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居候、成羽の水に馴染む
大地震で揺れる大地、揺れる心
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親成に領内の見回りを命じられた六左衛門は馬を駆って、日々方々に出かけた。
「吉備の国は奥か深いぞ。海山もじゃが、特にものを作るということに関しては、それぞれに長い歴史がある」
そう言って、ある日親成は成羽の領内にある吹屋に六左を連れていった。そこは成羽のさらに奥の山中で、銅の産地・加工地である。三村氏が成羽に入るまでは尼子氏が領していたが、月山富田城の陥落後は毛利氏の管轄となった。成羽領内にあるため、直接の管理は銅山奉行になるが三村家もともに行なっている。
銅の採掘・精製を行う者たちは領主が変わったからと言って、あまり頓着はしなかった。前と変わらぬ手当や環境さえあればそれでよいのである。ヤマにはヤマの法があり、掟があり皆それに従って仕事をした。周辺の水場や往来を整備し、木の伐採を計画的にするよう促し、移動用の馬を工面するなど、周辺の集落との細かい調整も必要である。銅山衆はこの領主が自分たちを篤く遇してくれると喜んだ。もっとも親成はそこまで六左に説明はしない。後で親方に聞いたのである。
「はあ、何と見事な」
親方の指示に従って皆が鉱石を切り出し、整然と運び出す。そして丹念に選り出され精錬する。それぞれの役割がはっきりしており、無駄なく働くさまは見ているだけでも気持ちが良かった。
「築城も普請役がしっかりしとれば、驚くほど早く進むが、これは見事じゃ」と六左衛門は感嘆した。
「そうじゃな。皆よう働くことよ。ヤマでは流れて来る者も多いが、皆経験豊富で自分の役割がわかっておる」と親成が言う。
「これだけ働くんじゃ、遊里がいるのう」と六左衛門がつぶやく。
親成は苦笑した。
「おまえらしいのう。たしかに、今万事整っておるというわけではない。じゃけ、皆の意見を聞いて、よりよくせねばなるまい。六左、国を治めることにも通じることじゃ」
「国を治める、か。実に奥の深いもんじゃのう」
「わしも、たいていのことは親宣に任せておったが」
「立派な跡継ぎだったんじゃな……」と六左衛門は改めて、会うことのなかった親宣を思う。
たくさんのことを手分けして皆で担う。人の力というのは本当にすごい。六左衛門は素直に感心していた。親成は側で微笑んでいる。
長八としのの死で傷ついた六左衛門の心を少しでも癒してやりたいと思っての銅山訪問であった。
日本全体を揺るがす大きな出来事が起ころうとしていた。
それは七月、薄曇りの日のことだった。三村屋敷には親成はじめ一同がおり、おのおのの日課を果たしていた。六左衛門は庭で親良に鑓の稽古をつけていた。親良が全力で向かっていくのをすっと避け、逆に払いのけている。
「これが戦場なら貴殿はお陀仏じゃ。ほら、もっときんさい」
再び親良が六左衛門に向かおうと体勢を整えたとき、不意に木々から鳥がバサバサと飛び去っていった。数刻後、親良は足元がぐらりと揺れた気がした。
少し間を置いて、大きな揺れがやってきた。
「地震じゃ」
「大きくなるか」
振り返ると屋敷もゆっさゆさと揺れている。
「きゃー」と悲鳴が聞こえ、六左衛門は鑓を放り出して、屋敷の中に駆けていった。瓦がガチャン、とかん高い音を立てて、落ちてきた。
「危ないっ」
部屋から飛び出してきた親成が大きな声を上げた。六左衛門が縁側から屋敷に入るのとすれ違いに在中の家臣や使用人がバタバタと外に飛び出てきた。
「皆早よ庭に出るんじゃ、頭の上に気いつけぃ」
六左衛門はおさんの部屋に駆けた。
おさんは布団にくるまってガタガタと震えている。
六左衛門は、えいやっと布団ごとさんを抱えて、また駆けだした。どこかで柱がピシッとひび割れるような音がする。
「布団をしっかりかぶっとくんじゃ」と六左衛門の声がすぐ近くで響く。
このような非常時にも関わらず、おさんは望外の喜びに鼓動を早くしていた。
六左が助けに来てくれた。
しかも私を抱いてくれている。
布団越しとはいえ、六左衛門の体温を感じることができる。動悸は激しくなるばかりである。六左衛門への思いが、自分でも飼い慣らせないほど大きくなっていることに気づいたのはまさにこの時だった。
おさんを抱えた六左衛門が庭に飛び出してきたのを見て、親成はほっとした。
「おさん、大事ないか」
「はい」
六左衛門に抱えられたまま、おさんは答えた。地面はまだゆらゆらと振動していた。
「皆無事か確かめるんじゃ」と親成が命じる。
親良が辺りを見回して言った。
「おとくがおりませぬ」
「さっきまで台所で釜を見ておりましたが」と女中がわなわなと震えている。
「何、それはいかん。火が」
親成がそう言うか言わないかの間に、六左衛門はおさんを傍らに下ろすと再び屋敷の中に走っていた。走る六左の背中をさんはぼうっとして見ていた。
「おとく、どこじゃあっ」
六左衛門は走りながら叫んだ。揺れは小さくなってなお続いている。壁の漆喰がパラパラと落ちてくる。柱も不安定になっている。潰れでもしたら……六左衛門は不安を打ち消すように叫び続けた。
「おとくーっ」
「ここでございます」
台所の片隅から声が聞こえた。六左衛門が見ると、おとくは床に置いた釜を必死に押さえていた。
「来いっ、早く」
そう言うと、おとくの手をバッと取り引き寄せ、走り出した。
「お釜が」とおとくは振り返って言う。
「釜なぞどうでもええんじゃ。火は入っとったんか」
「いいえ」とおとくはしっかりした声で応えた。
外まで手を引いていくとき、六左衛門はおとくの手がびっくりするほど冷たく、がさがさになっていることに驚いていた。夏なのに……水仕事のせいか、まだ年端もいかぬのに。六左は胸が切なくなるのを覚えた。
揺れはようやく収まった。
「おぉ、おとくも無事か。よかったよかった」と親成は胸をなで下ろした。そして改めて家人を見回して命じた。
「揺り返しが来んとも限らん。しばらく皆庭におるんじゃ。もし、おのが家の様子を見に行きたい者は申し出よ。ただし、十分注意せぃ。ついでに辺りの様子を見てきてくれると助かる。普請が入り用なら後で申せ」
その言葉を受けて、あらかたの人間は帰っていった。
「あれだけの揺れじゃ、しばらく続くかもしれぬ。さて、おとく、火は出ておらぬようだな」と親成がおとくのほうを向いて確かめた。
「ちょうどかまどに火を入れようかとしておりましたが、大丈夫でございます」
「それで逃げ遅れたか」
「釜を守っておりました」とおとくが言う。
「なに、釜を?」と親成はびっくりして聞く。
「はい、おまんまが入っておりますゆえ」
「あほぅ!飯よりおまえの方が大事じゃ」と六左衛門が脇から口を出す。
「はい、でもおまんまがなければ、皆様力が出ませぬ。それに米・麦・粟・稗は何より大切にせよと母から言いつけられまして」とおとくはそれが自分の使命であるかのように、すらすらと申し述べた。
親成がかっかっかと笑い出し、一同の緊張もほぐれた。
「大した度胸よのう、わしの肝が冷えるわい。火を出さずに済んだのはおとくのおかげじゃ。今宵の飯にもありつける。感謝するぞぃ」
六左衛門がおとくを見ると、彼女の堅く握りしめられた両手は小刻みに震えていた。
気丈にしているが、その実怖くて震えていたのだ。
その様子があまりにもいじましく、思わずおとくの頭をくしゃくしゃと撫でていた。おとくが「力が強うございます」と文句を言い、一同はまた笑った。
しかし、おさんだけは笑うことができずにいた。
その後、小さな揺り返しが数回あったが、屋敷の柱は持ちこたえたようだった。親成は館の状態を慎重に確認するよう言いつけ、庭に残っている皆を見た。
「釜も鍋も無事じゃ、今夜は庭で鍋でもするかの。蚊帳を張るのは無理じゃが」
誰も反対するものはなかった。
この日の大きな地震は豊後を震源とするものだった。付近では前震がたびたび起こっていたというが、この数日後に再び京都を震源とする大きな地震が発生した。
この地震で太閤秀吉の居城伏見城が甚大な被害を受けたのを始め、神戸辺りまでの広い範囲に倒壊の被害があった。
唐入りでの振る舞いなどについて石田三成の批判を受けたことにより、秀吉の不興を買っていた加藤清正はこの地震の時真っ先に秀吉の元に駆けつけ、忠義に篤いところを見せ、じきに謹慎を解かれた。
しかし、太閤秀吉の花の盛りはもう過ぎようとしていた。
そして、この地震はおさんと六左衛門の心も動かしていた。
「吉備の国は奥か深いぞ。海山もじゃが、特にものを作るということに関しては、それぞれに長い歴史がある」
そう言って、ある日親成は成羽の領内にある吹屋に六左を連れていった。そこは成羽のさらに奥の山中で、銅の産地・加工地である。三村氏が成羽に入るまでは尼子氏が領していたが、月山富田城の陥落後は毛利氏の管轄となった。成羽領内にあるため、直接の管理は銅山奉行になるが三村家もともに行なっている。
銅の採掘・精製を行う者たちは領主が変わったからと言って、あまり頓着はしなかった。前と変わらぬ手当や環境さえあればそれでよいのである。ヤマにはヤマの法があり、掟があり皆それに従って仕事をした。周辺の水場や往来を整備し、木の伐採を計画的にするよう促し、移動用の馬を工面するなど、周辺の集落との細かい調整も必要である。銅山衆はこの領主が自分たちを篤く遇してくれると喜んだ。もっとも親成はそこまで六左に説明はしない。後で親方に聞いたのである。
「はあ、何と見事な」
親方の指示に従って皆が鉱石を切り出し、整然と運び出す。そして丹念に選り出され精錬する。それぞれの役割がはっきりしており、無駄なく働くさまは見ているだけでも気持ちが良かった。
「築城も普請役がしっかりしとれば、驚くほど早く進むが、これは見事じゃ」と六左衛門は感嘆した。
「そうじゃな。皆よう働くことよ。ヤマでは流れて来る者も多いが、皆経験豊富で自分の役割がわかっておる」と親成が言う。
「これだけ働くんじゃ、遊里がいるのう」と六左衛門がつぶやく。
親成は苦笑した。
「おまえらしいのう。たしかに、今万事整っておるというわけではない。じゃけ、皆の意見を聞いて、よりよくせねばなるまい。六左、国を治めることにも通じることじゃ」
「国を治める、か。実に奥の深いもんじゃのう」
「わしも、たいていのことは親宣に任せておったが」
「立派な跡継ぎだったんじゃな……」と六左衛門は改めて、会うことのなかった親宣を思う。
たくさんのことを手分けして皆で担う。人の力というのは本当にすごい。六左衛門は素直に感心していた。親成は側で微笑んでいる。
長八としのの死で傷ついた六左衛門の心を少しでも癒してやりたいと思っての銅山訪問であった。
日本全体を揺るがす大きな出来事が起ころうとしていた。
それは七月、薄曇りの日のことだった。三村屋敷には親成はじめ一同がおり、おのおのの日課を果たしていた。六左衛門は庭で親良に鑓の稽古をつけていた。親良が全力で向かっていくのをすっと避け、逆に払いのけている。
「これが戦場なら貴殿はお陀仏じゃ。ほら、もっときんさい」
再び親良が六左衛門に向かおうと体勢を整えたとき、不意に木々から鳥がバサバサと飛び去っていった。数刻後、親良は足元がぐらりと揺れた気がした。
少し間を置いて、大きな揺れがやってきた。
「地震じゃ」
「大きくなるか」
振り返ると屋敷もゆっさゆさと揺れている。
「きゃー」と悲鳴が聞こえ、六左衛門は鑓を放り出して、屋敷の中に駆けていった。瓦がガチャン、とかん高い音を立てて、落ちてきた。
「危ないっ」
部屋から飛び出してきた親成が大きな声を上げた。六左衛門が縁側から屋敷に入るのとすれ違いに在中の家臣や使用人がバタバタと外に飛び出てきた。
「皆早よ庭に出るんじゃ、頭の上に気いつけぃ」
六左衛門はおさんの部屋に駆けた。
おさんは布団にくるまってガタガタと震えている。
六左衛門は、えいやっと布団ごとさんを抱えて、また駆けだした。どこかで柱がピシッとひび割れるような音がする。
「布団をしっかりかぶっとくんじゃ」と六左衛門の声がすぐ近くで響く。
このような非常時にも関わらず、おさんは望外の喜びに鼓動を早くしていた。
六左が助けに来てくれた。
しかも私を抱いてくれている。
布団越しとはいえ、六左衛門の体温を感じることができる。動悸は激しくなるばかりである。六左衛門への思いが、自分でも飼い慣らせないほど大きくなっていることに気づいたのはまさにこの時だった。
おさんを抱えた六左衛門が庭に飛び出してきたのを見て、親成はほっとした。
「おさん、大事ないか」
「はい」
六左衛門に抱えられたまま、おさんは答えた。地面はまだゆらゆらと振動していた。
「皆無事か確かめるんじゃ」と親成が命じる。
親良が辺りを見回して言った。
「おとくがおりませぬ」
「さっきまで台所で釜を見ておりましたが」と女中がわなわなと震えている。
「何、それはいかん。火が」
親成がそう言うか言わないかの間に、六左衛門はおさんを傍らに下ろすと再び屋敷の中に走っていた。走る六左の背中をさんはぼうっとして見ていた。
「おとく、どこじゃあっ」
六左衛門は走りながら叫んだ。揺れは小さくなってなお続いている。壁の漆喰がパラパラと落ちてくる。柱も不安定になっている。潰れでもしたら……六左衛門は不安を打ち消すように叫び続けた。
「おとくーっ」
「ここでございます」
台所の片隅から声が聞こえた。六左衛門が見ると、おとくは床に置いた釜を必死に押さえていた。
「来いっ、早く」
そう言うと、おとくの手をバッと取り引き寄せ、走り出した。
「お釜が」とおとくは振り返って言う。
「釜なぞどうでもええんじゃ。火は入っとったんか」
「いいえ」とおとくはしっかりした声で応えた。
外まで手を引いていくとき、六左衛門はおとくの手がびっくりするほど冷たく、がさがさになっていることに驚いていた。夏なのに……水仕事のせいか、まだ年端もいかぬのに。六左は胸が切なくなるのを覚えた。
揺れはようやく収まった。
「おぉ、おとくも無事か。よかったよかった」と親成は胸をなで下ろした。そして改めて家人を見回して命じた。
「揺り返しが来んとも限らん。しばらく皆庭におるんじゃ。もし、おのが家の様子を見に行きたい者は申し出よ。ただし、十分注意せぃ。ついでに辺りの様子を見てきてくれると助かる。普請が入り用なら後で申せ」
その言葉を受けて、あらかたの人間は帰っていった。
「あれだけの揺れじゃ、しばらく続くかもしれぬ。さて、おとく、火は出ておらぬようだな」と親成がおとくのほうを向いて確かめた。
「ちょうどかまどに火を入れようかとしておりましたが、大丈夫でございます」
「それで逃げ遅れたか」
「釜を守っておりました」とおとくが言う。
「なに、釜を?」と親成はびっくりして聞く。
「はい、おまんまが入っておりますゆえ」
「あほぅ!飯よりおまえの方が大事じゃ」と六左衛門が脇から口を出す。
「はい、でもおまんまがなければ、皆様力が出ませぬ。それに米・麦・粟・稗は何より大切にせよと母から言いつけられまして」とおとくはそれが自分の使命であるかのように、すらすらと申し述べた。
親成がかっかっかと笑い出し、一同の緊張もほぐれた。
「大した度胸よのう、わしの肝が冷えるわい。火を出さずに済んだのはおとくのおかげじゃ。今宵の飯にもありつける。感謝するぞぃ」
六左衛門がおとくを見ると、彼女の堅く握りしめられた両手は小刻みに震えていた。
気丈にしているが、その実怖くて震えていたのだ。
その様子があまりにもいじましく、思わずおとくの頭をくしゃくしゃと撫でていた。おとくが「力が強うございます」と文句を言い、一同はまた笑った。
しかし、おさんだけは笑うことができずにいた。
その後、小さな揺り返しが数回あったが、屋敷の柱は持ちこたえたようだった。親成は館の状態を慎重に確認するよう言いつけ、庭に残っている皆を見た。
「釜も鍋も無事じゃ、今夜は庭で鍋でもするかの。蚊帳を張るのは無理じゃが」
誰も反対するものはなかった。
この日の大きな地震は豊後を震源とするものだった。付近では前震がたびたび起こっていたというが、この数日後に再び京都を震源とする大きな地震が発生した。
この地震で太閤秀吉の居城伏見城が甚大な被害を受けたのを始め、神戸辺りまでの広い範囲に倒壊の被害があった。
唐入りでの振る舞いなどについて石田三成の批判を受けたことにより、秀吉の不興を買っていた加藤清正はこの地震の時真っ先に秀吉の元に駆けつけ、忠義に篤いところを見せ、じきに謹慎を解かれた。
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