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第10章 ふたりのルイスと魔王1
菖蒲と柳が泳ぐ 1555年 尾張国
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〈帰蝶、雪沙〉
ルイス・デ・アルメイダが豊後までたどり着いたが、この頃の尾張国にさらに進んでいこう。
天文24年(1555)春のことである。
尾張の守護である斯波義統が織田信友の軍勢に追い詰められて自害した話はさきに述べた。義統の子は織田信長の元に逃げ込んで無事だった。ただ、それで一件落着になるはずはない。尾張はそこらかしこがくすぶっている荒れ野のように危険な状態だった。ぱっと小さな火を放れば、あっという間に辺り一帯を焼き尽くすだろう。
大和守織田家と信長の弾正忠織田家はどちらかを潰すまで戦わなければならなかった。
尾張・小牧山のほど近くの政秀寺に美しい女性が訪れたのは春も盛りの頃だった。菖蒲の花を見つけると、女性は近寄ってそっとひとつの花に触れる。
「ああ、やっぱりきれい。端正で美しい形。切っていってはだめかしら」
付き添っている侍女は黙って首を横に振る。
「そうね、あまり道草はしていられない」
「はい、あちらにはウツギの見事な花々も見えますが、ほどほどにしてくださいましね。先さまのご都合もおありでしょうから」
女性は道の少し先を見やって、感嘆の声を上げる。
「あら、本当に! だめよ。さようなことを私に告げては。では、ほんの少しだけ」
そう言うと、女性は小走りにウツギの方に向かっていく。
年配の侍女は、「あぁ」とため息をついている。
政秀寺に着くと、彼女を迎える客は落ち着いて庫裏で座していた。
老いた学僧の雪沙は信長の妻、帰蝶を待っていた。
「帰蝶さま、待ちくたびれて眠りそうになりました。いや、馬でお迎えに行こうかと思ったほどです」
「えっ、馬にまだ乗れるのですか」と帰蝶は目を丸くする。
雪沙は微笑んでうなずいている。
「あなたさまはいつも書写をしているか、只管打坐(しかんたざ)されているのかと思いました」
雪沙は黒い僧衣を着ているが、痩せているからだろうか。どことなく柳の姿を帰蝶に思い起こさせる。完全に白くなった髪は自然に伸ばしているようで結構な長さだ。髭もそれなりに伸びている。それが柳に似ているのだろうか。
「雪沙さまは柳のよう。柳をご存じですか」
「Yanagui?」と雪沙は聞き返す。
「ああ、さような言葉まで学んではおられませんね。何と申しましょう。川や掘の脇によくある木で、枝葉がたくさん、ぶらんと垂れ下がるのです」と帰蝶は懸命に説明する。
「Salice」と雪沙は答える。
「しぇりぃちぇ、とおっしゃるんですの。やなぎ、とは似ても似つかないのですね」
「旅をしているときによく見かけましたから、覚えています」
帰蝶は龍が瞳に映っているという老人のことが心に懸かったようだった。
夫の信長が時おり馬でここに訪れているのを知って、「わたくしも」とばかりに訪れるようなったのだ。夫がどのような話をしているのかは知らないが、彼女は気どらない話をするようにしている。雪沙が身の上をくどくど聞かれるのは好まないと思うからだ。それでも、雪沙の目に龍の姿が見えぬものかとじっと覗き込むことがある。
すると、雪沙も帰蝶の目をじっと見返す。見ていると吸い込まれるような強い光を宿してはいるが、その中に龍は見つけられない。
この日もそのようなやりとりがあった。
「帰蝶さまは美しく、強い女性ですな」
「強いでしょうか」と帰蝶は聞いてみる。
「そうです。それは、お父上の影響があるのでしょうか」
「そうですね。父の風を受け継いだかもしれません」
帰蝶の父、斎藤道三はこの3年前の天文21年(1552)に守護の土岐頼芸を追放し、美濃を平定するに至っていた。帰蝶が信長と婚姻を結んだのはそれより前だったが、父の目的のための婚姻だということを娘はよく承知していた。ただし、言いなりになったのとは少し違う。彼女自身、どこまではっきりと思い描いていたかは分からないが、美濃と尾張をつなぐ大切な役割を任されたと感じていたのだ。彼女は尾張の様子を知る限り逐一父に知らせていたし、また、美濃に援軍を頼むときには進んで取り次ぎをしている。村木砦の戦いでは清洲の留守居(守備)を美濃勢がきっちりと務めた。
信長も帰蝶を信頼している。もし美濃と尾張が対立するようになれば帰蝶は板挟みになってしまうが、その心配はしないでよさそうだった。今は尾張で起こっている織田家同士の争いが最も危険な火種だった。
「ええ、おそらく近々大和守家とは正面から戦わなければならないでしょう。何とか丸く収まればよいのですが無理なようです。最近は上総どのも難しい顔でよく思案に耽っております」
「戦いかたが肝要ですから、それを思案されているのでしょう」と雪沙がいう。それを聞いて帰蝶は眉をひそめる。
「戦わずに済ませる方法というのをどうして思いつかぬのでしょうか。いくさ、いくさ、いくさ、いくさと。いったいいつまで続くのでしょう。尾張を平定したらそれで終わりますか。今川がまた攻めてくるのではないですか。守護でもないのにと難癖をつけてくるに決まっています。わたくしもういくさには飽いております」
雪沙は帰蝶の抗議の言葉を静かに聞いていた。そしてまるきり話題を変えるように、つぶやいた。
「そういえば、上総さま(信長)はマスケット銃をほうぼうから集めておられますな。近年はポルトガルがたくさん持ち込んでおりますし」
マスケット銃というのは日本で火縄銃と呼ばれるものである。
「ええ、わたくしは薙刀以外に持たせてもらえませぬが」と、突然の話の変化に付いていけない様子で帰蝶は応じる。
「昔、とある司令官と話をしたことがあります。銃は戦争を短期に、少ない犠牲で済ませるために使うことができると」
それはこの世紀の始めに、スペインのナポリ総督だったゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドーバが実践しようとしていた塹壕戦のことだった。それはレコンキスタを勝利で終える過程で考えられたものだった。
「まあ、でも銃は人を簡単に倒してしまうものでしょう」と帰蝶は雪沙の目をまた覗き込む。
「その通りです。ただ、戦争というのは武器をどのように使うかで様子が変わるのです。皆がみな、敵を皆殺しにし、ましてや味方に多大な犠牲を払おうと考えるわけではないのです」
帰蝶は狐につままれたように雪沙の話を聞いていた。雪沙はこれまで、どのように生きてきたのだろうかとも思う。司令官とはどこの国の司令官で、どの戦のことなのだろうと次から次へと疑問がわいてくる。
たったひとつだけ言えるのは、この老人が自分たちの敵にはならないだろうということだった。
「上総どのにも、またいつでもお越しくださいと伝えてください」
雪沙の言葉にいくらか安堵して、帰蝶は小牧をあとにする。
春の風がさわやかに彼女の頬を撫でていた。
※ゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドーバの言葉を以前の回から引用します
ーー私はスペイン軍を強くすることを常に考えていた。カステーリャ王国でもアラゴン王国でもない、それを包括したスペイン軍だ。この10年のナポリをめぐる戦いは結果的にわれわれが勝ったものの、できあいの友軍、一時しのぎの傭兵と剣で構成する軍隊では、歯が立たないということを思い知ったのだ。だからこそ最前線に在る立場で新しい戦略を考え実行したのである。末長く機能するスベイン国軍というものを築きたかったのだ。騎兵・槍兵を何重にも備え最前列には砲兵を備える。いつ何時でも堅固な守備を構え、縦横無尽に動き攻撃できる。よく統率された軍隊である。1503年のチェリニョーラの戦いでそれを実践することができた。塹壕という定点で敵を待ち伏せし一斉に攻撃をかける方法がどれほど効果的かを示すことができたと思っている。戦争というのは、いかに自軍の犠牲を最小限に抑え敵を打ち負かすか、その技術であると言っても過言ではない。そのためには大砲だけでなく、小集団がよく統率され敵に向かう必要がある。それは究極的に自国の精鋭を中心とした編成にしなければならない。ーー
ルイス・デ・アルメイダが豊後までたどり着いたが、この頃の尾張国にさらに進んでいこう。
天文24年(1555)春のことである。
尾張の守護である斯波義統が織田信友の軍勢に追い詰められて自害した話はさきに述べた。義統の子は織田信長の元に逃げ込んで無事だった。ただ、それで一件落着になるはずはない。尾張はそこらかしこがくすぶっている荒れ野のように危険な状態だった。ぱっと小さな火を放れば、あっという間に辺り一帯を焼き尽くすだろう。
大和守織田家と信長の弾正忠織田家はどちらかを潰すまで戦わなければならなかった。
尾張・小牧山のほど近くの政秀寺に美しい女性が訪れたのは春も盛りの頃だった。菖蒲の花を見つけると、女性は近寄ってそっとひとつの花に触れる。
「ああ、やっぱりきれい。端正で美しい形。切っていってはだめかしら」
付き添っている侍女は黙って首を横に振る。
「そうね、あまり道草はしていられない」
「はい、あちらにはウツギの見事な花々も見えますが、ほどほどにしてくださいましね。先さまのご都合もおありでしょうから」
女性は道の少し先を見やって、感嘆の声を上げる。
「あら、本当に! だめよ。さようなことを私に告げては。では、ほんの少しだけ」
そう言うと、女性は小走りにウツギの方に向かっていく。
年配の侍女は、「あぁ」とため息をついている。
政秀寺に着くと、彼女を迎える客は落ち着いて庫裏で座していた。
老いた学僧の雪沙は信長の妻、帰蝶を待っていた。
「帰蝶さま、待ちくたびれて眠りそうになりました。いや、馬でお迎えに行こうかと思ったほどです」
「えっ、馬にまだ乗れるのですか」と帰蝶は目を丸くする。
雪沙は微笑んでうなずいている。
「あなたさまはいつも書写をしているか、只管打坐(しかんたざ)されているのかと思いました」
雪沙は黒い僧衣を着ているが、痩せているからだろうか。どことなく柳の姿を帰蝶に思い起こさせる。完全に白くなった髪は自然に伸ばしているようで結構な長さだ。髭もそれなりに伸びている。それが柳に似ているのだろうか。
「雪沙さまは柳のよう。柳をご存じですか」
「Yanagui?」と雪沙は聞き返す。
「ああ、さような言葉まで学んではおられませんね。何と申しましょう。川や掘の脇によくある木で、枝葉がたくさん、ぶらんと垂れ下がるのです」と帰蝶は懸命に説明する。
「Salice」と雪沙は答える。
「しぇりぃちぇ、とおっしゃるんですの。やなぎ、とは似ても似つかないのですね」
「旅をしているときによく見かけましたから、覚えています」
帰蝶は龍が瞳に映っているという老人のことが心に懸かったようだった。
夫の信長が時おり馬でここに訪れているのを知って、「わたくしも」とばかりに訪れるようなったのだ。夫がどのような話をしているのかは知らないが、彼女は気どらない話をするようにしている。雪沙が身の上をくどくど聞かれるのは好まないと思うからだ。それでも、雪沙の目に龍の姿が見えぬものかとじっと覗き込むことがある。
すると、雪沙も帰蝶の目をじっと見返す。見ていると吸い込まれるような強い光を宿してはいるが、その中に龍は見つけられない。
この日もそのようなやりとりがあった。
「帰蝶さまは美しく、強い女性ですな」
「強いでしょうか」と帰蝶は聞いてみる。
「そうです。それは、お父上の影響があるのでしょうか」
「そうですね。父の風を受け継いだかもしれません」
帰蝶の父、斎藤道三はこの3年前の天文21年(1552)に守護の土岐頼芸を追放し、美濃を平定するに至っていた。帰蝶が信長と婚姻を結んだのはそれより前だったが、父の目的のための婚姻だということを娘はよく承知していた。ただし、言いなりになったのとは少し違う。彼女自身、どこまではっきりと思い描いていたかは分からないが、美濃と尾張をつなぐ大切な役割を任されたと感じていたのだ。彼女は尾張の様子を知る限り逐一父に知らせていたし、また、美濃に援軍を頼むときには進んで取り次ぎをしている。村木砦の戦いでは清洲の留守居(守備)を美濃勢がきっちりと務めた。
信長も帰蝶を信頼している。もし美濃と尾張が対立するようになれば帰蝶は板挟みになってしまうが、その心配はしないでよさそうだった。今は尾張で起こっている織田家同士の争いが最も危険な火種だった。
「ええ、おそらく近々大和守家とは正面から戦わなければならないでしょう。何とか丸く収まればよいのですが無理なようです。最近は上総どのも難しい顔でよく思案に耽っております」
「戦いかたが肝要ですから、それを思案されているのでしょう」と雪沙がいう。それを聞いて帰蝶は眉をひそめる。
「戦わずに済ませる方法というのをどうして思いつかぬのでしょうか。いくさ、いくさ、いくさ、いくさと。いったいいつまで続くのでしょう。尾張を平定したらそれで終わりますか。今川がまた攻めてくるのではないですか。守護でもないのにと難癖をつけてくるに決まっています。わたくしもういくさには飽いております」
雪沙は帰蝶の抗議の言葉を静かに聞いていた。そしてまるきり話題を変えるように、つぶやいた。
「そういえば、上総さま(信長)はマスケット銃をほうぼうから集めておられますな。近年はポルトガルがたくさん持ち込んでおりますし」
マスケット銃というのは日本で火縄銃と呼ばれるものである。
「ええ、わたくしは薙刀以外に持たせてもらえませぬが」と、突然の話の変化に付いていけない様子で帰蝶は応じる。
「昔、とある司令官と話をしたことがあります。銃は戦争を短期に、少ない犠牲で済ませるために使うことができると」
それはこの世紀の始めに、スペインのナポリ総督だったゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドーバが実践しようとしていた塹壕戦のことだった。それはレコンキスタを勝利で終える過程で考えられたものだった。
「まあ、でも銃は人を簡単に倒してしまうものでしょう」と帰蝶は雪沙の目をまた覗き込む。
「その通りです。ただ、戦争というのは武器をどのように使うかで様子が変わるのです。皆がみな、敵を皆殺しにし、ましてや味方に多大な犠牲を払おうと考えるわけではないのです」
帰蝶は狐につままれたように雪沙の話を聞いていた。雪沙はこれまで、どのように生きてきたのだろうかとも思う。司令官とはどこの国の司令官で、どの戦のことなのだろうと次から次へと疑問がわいてくる。
たったひとつだけ言えるのは、この老人が自分たちの敵にはならないだろうということだった。
「上総どのにも、またいつでもお越しくださいと伝えてください」
雪沙の言葉にいくらか安堵して、帰蝶は小牧をあとにする。
春の風がさわやかに彼女の頬を撫でていた。
※ゴンサロ・フェルナンデス・デ・コルドーバの言葉を以前の回から引用します
ーー私はスペイン軍を強くすることを常に考えていた。カステーリャ王国でもアラゴン王国でもない、それを包括したスペイン軍だ。この10年のナポリをめぐる戦いは結果的にわれわれが勝ったものの、できあいの友軍、一時しのぎの傭兵と剣で構成する軍隊では、歯が立たないということを思い知ったのだ。だからこそ最前線に在る立場で新しい戦略を考え実行したのである。末長く機能するスベイン国軍というものを築きたかったのだ。騎兵・槍兵を何重にも備え最前列には砲兵を備える。いつ何時でも堅固な守備を構え、縦横無尽に動き攻撃できる。よく統率された軍隊である。1503年のチェリニョーラの戦いでそれを実践することができた。塹壕という定点で敵を待ち伏せし一斉に攻撃をかける方法がどれほど効果的かを示すことができたと思っている。戦争というのは、いかに自軍の犠牲を最小限に抑え敵を打ち負かすか、その技術であると言っても過言ではない。そのためには大砲だけでなく、小集団がよく統率され敵に向かう必要がある。それは究極的に自国の精鋭を中心とした編成にしなければならない。ーー
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