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しおりを挟む“ヴヴヴヴ…”
微かなバイブの音
「ハァ…ハァ…んっ…ハァ…ハァ…あぁ…」
自分の息と、時々堪えられずに漏れる声
自由の指を噛み、声を殺すしかありません
「……っす!」
「……した」
隣のミーティングルームに、人の気配と、時々声も聞こえてきました
固定された両膝も、キープすることにだんだんつらさを感じます
「ハァ…ハァ…あ…んっ…ハァ…」
“ヴヴヴヴ…”
自由な両手で、固定された両膝を開放しようとしてみましたが、首を前方に動かせず、右膝には左手が、左膝には、右手が届きません
皮肉な事に、両手が届くのは、股間でショーツの中で蠢いている、バイブだけなのです
腰が、快楽を求め出し、自分の意思ではなく、円を描き出してしまいました
このままでは、私ごと椅子を崩してしまうかもしれない…
歯がゆさと、迷い、快楽を求める脳は、判断力と忍耐を鈍らせ
「ハァ…ハァ…ハァ…」
白くなっていく視界と脳内
ゴクリと自分が唾液を飲み込んだ音を聞いたのが、最後の記憶でした
私は、自ら両手でバイブを握り、奥まで押し込むと、2つのスイッチを強めていました
“ヴィ~ンヴィ~ン”
「あぁぁっ!ハァ…ハァ…ハァ…あぁぁぁぁぁ…」
動かせないバイブを、押し込んで、絶頂がもうすぐそこに見えた瞬間
バンッ!と準備室の扉が開け放たれ、現れたチーフマネージャーの姿を見て
「あぁぁぁぁぁ!」
自分がしてしまった事の大きさを実感したのです
バイブを抜き奪った彼は
「イッたのか」
「ハァ…ハァ…いえ…イキたいです…」
虚ろに答えたその時、私に罪悪感を思わせる態度を見せる余裕などありませんでした
「オレが気付かなかったら、イッてただろ」
「ハァ…ハァ…すみません…」
そう言いながらも、彼は、私の両膝を開放し、首輪に繋がれた鎖も、椅子から外し出したのです
「ハァ…すみません…お願いです…もう…イカせて…終わりはイヤです…」
彼に見捨てられる不安で、彼にすがりつくように懇願していました
「………」
何も言わない彼は、私を余計に不安にさせます
「お願いです…グチャグチャのはしたないマンコ…イカせてください…」
「………」
「お願い…終わりはイヤ…スケベなマンコを…捨てないで…」
跪き、彼のベルトを握るように泣いてすがっていました
少しだけ、機嫌を良くしたように見えた彼は、私の頭を撫でると
「イッてないんだな?」
「はい…イッてません」
「今回だけは、許してやる。見捨てもしない」
「ありがとうございます!」
「そんなにイキたいのなら、許可してやるから……」
優しく変わった彼は、私を準備室から出るよう、レディファーストでエスコートしてくれました
嘘つきな彼に、何度騙されても、その度に私の躰は歓喜してしまうのです
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