肥後の春を待ち望む
秀吉の天下統一が目前になった天正の頃、肥後(熊本)の国主になった佐々成政に対して国人たちが次から次へと反旗を翻した。それを先導した国人の筆頭格が隈部親永(くまべちかなが)である。彼はなぜ、島津も退くほどの強大な敵に立ち向かったのか。国人たちはどのように戦ったのか。そして、九州人ながら秀吉に従い国人衆とあいまみえることになった若き立花統虎(宗茂)の胸中は……。
あなたにおすすめの小説
陸のくじら侍 -元禄の竜-
陸 理明
歴史・時代
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なまでの剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた……
16世紀のオデュッセイア
尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。
12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。
※このお話は史実を参考にしたフィクションです。
【受賞作】小売り酒屋鬼八 人情お品書き帖
筑前助広
歴史・時代
幸せとちょっぴりの切なさを感じるお品書き帖です――
野州夜須藩の城下・蔵前町に、昼は小売り酒屋、夜は居酒屋を営む鬼八という店がある。父娘二人で切り盛りするその店に、六蔵という料理人が現れ――。
アルファポリス歴史時代小説大賞特別賞「狼の裔」、同最終候補「天暗の星」ともリンクする、「夜須藩もの」人情ストーリー。
水野勝成 居候報恩記
尾方佐羽
歴史・時代
⭐タイトルを替えました。
⭐『福山ご城下開端の記』もよろしくお願いします。
⭐福山城さま令和の大普請、完成おめでとうございます。
⭐2020年1月21日、5月4日に福山市の『福山城築城400年』Facebookでご紹介いただきました。https://m.facebook.com/fukuyama400/
備後福山藩初代藩主、水野勝成が若い頃放浪を重ねたあと、備中(現在の岡山県)の片隅で居候をすることになるお話です。一番鑓しかしたくない、天下無双の暴れ者が、備中の片隅で居候した末に見つけたものは何だったのでしょうか。
→本編は完結、関連の話題を適宜更新。
【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原
糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。
慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。
しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。
目指すは徳川家康の首級ただ一つ。
しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。
その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
大晦日はあはぬ算用(おおつごもりは合わぬ算用) ~「西鶴諸国ばなし」より
糺ノ杜 胡瓜堂
歴史・時代
江戸時代の作家「井原西鶴」が、貞享2(1685)年に出版した「西鶴諸国ばなし」
笑い話から、不思議な話、ちょっと感動のストーリーまで、様々なお話が掲載されている非常に面白い本です。
その中から、武士の「義」と咄嗟の機転についてのお話をひとつ!
巻の一に収録されている「大晦日(おおつごもり)はあはぬ算用 江戸の品川にありし事」というお話です。
万年貧乏浪人の原田内助・・・この年も越せそうになく義兄に金の無心をすると、義兄からは十両の小判が届けられます。
思いがけない幸運に、昔からの親友の浪人仲間を招いて酒宴を催す内助でしたが、その席で小判が一両紛失してしまいます・・・。
事の顛末は・・・ちょっといい話です。
全二話、約4千文字。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
はじめまして。
私、城村城の近くに住んでおり、神社誌に郷土誌を見ながら地元の史跡などを趣味で調べてます。
まだ、肥後国衆一揆の事まではたどりついていないのですが、非常に躍動感あるお話の流れに興奮いたしました。
こちらは全て史実を基にされた創作ですか?
素晴らしいなぁと、感じております。
山鹿をさるく 様
この度は感想をいただき、ありがとうございます。城氏と隈部氏の城村城のお近くにお住まいの方からいただけるなんて!
このお話の流れ(戦況)は『清和源氏隈部家代々物語』(隈部親養著)から採らせていただいていますが、その元は『肥後國誌』になるようです。そこに、「九州もんなのに九州もんを討たねばならなかった」立花宗茂(左近統虎)と妻ぎんの煩悶を重ねてお話にしました。言葉がうまく書けていないのだけがお恥ずかしい限りです。
残念なことに、私は観光で山鹿に行ったことがあるだけで、書くための取材としては行けませんでした。柳川の「黒門の戦いの碑」も散々探してやっと見つけられたぐらいです。あとがきにも書いていますが、ぜひ機会を作って熊本に伺いたいと思っています。
地元の方に感想をいただけるのは何よりも嬉しく、幸せなことだと思っています。
山鹿をさるく様の今後ますますのご活躍を祈念申し上げます。
おがたさわ
壮絶。ただただ壮絶な物語にございました。史実としての肥後国人一揆は佐々成政切腹くらいしか知らなかったところです。
親永一党ほどのいくさ人を知らなかった我が身の不明を恥じます。当時は臥薪嘗胆の真反対を地で行く愚と嗤う者もいたでしょうが、嗤わせておけばよろしい。
関白の愚かな朝鮮出兵が破綻し、豊臣家が滅び、彼等も多少は気が晴れたかと存じます。
マスケッター様
このたび、とても貴重な感想をいただきましたのに、お礼が遅くなりまして申し訳ありません。
肥後の反乱勃発から「黒門」に至る一連の戦いは、今風に言うなら不断のゲリラ戦です。戦国時代の数ある戦いの中でも、他とは性格の違うものだったと思います。
壮絶な戦いだと私も思いましたので、壮絶と表現してくださったことをとても光栄に思います。
ありがとうございます。
またどうか、ごひいきくださいませ。
マスケッター様の今後ますますのご活躍をお祈りしています。
おがたさわ
いや、おもわずイッキ読みしたたい、実によか話でした。
これは、歴史好きな熊本人ならハマるでしょう(^-^)/
勘違いなら申し訳ありませんが、作者の作品に対するこだわりと云うか愛情を感じました。
自分も最近小説を書き始めた者なんですが、スランプになってあちこち見てまわっていてココにたどり着きました。
この小説を読んで自分のスランプが解消された気分です。
自分も自分の好きな事を書いていこうと思います。
素敵な話をありがとうございます。
Michael様
感想をいただきまして、ありがとうございます。「肥後の春を待ち望む」に感想を下さった初めてのかたです。心にしっかりと刻ませていただきます。すごく嬉しいです。
書く対象のこと、愛してます。じじさまも左近もぎんちゃんも。
Michael様も書かれているのですね。「異世界忍者譚」、私も綾様の一馬のように守ろうとしてくれる方がほしいです(羨ましい)。また、魅力的な若い女性も出てきていますけれど。今後の展開が楽しみです。
九州の、いえ、熊本や鹿児島や大分が出てくるお話はまたじきに書きます。そのときはまたぜひごひいきに。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。