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音の世界

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俺とたーくんは、食べ物の好みは合うけど、服の好みはだいぶ違う。というか真逆。

俺が派手めのやつが好きなのに対して、たーくんは地味めが好き。

そんな訳で、ネクタイを色々試した結果、2人の好みの中間くらいのまぁ無難かな?って感じのやつになった。

まぁたーくんに似合いそうだから良かったかな。

その後、なんとなくフラフラっと隣の楽器屋に入った。

「最近の電子ピアノって、こんなに凄いんだ…。」

ピアノコーナーでたーくんは感嘆の声を漏らしながら、ピアノを一つ一つ見ていた。

「たーくん、1曲披露してくれよ。ほら、この電子ピアノ、試し弾きOKって書いてあるよ。」

「え、でも…」

「いいじゃんいいじゃん!」

俺は、たーくんを強引にピアノの前に座らせた。

こんなに目を輝かせてピアノを見つめていたんだから、きっと弾いてみたいんだろうなって思ったから。

「じゃあ…あ、試し弾きする時、ヘッドホンしないといけないみたい。」

そう言うと、たーくんは隣にいた俺の耳にヘッドホンを付けた。

「え、たーくん?俺がしていいのか?」

「うん、せっかくだからレイちゃんが好きな曲弾いてあげる。」

そう言って弾いてくれたのは、俺が好きなアニメの曲。

たーくん流にアレンジしているみたいだった。

温かくて優しいメロディがヘッドホンを通して流れ、体に浸透していく。

休日のショッピングモールの騒がしさが気にならない。

目を閉じると、音の世界にいるみたい。

あぁ、やっぱり俺はたーくんのピアノが好きだ。
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