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18話 ステータス確認魔法
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俺は最近、ステータス確認魔法の開発に成功した。
この世界ではステータスが可視化できないので、感覚でいつも残りの魔力量や体力量を確認しているが、不便なのでついつい作ってしまった。
ステータス確認魔法は、失敗しても特に弊害は無いので安心して使える。
その辺にいた魔物にしかこの魔法を試していないので、成功はしているだろうが、念の為人間でも試してみたい。
どうせなら自分のではなく、休み時間に何故か隣に座ってきたノアディアのステータスでも覗いてみるかと考えつく。
───そういえば、制服がまだ帰ってこないので今日もノアディアの制服を着ている。よく探したらシャツだけは手元にあったので、自分のを着ているが。制服を借りてから3日が経ったというのに、ふとした瞬間に謎のいい匂いがブレザーから漂ってくるので、とてもじゃないが授業に集中出来ない。
どうしてくれるんだと八つ当たり気味にステータスオープン、と小声で唱える。
すると、頭上にステータス画面が表示された。勿論見えるのは唱えた本人にのみだ。
ノアディア・サディーヌ 24歳
【職業】
隣国の国王
隣国の最高位魔術士
竜王
第二の魔王
HP ??????????.....
MP ??????????.....
??????????????????????????????...........
【弱点】
ライ???・????
危ない、仰天して椅子から滑り落ちそうになった・・・なんか盛大にバグってるな。24歳って冗談かよ。5歳年上で最高位魔術士だと仮定したら、何の目的があってこの国の魔術学園に入学してくるんだよ。大人が小学校に通うようなもんだろ。いや、幼稚園か・・・。
王子だとはヒロインから聞いていたが、国王ってなっているんだが。いつの間にかランクアップしてるな。
竜王とか魔王だとか弱点なんかはもう訳が分からん。お手上げだ。
失敗したな。完全に。
「ライ、今何かしましたか?」
「いやーうーん。」
「もしかして、何か見てしまいまし「あー!いや、いつも素敵な顔だなーって!見ていて!」
言及される前に、即刻声を被せる。
ヤバい。バレたか?
「・・・っ。」
「カッコイイ!凄腕魔法使い!」
慌てて丸め込もうとする。露骨におだてたせいで悪巧みがバレてしまったのか、どうやら怒ってしまったみたいだ。
耳がほんのりと赤くなっている。いや、これは照れているのか?
「そんなに取り繕わなくても、何をされても怒りませんよ?」
・・・カッコイイ。じゃない!
絶対怒ってるだろ。いつもより渋い顔をしている。
何をされても怒らないと言うが、自分のステータスを勝手に覗き見られていた、なんて知ったら気分を悪くするだろう。バグっていたみたいだから結果的に見ることは出来なかったが。
俺だったら絶対怒る自信があるので、何をしたのかは内緒にしておこう。
「ライ。魔法を色々と作り出すのはとても精良な事ですが、大きな魔法を使う時は、それと対等な代償が求められる事を忘れないで下さいね。」
神妙な顔でそう伝えられる。何だ、本当に怒ってはいないのか。
「魔力の枯渇でも心配しているのか?それだったら最近はちゃんと管理できているし大丈夫だぞ。」
「ええ、それもありますが・・・間違っても時間を戻そうとしたり、未来を大きく変えようとしたり・・・人を生き返らせようとしたりはしないで下さいね?」
時間を戻すとかそんな事考えてもみなかったな。もし実現できたとしたら大変な事になりそうだ。パラレルワールドとか余裕でできそうだな。
いや、それだけじゃ済まないだろう。もしかしたら世界が崩壊したりするかもしれない。怖っ。
「そこまで途方もない事、今の実力じゃできないから平気だって。」
笑ってそう言うが、ノアディアの表情は硬いままだ。
「約束、して下さい。」
「わ、分かったよ。」
「絶対に、ですよ。」
悲しげにそう言われたので、黙って頷いてしまう。
過去に何かあったのだろうか?それとも、俺がいつもヘマするからまた何かしでかすとでも思っているのだろうか。
そっと頭に手を移動させ、さっきからいとまなく動かしていたノアディアの手を振り払う。
頭を撫でるな!
「おい、いちいち撫でるのやめろ!」
「いつも丁度いい位置に頭がありますので、つい。」
それは俺の座高と身長が低いとでも言いたいのか!?おい!!
振り払った手をまた俺の頭に置いて撫でてくる。やめろと言ってもやめない様子なので、もう気にせず読書をすることにした。
っていうか、いつまで隣の席を占領して頭を撫で回しているんだよ!隣の席の三つ編みちゃんが困ってるぞ!
ちなみにノアディアの席は俺の左後ろだ。
ヒロインと悪役令嬢は「おおおおぉぉぉ、親密な関係になってる!」「あら、もう結婚されましたの?」等と騒ぐでない!他のクラスメイトが誤解するぞ!
この世界ではステータスが可視化できないので、感覚でいつも残りの魔力量や体力量を確認しているが、不便なのでついつい作ってしまった。
ステータス確認魔法は、失敗しても特に弊害は無いので安心して使える。
その辺にいた魔物にしかこの魔法を試していないので、成功はしているだろうが、念の為人間でも試してみたい。
どうせなら自分のではなく、休み時間に何故か隣に座ってきたノアディアのステータスでも覗いてみるかと考えつく。
───そういえば、制服がまだ帰ってこないので今日もノアディアの制服を着ている。よく探したらシャツだけは手元にあったので、自分のを着ているが。制服を借りてから3日が経ったというのに、ふとした瞬間に謎のいい匂いがブレザーから漂ってくるので、とてもじゃないが授業に集中出来ない。
どうしてくれるんだと八つ当たり気味にステータスオープン、と小声で唱える。
すると、頭上にステータス画面が表示された。勿論見えるのは唱えた本人にのみだ。
ノアディア・サディーヌ 24歳
【職業】
隣国の国王
隣国の最高位魔術士
竜王
第二の魔王
HP ??????????.....
MP ??????????.....
??????????????????????????????...........
【弱点】
ライ???・????
危ない、仰天して椅子から滑り落ちそうになった・・・なんか盛大にバグってるな。24歳って冗談かよ。5歳年上で最高位魔術士だと仮定したら、何の目的があってこの国の魔術学園に入学してくるんだよ。大人が小学校に通うようなもんだろ。いや、幼稚園か・・・。
王子だとはヒロインから聞いていたが、国王ってなっているんだが。いつの間にかランクアップしてるな。
竜王とか魔王だとか弱点なんかはもう訳が分からん。お手上げだ。
失敗したな。完全に。
「ライ、今何かしましたか?」
「いやーうーん。」
「もしかして、何か見てしまいまし「あー!いや、いつも素敵な顔だなーって!見ていて!」
言及される前に、即刻声を被せる。
ヤバい。バレたか?
「・・・っ。」
「カッコイイ!凄腕魔法使い!」
慌てて丸め込もうとする。露骨におだてたせいで悪巧みがバレてしまったのか、どうやら怒ってしまったみたいだ。
耳がほんのりと赤くなっている。いや、これは照れているのか?
「そんなに取り繕わなくても、何をされても怒りませんよ?」
・・・カッコイイ。じゃない!
絶対怒ってるだろ。いつもより渋い顔をしている。
何をされても怒らないと言うが、自分のステータスを勝手に覗き見られていた、なんて知ったら気分を悪くするだろう。バグっていたみたいだから結果的に見ることは出来なかったが。
俺だったら絶対怒る自信があるので、何をしたのかは内緒にしておこう。
「ライ。魔法を色々と作り出すのはとても精良な事ですが、大きな魔法を使う時は、それと対等な代償が求められる事を忘れないで下さいね。」
神妙な顔でそう伝えられる。何だ、本当に怒ってはいないのか。
「魔力の枯渇でも心配しているのか?それだったら最近はちゃんと管理できているし大丈夫だぞ。」
「ええ、それもありますが・・・間違っても時間を戻そうとしたり、未来を大きく変えようとしたり・・・人を生き返らせようとしたりはしないで下さいね?」
時間を戻すとかそんな事考えてもみなかったな。もし実現できたとしたら大変な事になりそうだ。パラレルワールドとか余裕でできそうだな。
いや、それだけじゃ済まないだろう。もしかしたら世界が崩壊したりするかもしれない。怖っ。
「そこまで途方もない事、今の実力じゃできないから平気だって。」
笑ってそう言うが、ノアディアの表情は硬いままだ。
「約束、して下さい。」
「わ、分かったよ。」
「絶対に、ですよ。」
悲しげにそう言われたので、黙って頷いてしまう。
過去に何かあったのだろうか?それとも、俺がいつもヘマするからまた何かしでかすとでも思っているのだろうか。
そっと頭に手を移動させ、さっきからいとまなく動かしていたノアディアの手を振り払う。
頭を撫でるな!
「おい、いちいち撫でるのやめろ!」
「いつも丁度いい位置に頭がありますので、つい。」
それは俺の座高と身長が低いとでも言いたいのか!?おい!!
振り払った手をまた俺の頭に置いて撫でてくる。やめろと言ってもやめない様子なので、もう気にせず読書をすることにした。
っていうか、いつまで隣の席を占領して頭を撫で回しているんだよ!隣の席の三つ編みちゃんが困ってるぞ!
ちなみにノアディアの席は俺の左後ろだ。
ヒロインと悪役令嬢は「おおおおぉぉぉ、親密な関係になってる!」「あら、もう結婚されましたの?」等と騒ぐでない!他のクラスメイトが誤解するぞ!
応援ありがとうございます!
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