36 / 50
夏だね
しおりを挟む
「本当にすいませんでした。」
「こちらこそ申し訳ありませんでした。」
俺とレイちゃんは、ソファの上で向かい合って土下座していた。
「なんで、たーくんが謝るのさ。巻き込んじゃって足怪我さちゃったのは俺のせいなのに。」
「レイちゃんは何も悪くない。悪いのはあのクリスって人だよ。あと、俺が謝るのは…その…レイちゃんがあまりに可愛くてつい理性を失ってしまったから…。」
「あ…忘れてね?恥ずかしい…。」
レイちゃんがまた顔を赤らめる。こういうところが可愛いってそろそろ自覚してくれないとこっちの身が持たない。
「レイちゃんの頼み事なら聞いてあげたいけど、あまりに可愛かったから多分忘れられない…」
「もう…。たーくん、ポセイドン出てたでしょ?」
「うん…出てた…。」
そう言うとお互い顔を見合せて笑った。
「レイちゃん、大丈夫?」
「えー、全然大丈夫だよ。たーくんこそ、脚は大丈夫?」
「あ、うん。さっきは少し痛かったけど、ちょっと捻っただけだからさ。腫れてもいないし、大丈夫。この間のレイちゃんの方が腫れてたし、重症だったよ。」
「はは、そうだな。あの時、たーくんにおんぶして貰っちゃったもんな。」
「そうだったね、はは。」
カラオケを出ると、外はすっかり薄暗くなっていた。
夏の夜風が妙に心地良い。
「夏だなぁ。」
レイちゃんが感慨深げに言った。
「そうだね、夏だね。あの…レイちゃん。」
「ん?」
「この後少し時間ある? 」
「うん、あるよー。」
「ちょっとだけウチに寄っていかない?」
「うん、行きたい。」
俺とレイちゃんは、並んで歩いた。
「こちらこそ申し訳ありませんでした。」
俺とレイちゃんは、ソファの上で向かい合って土下座していた。
「なんで、たーくんが謝るのさ。巻き込んじゃって足怪我さちゃったのは俺のせいなのに。」
「レイちゃんは何も悪くない。悪いのはあのクリスって人だよ。あと、俺が謝るのは…その…レイちゃんがあまりに可愛くてつい理性を失ってしまったから…。」
「あ…忘れてね?恥ずかしい…。」
レイちゃんがまた顔を赤らめる。こういうところが可愛いってそろそろ自覚してくれないとこっちの身が持たない。
「レイちゃんの頼み事なら聞いてあげたいけど、あまりに可愛かったから多分忘れられない…」
「もう…。たーくん、ポセイドン出てたでしょ?」
「うん…出てた…。」
そう言うとお互い顔を見合せて笑った。
「レイちゃん、大丈夫?」
「えー、全然大丈夫だよ。たーくんこそ、脚は大丈夫?」
「あ、うん。さっきは少し痛かったけど、ちょっと捻っただけだからさ。腫れてもいないし、大丈夫。この間のレイちゃんの方が腫れてたし、重症だったよ。」
「はは、そうだな。あの時、たーくんにおんぶして貰っちゃったもんな。」
「そうだったね、はは。」
カラオケを出ると、外はすっかり薄暗くなっていた。
夏の夜風が妙に心地良い。
「夏だなぁ。」
レイちゃんが感慨深げに言った。
「そうだね、夏だね。あの…レイちゃん。」
「ん?」
「この後少し時間ある? 」
「うん、あるよー。」
「ちょっとだけウチに寄っていかない?」
「うん、行きたい。」
俺とレイちゃんは、並んで歩いた。
1
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・不定期
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
市川先生の大人の補習授業
夢咲まゆ
BL
笹野夏樹は運動全般が大嫌い。ついでに、体育教師の市川慶喜のことも嫌いだった。
ある日、体育の成績がふるわないからと、市川に放課後の補習に出るよう言われてしまう。
「苦手なことから逃げるな」と挑発された夏樹は、嫌いな教師のマンツーマンレッスンを受ける羽目になるのだが……。
◎美麗表紙イラスト:ずーちゃ(@zuchaBC)
※「*」がついている回は性描写が含まれております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる