに、俺はいつも即答する。

「はい、付き合ってます!」

こんな発言、元の世界にいた時からは考えられない。俺自身も変わったんだと思う。ルナは隣で「恥ずかしいよぉ」なんて小さく呟きながらも、嬉しそうな顔をしてくれた。

「へー、そうなんだ。俺達も付き合って長いんだぜ。」

そう言って、肩を組み合う二人組の男性のお得意さんもいた。こっちの世界は、本当に自由な世界だなと改めて感じさせられ、その事に物凄く嬉しくなる。

俺とルナの様子を、おじいちゃんはウイスキーを片手にいつもにこやかに眺めていた。俺達の事について一切触れてこないけど、ルナの言う通り、全て把握済みなのだと思う。

店が暇な時は、たまに海水浴もした。閉店後は、ピアノを弾かせてもらった。ルナは、頬杖を付きながら嬉しそうに聴いてくれる。

おじいちゃんが考えてくれた新しい曲に、ルナは新しい歌詞を書き始めていた。歌詞の内容は、まだ秘密だそうだ。

「この曲、ピアノで弾いてよ。次回のライブでリクの演奏で唄いたい。」

ルナはそう言った。嬉しかった。絶賛猛練習中だ。

夜は、毎晩のようにえっちをした。

「こういうことしてる時のリクって本当にえっちだよね。」

「ルナが可愛すぎるのが悪い。」

こんなやり取りをもう何度もした。何度もキスをした。そして、ルナのベッドで一緒に寝た。本当に本当に幸せな日々だった。
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