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爆発

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  私は高まる気持ちを抑え、眼球を家に持ち帰った。
  眼球の赤くコーティングされた上っ面を水で洗ってみたが、とけることもなく、剥がれ落ちる事もなかった。何だが、より一層、赤黒い輝きを放っている様にさえ感じた。
  自分の部屋へ篭る。まだ、夕時であったが、カーテンを閉めた。親は共働きのためいない。ベットが一つに小さなテーブルが一つ、それから机だけ。その他といったら、エアコン、そして本棚に本が数冊、それと、傷一つ無く綺麗に保管された例の呪いのビデオが本と一緒に立ててある。それだけ。それ以外何も無い。透には以前、「妙にこざっぱりとして、気味が悪い」と言われたが、私にしたら物で溢れかえっていたら居心地が悪いだろう、と思う。そして、その妙にこざっぱりとした部屋に内側から鍵を掛ける。これで誰も入れない、私の時間が始まる。まず、テーブルの前に正座して、テーブルの上に眼球を置く。そうだ、先程から、何の躊躇も無く、この紅玉を眼球呼ばわりしていたが、これが眼球である保証なんてないんだった、忘れていた。しかし、それが何であれ、もう、妄想を、欲情を抑えられない。それは、少し前まで、人間の眼球として、機能していたんだ、在るべき場所に収まっていたんだ、もしかしたら、まだ、人肌の温もりが感じられるかもしれない、といった変態的妄想に私は堪らず、目の前に在る紅玉にしゃぶりついた。わざと、いやらしい音を立てて。私は、今、誰か、死人の眼球に、貪る様にしゃぶりついている。そんな、妄想が私の股間を膨張させる。手を後ろで組んだ状態で、口だけ前に出してしゃぶりつく。股間がむず痒くなってくる。込み上げてくる。私は制服を着たまま射精した。射精時に来る、股間から尻にかけての痙攣がなかなか収まらなかった。大量に発射された、それは、パンツと制服に段々と染み渡っていき、それすらも、何か綺麗な物を汚すという背徳感が快感に感じられた。それでも、私の興奮は収まらなかった。制服と、パンツを脱ぎ捨てると、精液にまみれた股間をものすごい勢いで、上下にこすった。こんな快感は三日ぶりだ。しかし、あの時よりは劣る、と感じた。

  疲れ果てた私は、夕食を軽く済ませ、制服は替えがある事を確認してから、紅玉を机の引き出しに入れ、今日は寝る事にした。ベットに横になって、十分くらいすると眠気が襲ってきた。眠気が来たのに、ここでライトを消しに、わざわざ立ってスイッチを押しに行ったら、眠気が覚めてしまうのでは、と思い、そのまま目を閉じることにした。横に広がる様な緩い快感が、身体中に漂っていた。

  そして、夢の世界。
  嫌に、はっきりと鮮明に感じる。
  ここは夢の世界だ・・・。

  
  
 
  
  
  
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