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大したリスクを負う事も無い不自然なその平和なお付き合いはストーカーからの贈り物が10袋を超える頃に、急な終わりを迎えます。

ロン毛の協力も得て、ストーカーを止めさせる絶対の自信があった店長が全てを
私の背負う本当のリスクすらも整えてその場所を用意してくれたのです。


連れて行かれたのは季節外れのログハウス型コテージ
冬にはウィンタースポーツを好む人達が訪れるであろう山奥のそこには、自然の音しか聞こえないひと気の無い場所でした。

立ち並ぶ同じ形の建物にも気配が感じられず、只その中の1軒にだけ誰にも知られずに熱を帯びていたのです。

ひと気の無いその場所に立った時、その空気と隣に立つ店長にも、初見に感じた時よりも強く緊張していました。

穏やかにお付き合い風をしてきた店長は何だったのか、どれが本当の店長なのか、私は店長の事を何も知らなかったのだと知らされたようでした。

そんな知らない人のような店長に促され玄関ドアをくぐると、先の部屋とはドアで仕切られたホールで足を止められ

「オレに従えば約束通り全部解決する
この関係も解消だ
約束通りリスク背負う覚悟はあるんだろうな」

確認と言うより脅迫のように聞こえたのは、忘れさせられていた穏やかなそれまでとのギャップと極度の緊張と、面接の時に感じた人を酔わせるような店長の色気のせいなのか

もちろん意地もあったのだろうと思います。
警察に言わずに店長を頼った自分の意思でもあり、その返事は「はい」しかあり得ませんでした。
その返答に本当に少しだけ表情を緩めたように見えた店長は、扉を開けるよう促しました。


ゆっくりと扉を開けると木材剥き出しの大きな1室
全てを確認する前に足と息が止まりました。

中央に太い1本柱
ボールギャグをされ、怯えている男性が拘束されていたのです。

背中に手をあてがわれ、“ヒッ”と声にならない悲鳴をした事で、止まった呼吸が吹き返されると同時に、その手に背中を押されるがまま止まった足もゆっくり前進し始めました。

拘束された男性の方を向いて座面の広いベットのように大きなソファーとマッサージチェアのような1人掛けのアームチェアが置いてあり、暖炉に背を向けている不自然なそれらの間を抜け男性に対人すると、足元に散らばったストーカーからの贈り物を手にした店長が

「コレらはキミが届けてた。間違いないか?」

拘束された男性が強く頷いて自分がストーカーだと自白したのを確認すると店長は私を見ました。

視線のやり場を失っていた私の目はなぜかずっと店長の喉元を追っていたのを覚えいます。

正直全く知らない人でした。
それを知っていたのか、私の表情なのか

「オマエの部屋の真上の住人だそうだ」

ロン毛が張り込んで見つけて、店長に頼まれここまで連れて来てくれたそうです。
説明されたのはそこまでで、その後この状態にしたのは店長なのでしょう。

同じアパートにどんな人が住んでいたのか、2階はもちろんのこと、隣の部屋の住人も知りません。

確認しようと少しだけ視線をそちらに向かわせよう試みましたが、それはほんの少ししか言う事を聞かず、視野の端っこで捉えられる程度でしかありません。

その視野の端っこで、下半身が剥き出しでは無い事が分かりました。
店長はそれに気付いたのか

「勃起出来ないようにしてある」

そんな物があるのだと初めて知りながら、頭の中で[むしろストーカーの方が安全だし]というロン毛の声を思い出しつつも

「ど…うする…つもりで…すか…?」

絞り出した声は擦れてほぼほぼ聞こえていないのに

「オレは協力してやるだけだ」

そう言ってストーカーからの贈り物の中でも最も小さく薄地の白いマイクロビキニ
ショーツはサイドを結ぶ紐パン状のそれを私に持たせた店長の視線を追うと
おそらくバスルームであろう扉に向いており

「リスク背負うんだろ?」

反論は勿論、躊躇すらも許されないであろう空気に押され、私は約束通り従ったのです。







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