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そんなある日、事件が起きた。
体育の着替えの時間、クラスメイトの1人が着替えようとしているゆきに近付くのが見えた。
そして、少し大きめの声で「なぁ、前から思ってたんだけどさ、ゆきの体ってなんかエロいよなぁ。」と言った。
その声を契機に「あー確かに?」「実は俺も思ってたんだよね」などと言いながら3~4人がゆきの元に集まってきた。
「えー、何言ってんのさ!そんな訳ないじゃん! 」
ゆきはそう言って慌てて体操着を着ようとするも、クラスメイトに阻まれた。
「そんな訳あるって。だってさ、色白いし、綺麗な肌してんじゃん。」
「それな!ゆき、めっちゃ色白だよな。」
「腰とか括れちゃってんじゃん。なんかエロくね?細いのに妙に肉付きが良いっていうか、柔らかそうでさ。」
クラスメイト達がゆきを囲むと口々に言った。
「そんなジロジロ見るなよ…!みんなえっちなんだからぁ。」
ゆきは、おちゃらけて言っていたけど少し顔が赤らんでいた。
「乳首とかさ、なんかちっちゃくて可愛いよな。」
「しかも、すげーピンク色。男でこんな綺麗な乳首見た事ないよ。」
そう言うと、クラスメイトの一人があろう事かゆきの乳首を指でツンとつついた。
「あん…ッ」
ゆきは漏れ出た高い声に慌てて口元を抑え、次に両腕で胸を隠した。
その様子を見たクラスメイト達はゴクリと喉を鳴らした。
「やば。ゆき、今の声なに!?めっちゃエロいんだけど…」
そう言ってクラスメイトが今度はゆきの脇腹を悪戯っぽく指先でツーっと滑らせた。
「ひゃぁ…、やめ…ッ」
「うっわ、エロ。ゆきってもしかしてめちゃくちゃ敏感?」
「やばい、めちゃくちゃ可愛い。」
「俺興奮してきた…」
クラスメイト達がゆきに触ろうと手を伸ばした瞬間、俺の体は考えるより先に動いた。
彼等に走って近寄ると、ゆきとクラスメイト達の間に入った。
背後から「…六条…?」というゆきの声が聞こえた。
その声が少し震えていることに気付いて、俺は今までに感じたことの無い怒りがふつふつと湧き上がるのを感じた。
腸が煮えくり返る。
俺の大切な「推し」にこんな顔をさせて、許せるわけが無いだろう。
「なっ、なんだよ六条!怖い顔して!」
「ゆきが嫌がっているだろう。」
俺とクラスメイトの1人が対峙する形となった。
「んな怖い顔すんなよ…ちょっとふざけただけだからさ。」
クラスメイト達はまぁまぁというような感じで言った。
俺はそんなに怖い形相をしていたのか。
自分ではわからなかった。
「ちょっとふざけただけのつもりでも、相手が嫌がっている事はすべきじゃない。」
怒りを必死で押さえ込んで発した声は、自分でも驚くくらい鋭い声色だった。
少しの沈黙が流れたあと、クラスメイトの1人が言った。
「わり、六条。俺らちょっとふざけすぎたよ。ゆき、ごめんな?」
別のクラスメイトも反省した様子で「ごめんよ。六条は生徒会長だから、風紀を乱しかけた俺らを叱ってくれたんだよな。」 と言った。
「つーかそろそろ行かねーと体育始まるぞ!」
別のクラスメイトが遠くから呼びかけ、皆「やべやべ」と言いながら、そそくさと教室を出ていった。
教室には、俺とゆきだけが残された。
体育の着替えの時間、クラスメイトの1人が着替えようとしているゆきに近付くのが見えた。
そして、少し大きめの声で「なぁ、前から思ってたんだけどさ、ゆきの体ってなんかエロいよなぁ。」と言った。
その声を契機に「あー確かに?」「実は俺も思ってたんだよね」などと言いながら3~4人がゆきの元に集まってきた。
「えー、何言ってんのさ!そんな訳ないじゃん! 」
ゆきはそう言って慌てて体操着を着ようとするも、クラスメイトに阻まれた。
「そんな訳あるって。だってさ、色白いし、綺麗な肌してんじゃん。」
「それな!ゆき、めっちゃ色白だよな。」
「腰とか括れちゃってんじゃん。なんかエロくね?細いのに妙に肉付きが良いっていうか、柔らかそうでさ。」
クラスメイト達がゆきを囲むと口々に言った。
「そんなジロジロ見るなよ…!みんなえっちなんだからぁ。」
ゆきは、おちゃらけて言っていたけど少し顔が赤らんでいた。
「乳首とかさ、なんかちっちゃくて可愛いよな。」
「しかも、すげーピンク色。男でこんな綺麗な乳首見た事ないよ。」
そう言うと、クラスメイトの一人があろう事かゆきの乳首を指でツンとつついた。
「あん…ッ」
ゆきは漏れ出た高い声に慌てて口元を抑え、次に両腕で胸を隠した。
その様子を見たクラスメイト達はゴクリと喉を鳴らした。
「やば。ゆき、今の声なに!?めっちゃエロいんだけど…」
そう言ってクラスメイトが今度はゆきの脇腹を悪戯っぽく指先でツーっと滑らせた。
「ひゃぁ…、やめ…ッ」
「うっわ、エロ。ゆきってもしかしてめちゃくちゃ敏感?」
「やばい、めちゃくちゃ可愛い。」
「俺興奮してきた…」
クラスメイト達がゆきに触ろうと手を伸ばした瞬間、俺の体は考えるより先に動いた。
彼等に走って近寄ると、ゆきとクラスメイト達の間に入った。
背後から「…六条…?」というゆきの声が聞こえた。
その声が少し震えていることに気付いて、俺は今までに感じたことの無い怒りがふつふつと湧き上がるのを感じた。
腸が煮えくり返る。
俺の大切な「推し」にこんな顔をさせて、許せるわけが無いだろう。
「なっ、なんだよ六条!怖い顔して!」
「ゆきが嫌がっているだろう。」
俺とクラスメイトの1人が対峙する形となった。
「んな怖い顔すんなよ…ちょっとふざけただけだからさ。」
クラスメイト達はまぁまぁというような感じで言った。
俺はそんなに怖い形相をしていたのか。
自分ではわからなかった。
「ちょっとふざけただけのつもりでも、相手が嫌がっている事はすべきじゃない。」
怒りを必死で押さえ込んで発した声は、自分でも驚くくらい鋭い声色だった。
少しの沈黙が流れたあと、クラスメイトの1人が言った。
「わり、六条。俺らちょっとふざけすぎたよ。ゆき、ごめんな?」
別のクラスメイトも反省した様子で「ごめんよ。六条は生徒会長だから、風紀を乱しかけた俺らを叱ってくれたんだよな。」 と言った。
「つーかそろそろ行かねーと体育始まるぞ!」
別のクラスメイトが遠くから呼びかけ、皆「やべやべ」と言いながら、そそくさと教室を出ていった。
教室には、俺とゆきだけが残された。
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