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玲愛とクリス
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Side クリス
冬だったか。
玲愛と会ったのは。
満員電車の中で小柄なDKが顔を赤らめて体を震わせてると思ったら、痴漢されていた。
後ろのキモい男に良いようにケツを撫で回されていた。
なんだよ、震えてねーで抵抗すりゃいーじゃん。
後ろのおっさんもニヤニヤして気持ちわりーな。
と思うとなんか見てらんなくてガラにもなく止めに入った。
「おっさん、いい歳して何してんだよ。キモいんだけど。」って言ったら痴漢野郎は一目散に逃げて行った。
DKは、目を潤ませながら「ありがとうございます」と俺に頭を下げた。
それがあまりにも可愛くて、思わずドキッとした。
一目惚れだったんだろうな。
その時、名前と連絡先を聞いた。
玲愛って名前も可愛いなって思った。
連絡先の交換には戸惑ってはいたけど、助けてやった恩義につけ込んで半ば無理矢理交換した。
で、次に会う約束を取り付けた。
一緒に飯を食った。
玲愛は、明るくてよく喋る子で、痴漢されていた時とはまた違う表情を見せてくれた。
飯食いながらご飯粒が頬についていることを指摘したら恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
そんなところがまた可愛くて、その日の帰りに告った。
玲愛は驚いて戸惑っていたけど、OKしてくれた(ゴリ押ししたけど)
玲愛は、俺が初めての恋人だと言った。
好きになると一途な様で、色々と俺に尽くしてくれた。
こんな可愛い子が俺なんかをこんなに思ってくれることが嬉しかった。
けど、頭も良くてサッカーも上手で愛嬌もある非の打ち所のない玲愛に対してコンプレックスのような気持ちも持っていた。
俺は何の取り柄もないチャラチャラした男だから、玲愛が持っているものが羨ましかった。
いつか俺に愛想を尽かすんじゃないかと思っていたから、もっともっと愛を感じたかった。
浮気を何度かしたのは、そういう気持ちからだった。
それでも俺を許してくれるところに愛を感じたかった。
歪んでいるのは分かっている。
でも、これが俺だし、どうしようもなかった。
今回の浮気で4回目。
初めて玲愛に見放された。
そりゃそーだろ。って自分でも思った。
玲愛にLINEもSNSも片っ端からブロックされて、さすがに焦ったし、後悔した。
だから玲愛の学校の辺りで待ち伏せした。
ようやく出食わすことが出来たのがこの間だ。
カラオケであんなことするつもりはなかった。
一緒にいた幼なじみって奴との関係に嫉妬したんだ。
悔しかった。
玲愛を取られることが怖かった。
本当、俺はどうしようもない人間だ。
物思いにふけっていると、インターホンが鳴った。
扉を開けると、玲愛が立っていた。
冬だったか。
玲愛と会ったのは。
満員電車の中で小柄なDKが顔を赤らめて体を震わせてると思ったら、痴漢されていた。
後ろのキモい男に良いようにケツを撫で回されていた。
なんだよ、震えてねーで抵抗すりゃいーじゃん。
後ろのおっさんもニヤニヤして気持ちわりーな。
と思うとなんか見てらんなくてガラにもなく止めに入った。
「おっさん、いい歳して何してんだよ。キモいんだけど。」って言ったら痴漢野郎は一目散に逃げて行った。
DKは、目を潤ませながら「ありがとうございます」と俺に頭を下げた。
それがあまりにも可愛くて、思わずドキッとした。
一目惚れだったんだろうな。
その時、名前と連絡先を聞いた。
玲愛って名前も可愛いなって思った。
連絡先の交換には戸惑ってはいたけど、助けてやった恩義につけ込んで半ば無理矢理交換した。
で、次に会う約束を取り付けた。
一緒に飯を食った。
玲愛は、明るくてよく喋る子で、痴漢されていた時とはまた違う表情を見せてくれた。
飯食いながらご飯粒が頬についていることを指摘したら恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
そんなところがまた可愛くて、その日の帰りに告った。
玲愛は驚いて戸惑っていたけど、OKしてくれた(ゴリ押ししたけど)
玲愛は、俺が初めての恋人だと言った。
好きになると一途な様で、色々と俺に尽くしてくれた。
こんな可愛い子が俺なんかをこんなに思ってくれることが嬉しかった。
けど、頭も良くてサッカーも上手で愛嬌もある非の打ち所のない玲愛に対してコンプレックスのような気持ちも持っていた。
俺は何の取り柄もないチャラチャラした男だから、玲愛が持っているものが羨ましかった。
いつか俺に愛想を尽かすんじゃないかと思っていたから、もっともっと愛を感じたかった。
浮気を何度かしたのは、そういう気持ちからだった。
それでも俺を許してくれるところに愛を感じたかった。
歪んでいるのは分かっている。
でも、これが俺だし、どうしようもなかった。
今回の浮気で4回目。
初めて玲愛に見放された。
そりゃそーだろ。って自分でも思った。
玲愛にLINEもSNSも片っ端からブロックされて、さすがに焦ったし、後悔した。
だから玲愛の学校の辺りで待ち伏せした。
ようやく出食わすことが出来たのがこの間だ。
カラオケであんなことするつもりはなかった。
一緒にいた幼なじみって奴との関係に嫉妬したんだ。
悔しかった。
玲愛を取られることが怖かった。
本当、俺はどうしようもない人間だ。
物思いにふけっていると、インターホンが鳴った。
扉を開けると、玲愛が立っていた。
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