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コナンくん
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ある国の辺境の地、小国からなる王国で起こった内戦。その最中、突如として現れた異世界からの来訪者。彼は「英雄」と呼ばれ各国に知られることとなるが......その裏には彼を知る者たちの間では語られていない物語があった―――
英雄たちの歴史 - 第1話「王と女神たち」 - ンはとある田舎村に住む少年だ。
「はぁ~~......」
いつものように朝の日課である水汲みを終えた少年が村の広場に行くとそこには少年の父親と母親、そしてもうひとり見知らぬ男性がいた。少年は両親に向かって言う
「父さん!母さん!」
しかしそこにいる3人の間にはいつものような会話はなかった。父親が口を開く。
「あぁ......おはよう......今日も一日頑張れよ......」「......?うん。わかったけど、今日はなんかいつもより元気ないね?」 いつもであればここで少年は少し疑問を抱くがすぐに忘れるところであった。何故ならこの2人の仲が悪いことに気がついたのはつい最近のことでありそれを聞くのはこれが初めてだったからだ。さらに父親が続けて言う。
「今日......というかここ最近だがな、この国の女王様とお姫様が街に出かけられてるんだって知ってるか......?」
その言葉に少年は首を縦に振る。この村でも知らない人はいないだろう。それくらい最近噂になっていたことだ。なんでも王様と姫様が街の方で珍しいものが手に入ったとかなんとか言っていたのを聞いたことがあるのだ。それがどんなものかまでは聞いてはいないが。 そんな話をした後、父親は大きく息を吸い込む。
「いいか!この街にいる限り俺たちはただの人だ!どんなに力を持っていたとしてもそれだけは変わらないんだ!そのことを絶対に忘れるんじゃないぞ......!」
そう叫ぶ父の姿はとてもいつもの温厚そうな様子とは違っており、息子であるはずの少年までもが少し気圧されたほどだ。それでもやはり息子の手前、無理やり笑顔を作った後、いつも通りに戻っていく
「さぁ~てっとっ!!」 そう言うと父はパンッと両頬を叩き気合を入れなおす。それを見た母もそれにならい両手を叩いた。「さ!ご飯食べましょ!!今日の朝御飯は目玉焼きよっ♪」「おおっ!それは楽しみだね~♪」 先ほどまでとは打って変わって笑顔を浮かべる親子をよそに少年はただ一人不安そうにするだけだった
(俺はいったいどこへ向っているのだろうか......) ふとそんなこと考えるものの答えは出ないままだ。それもそうだ、まだ何も分かっていないのだから答えが出るはずがない。だがもしここが地獄や煉獄の類だというのであれば自分がこうして生きている理由が説明がつかない。『(まぁ考えても仕方ないし今は目先のことを何とかしないと)』そんなことを思いながら少年は朝食をとるために家へと向かった。
「おーい!エリーゼーー!!」家の戸の前に着くなり大声で幼馴染を呼ぶ男の姿が目に入った。彼の名前はハロルド。ここら一帯では有名な行商人でよく他の街の商品を仕入れに行っているものだ。そんな彼は今まさに目の前にいるエリーゼという少女のためにわざわざここまで来たのである。その手に大量の荷物を携えて。「どうしたのハロルドさん......?そんなにたくさんの荷物抱えて一体どうしたの......?」彼女は今しがた届いたばかりの食材が入った大袋を抱えているので両手で持っているものしか持っていないため片手だけを使って持っていたものを床におろしてから言った。彼女の家はそこそこ大きい農家なので一度に届く量は多いのだが彼女一人では到底持てるものではなく数人の大人たちが運搬作業を手伝っているのが普通なのだ。しかし今回は彼以外には誰も来ていないようだった。
彼は彼女が置いたものと同じものを手に取りながら答えた。「いやなに簡単な仕事だからついうっかり多く持ってきてしまったんだよ。それでだな。これを運んでくれるのはもちろんいいんだが......お前さんが手伝ってくれないか?」そう言いながら男は彼女に向かってにっこりと微笑んだ。
the clone world4 - 4話:「この世界のこと」 - ん?あぁ俺がどんな世界に来たのかだって・・・?そんなの簡単だろ、俺が知るわけないじゃないか・・・はぁーあ』 - ンとンンッ!!!-the doctor
of
harodings- ~ 第五話 『この素晴らしい世界に祝福を』 - ハーメルンは目を覚ますと見知らぬ天井を見つめていた。一瞬、何故自分はこんな場所で寝ているのだろうと考えたがすぐに昨日のことを思い出した。「そっかぁ俺昨日転生したんだっけ・・・」そう呟くと同時に起き上がろうとすると体中に痛みが走った。「あれれ、こんなに痛かったっけ......」あまりの痛みに耐えきれず再びベットの中に逆戻りしてしまう。その時突然部屋の扉が開いた
??「あら、目が覚めたのね♪良かったわ~心配だったからお医者さんにも見てもらったけど特に問題はないみたいだから安心していいわよ♪」入ってきたのは赤髪の女性だった。彼女の後ろには同じ髪色の女性も立っていた。どうやらここは病院でもなければ病院でもないらしい。そして目の前に医者がいるわけでないことを踏まえるとここは
英雄たちの歴史 - 第1話「王と女神たち」 - ンはとある田舎村に住む少年だ。
「はぁ~~......」
いつものように朝の日課である水汲みを終えた少年が村の広場に行くとそこには少年の父親と母親、そしてもうひとり見知らぬ男性がいた。少年は両親に向かって言う
「父さん!母さん!」
しかしそこにいる3人の間にはいつものような会話はなかった。父親が口を開く。
「あぁ......おはよう......今日も一日頑張れよ......」「......?うん。わかったけど、今日はなんかいつもより元気ないね?」 いつもであればここで少年は少し疑問を抱くがすぐに忘れるところであった。何故ならこの2人の仲が悪いことに気がついたのはつい最近のことでありそれを聞くのはこれが初めてだったからだ。さらに父親が続けて言う。
「今日......というかここ最近だがな、この国の女王様とお姫様が街に出かけられてるんだって知ってるか......?」
その言葉に少年は首を縦に振る。この村でも知らない人はいないだろう。それくらい最近噂になっていたことだ。なんでも王様と姫様が街の方で珍しいものが手に入ったとかなんとか言っていたのを聞いたことがあるのだ。それがどんなものかまでは聞いてはいないが。 そんな話をした後、父親は大きく息を吸い込む。
「いいか!この街にいる限り俺たちはただの人だ!どんなに力を持っていたとしてもそれだけは変わらないんだ!そのことを絶対に忘れるんじゃないぞ......!」
そう叫ぶ父の姿はとてもいつもの温厚そうな様子とは違っており、息子であるはずの少年までもが少し気圧されたほどだ。それでもやはり息子の手前、無理やり笑顔を作った後、いつも通りに戻っていく
「さぁ~てっとっ!!」 そう言うと父はパンッと両頬を叩き気合を入れなおす。それを見た母もそれにならい両手を叩いた。「さ!ご飯食べましょ!!今日の朝御飯は目玉焼きよっ♪」「おおっ!それは楽しみだね~♪」 先ほどまでとは打って変わって笑顔を浮かべる親子をよそに少年はただ一人不安そうにするだけだった
(俺はいったいどこへ向っているのだろうか......) ふとそんなこと考えるものの答えは出ないままだ。それもそうだ、まだ何も分かっていないのだから答えが出るはずがない。だがもしここが地獄や煉獄の類だというのであれば自分がこうして生きている理由が説明がつかない。『(まぁ考えても仕方ないし今は目先のことを何とかしないと)』そんなことを思いながら少年は朝食をとるために家へと向かった。
「おーい!エリーゼーー!!」家の戸の前に着くなり大声で幼馴染を呼ぶ男の姿が目に入った。彼の名前はハロルド。ここら一帯では有名な行商人でよく他の街の商品を仕入れに行っているものだ。そんな彼は今まさに目の前にいるエリーゼという少女のためにわざわざここまで来たのである。その手に大量の荷物を携えて。「どうしたのハロルドさん......?そんなにたくさんの荷物抱えて一体どうしたの......?」彼女は今しがた届いたばかりの食材が入った大袋を抱えているので両手で持っているものしか持っていないため片手だけを使って持っていたものを床におろしてから言った。彼女の家はそこそこ大きい農家なので一度に届く量は多いのだが彼女一人では到底持てるものではなく数人の大人たちが運搬作業を手伝っているのが普通なのだ。しかし今回は彼以外には誰も来ていないようだった。
彼は彼女が置いたものと同じものを手に取りながら答えた。「いやなに簡単な仕事だからついうっかり多く持ってきてしまったんだよ。それでだな。これを運んでくれるのはもちろんいいんだが......お前さんが手伝ってくれないか?」そう言いながら男は彼女に向かってにっこりと微笑んだ。
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??「あら、目が覚めたのね♪良かったわ~心配だったからお医者さんにも見てもらったけど特に問題はないみたいだから安心していいわよ♪」入ってきたのは赤髪の女性だった。彼女の後ろには同じ髪色の女性も立っていた。どうやらここは病院でもなければ病院でもないらしい。そして目の前に医者がいるわけでないことを踏まえるとここは
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