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17 たまゆら
しおりを挟むたまゆら
花びら降りそそぐ くさはらを
まっすぐ歩いていったなら
古代の神の しなやかな指
ふたりをつつんで 撫でていく
水はあふれて 芯まで濡れて
ほかに入るものない 深い淵
夜と昼とが 寄せては引いて
とぎれとぎれの 刹那がたゆとう
風ひとつ吹いて 震えるゆうべ
燃えさかるほのお ちいさくなって
月のすべてが じきあらわれる
影はいよいよ 増すばかり
凍えることばは いばらになって
打たれる痛みで 気はとおくなり
ふたりはちいさく うめきをあげた
たまゆらのゆめ ぽちゃんと消える
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