暗殺少年

はる

文字の大きさ
上 下
10 / 89

1-10

しおりを挟む
ユキトが目を覚ますと、ベッドの上にいた。

「身体は大丈夫か?」

椅子に座っていたスザクが声をかけた。

「ここは…?」

「私の仮住まいのようなものだ」

随分殺風景な部屋だとユキトは思った。

「俺、気を失っていたの?」

「あぁ、私の腕の中でね」

「スザクさんが助けてくれたのか。俺は…任務に失敗して、捕まって、挙げ句の果てにスザクさんに助けてもらって、自分が許せない…っ」

ユキトは悔しそうに言った。

「ユキト、今回の件は私の判断ミスだ。情報不足のまま君を現場に向かわせてしまった。君は決して悪くない。悪いのは私だ。すまなかった」

「スザクさん…」

「あと、君の服とカメラを取り返すまでの余裕がなかった。許してほしい」

そう言われ、ユキトはふと自分が全裸であることに気付き、慌てて布団で身体を隠した。

そして言った。

「スザクさん、次は必ずあいつらを叩き潰してやる。だから、もう一度チャンスがほしい」

「ユキト、ありがとう。勿論そのつもりだよ。ただ無茶はしないでほしい。君は優秀なエージェントだが、私はそれ以上に君を大事に思っている」

そう言うとスザクはユキトの寝ているベッドに腰掛けた。

「あいつらに何をされたか教えてくれないか?服を脱がされたのか?」

ユキトは顔を少し赤らめたが、報告の義務もあるので何をされたかを伝えた。

「写真を撮っていた事がバレて、カメラを探す為に服を脱がされた…。敵のリーダー格、ベスという奴が、俺の身体をまさぐって、下着に隠していたカメラを奪われた」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

処理中です...