4 / 10
3
しおりを挟む
その日からバイト終わりに店長が送ってくれる事が増え、店長との会話にも少しですが硬さが取れてきたようになっていました。
ある日、バイトに1人の綺麗な女性が現れ、カウンター越しに店長との会話で、知り合いなのだろうと察した頃、やっとこちらに気付いたように
「ふーん…あなたが新しい娘?」
「はい。よろしくお願いし…」
「まだ子どもじゃない。もう1杯頂戴」
私の言葉を遮り、店長へとの会話に戻っていました。
「もう今日はやめとけ」
「いいから、お願い」
綺麗な女性は素人の私が見ても、入店時から酔っていて、この店で更に酔いを増していました。
見かねてキッチンからロン毛のイケメンが
「店長、今日はもう人も来ねーだろうし、オレが閉めておくから、送ってやれよ」
「ああ…悪い、頼んだ」
そして2人を見送り、店仕舞いを終えると
「今日は早いし、送ってやるよ。飯でも食おうぜ。」
そう言って私のアパートに近いファミレスで
「あの2人今頃ヤッてるよ」
「ブッ!」
いきなりの言葉に口に含んだ水を勢いよく吹いていました。
「ショック?」
「いや…開口一番のソレに驚いただけで、感覚的にはしっくり来たような…なるほどと思ってます」
お店での2人の雰囲気は色気があったというか、妖艶な空気は何となく感じ取れていたのだと納得がいきました。
「店長の事好きなんじゃねーの?」
「好きですけど、そういった好きとはまた違いますよね。バイトの皆さん同じ好きですし、そもそもなんかレベルが違う感じしかしない」
「ふーん」
納得がいかなそうなロン毛はさらに
「それにしちゃ最近店長とイイ感じじゃね?」
「それ以前が、冷め覚めしてません?このバイト」
バイトを始めてから、挨拶以外の会話をしたのが、ロン毛に至っては今日が初めてでした。
「まぁね。みんな話好きって訳じゃねーし。その方がやりやすかったりするかんな」
言ってもこの時点で、ロン毛の名前すら覚えていないけれども、聞く事も出来ずに、バレないように話を聞く姿勢でいると、話す相手が出来たからか、意外にも口軽く店長と彼女について話出したのです。
「あの人は店長の元カノ。今でも店長じゃないとダメみたいで、毎回ああなるまで粘るんだよね」
「お似合いですけどね」
「まぁね。オレも店長に戻ればって言ったけどなんでかダメなんだってさ」
「へー」
「で、今日言いたかったのは、店長は止めとけって事」
「止めるも何も、どうなるつもりもないですよ」
「へー。店長は?」
「元カノがあんなに綺麗で、戻りたがってるのに、わざわざこんな子娘に行かないでしょ
以前酔っ払いに絡まれて、それから送ってくれるようになっただけですよ」
「………どんくらい?」
「1か月くらいですかね」
「そっか。じゃ、余計なお世話だったな」
そう言うとファミレスを出て、アパートまで送ってくれたのです。
いつもどおり私の部屋のドアにあるビニール袋を階段の手摺りに移すと
「何ソレ?」
「ああ、いつも誰か間違えてるみたいで」
「え?ヤバくね?」
「明日になったら無くなってますよ」
「イヤ…中身」
「えーっと今日は………っ!?」
中身を見て、咄嗟にビニール袋を閉じていました。
「ちょ…ここじゃまずいし、どっかの店でもまずいし…ちょっと1回…とりあえず部屋入れ。この際オレも安全だと信じて入れろ」
放心状態の私から鍵を奪って、片付けも出来ていない部屋へと押し込むように入ると、私と自分の靴を玄関口で脱ぎ捨てました。
リビングのソファーに私を座らせ、自分は床に胡座で座り、ビニール袋を私の手から奪うと、中身を床に取り出します。
クシャっと畳まれた布地の小さなピンクの水着と、男性の形をした黒いバイブ、ソレ用の電池がコロコロと4つ
バイブはビニール袋から透けていて、ロン毛はソレでヤバいと気付いたんだと思います
いつから中身がそんなモノになっていたのか
気付いた住人もいたのでしょうか
ロン毛に説明しようにも言葉にならなくて、彼が質問する事に、首を縦に振るか横に振るかで意思の疎通が出来たのです。
「心当たりは…?」
「ありません」
やっと答えられたのはそれだけで、本当に心配から
「泊まる」
と言ってくれたのですが、頭の整理をしたいので
「大丈夫か?何かあったら直ぐ連絡しろよ」
と何度も言ってくれたロン毛を見送ったのでした。
ある日、バイトに1人の綺麗な女性が現れ、カウンター越しに店長との会話で、知り合いなのだろうと察した頃、やっとこちらに気付いたように
「ふーん…あなたが新しい娘?」
「はい。よろしくお願いし…」
「まだ子どもじゃない。もう1杯頂戴」
私の言葉を遮り、店長へとの会話に戻っていました。
「もう今日はやめとけ」
「いいから、お願い」
綺麗な女性は素人の私が見ても、入店時から酔っていて、この店で更に酔いを増していました。
見かねてキッチンからロン毛のイケメンが
「店長、今日はもう人も来ねーだろうし、オレが閉めておくから、送ってやれよ」
「ああ…悪い、頼んだ」
そして2人を見送り、店仕舞いを終えると
「今日は早いし、送ってやるよ。飯でも食おうぜ。」
そう言って私のアパートに近いファミレスで
「あの2人今頃ヤッてるよ」
「ブッ!」
いきなりの言葉に口に含んだ水を勢いよく吹いていました。
「ショック?」
「いや…開口一番のソレに驚いただけで、感覚的にはしっくり来たような…なるほどと思ってます」
お店での2人の雰囲気は色気があったというか、妖艶な空気は何となく感じ取れていたのだと納得がいきました。
「店長の事好きなんじゃねーの?」
「好きですけど、そういった好きとはまた違いますよね。バイトの皆さん同じ好きですし、そもそもなんかレベルが違う感じしかしない」
「ふーん」
納得がいかなそうなロン毛はさらに
「それにしちゃ最近店長とイイ感じじゃね?」
「それ以前が、冷め覚めしてません?このバイト」
バイトを始めてから、挨拶以外の会話をしたのが、ロン毛に至っては今日が初めてでした。
「まぁね。みんな話好きって訳じゃねーし。その方がやりやすかったりするかんな」
言ってもこの時点で、ロン毛の名前すら覚えていないけれども、聞く事も出来ずに、バレないように話を聞く姿勢でいると、話す相手が出来たからか、意外にも口軽く店長と彼女について話出したのです。
「あの人は店長の元カノ。今でも店長じゃないとダメみたいで、毎回ああなるまで粘るんだよね」
「お似合いですけどね」
「まぁね。オレも店長に戻ればって言ったけどなんでかダメなんだってさ」
「へー」
「で、今日言いたかったのは、店長は止めとけって事」
「止めるも何も、どうなるつもりもないですよ」
「へー。店長は?」
「元カノがあんなに綺麗で、戻りたがってるのに、わざわざこんな子娘に行かないでしょ
以前酔っ払いに絡まれて、それから送ってくれるようになっただけですよ」
「………どんくらい?」
「1か月くらいですかね」
「そっか。じゃ、余計なお世話だったな」
そう言うとファミレスを出て、アパートまで送ってくれたのです。
いつもどおり私の部屋のドアにあるビニール袋を階段の手摺りに移すと
「何ソレ?」
「ああ、いつも誰か間違えてるみたいで」
「え?ヤバくね?」
「明日になったら無くなってますよ」
「イヤ…中身」
「えーっと今日は………っ!?」
中身を見て、咄嗟にビニール袋を閉じていました。
「ちょ…ここじゃまずいし、どっかの店でもまずいし…ちょっと1回…とりあえず部屋入れ。この際オレも安全だと信じて入れろ」
放心状態の私から鍵を奪って、片付けも出来ていない部屋へと押し込むように入ると、私と自分の靴を玄関口で脱ぎ捨てました。
リビングのソファーに私を座らせ、自分は床に胡座で座り、ビニール袋を私の手から奪うと、中身を床に取り出します。
クシャっと畳まれた布地の小さなピンクの水着と、男性の形をした黒いバイブ、ソレ用の電池がコロコロと4つ
バイブはビニール袋から透けていて、ロン毛はソレでヤバいと気付いたんだと思います
いつから中身がそんなモノになっていたのか
気付いた住人もいたのでしょうか
ロン毛に説明しようにも言葉にならなくて、彼が質問する事に、首を縦に振るか横に振るかで意思の疎通が出来たのです。
「心当たりは…?」
「ありません」
やっと答えられたのはそれだけで、本当に心配から
「泊まる」
と言ってくれたのですが、頭の整理をしたいので
「大丈夫か?何かあったら直ぐ連絡しろよ」
と何度も言ってくれたロン毛を見送ったのでした。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる