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蓋も低も初瀬は弾く
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第1話「海で、第2の始まり」 - 3/3 - ンは
『第2の人生』を謳歌してはいなかった。第3話『ある女性との出会い~第2幕は...』
*1*
(あぁ......そうか)
彼女はもう自分の命運が決してしまっていることを悟った。(これはきっと悪い夢だ...) だが、今ここで死んでしまうわけにはいかないのだ。自分には成すべき事があるのだから... そう思う事で現実逃避しつつ、最期に何を言うかを考える事にした。 そして考えた末に出た言葉は――「...ありがとう」だった。 それが最後の言葉になる。
水精リウラが見たものは、今まで彼女が見たこともない程に穏やかな表情で事切れた親友の姿であった
魔王と女勇者の共闘戦線 - 1/4_回想終了 - ンは、昔の記憶を思い返していた
***
それはまだ私が小さかった頃の記憶だ
当時、私は生まれたばかりの弟を守るべく常に周囲を警戒していた その甲斐あって、私達はいつも一緒だったのだ あれは姉である私の後ろを歩くシズクに向かって弟がこんな事を聞いた時の話だったか "どうしてお姉ちゃんは僕を守ってくれるの?" その問いに当時の私と同じ12歳になったばかりの少年はこう答えたそうだ ――だって家族じゃない" 当時の私にはよくわからなかった だが、今なら分かる 確かに私は家族とは血が繋がっていない孤児院育ちなのだ だからシズクは、血の繋がった家族が欲しかったのだ なのに私が守らなきゃって思ったのは、そんな可哀想な理由(わけ)ではなかった 私はただ怖かったのだ
自分が人よりも秀でていたから家族を失ったのではなく、自分だけが幸せだったから大事なものを守れなかったのだと知ってしまう事がどうしようもなく恐ろしかったのだ
それからだろう 同年代の子供達より遥かに強かった私は、周囲に怯えられるようになった
やがて成長するにつれて、姉としての威厳を見せなければならなくなった私に待っていたのは、称賛でも感謝でもなく、畏怖や恐怖の目で見る周囲の態度だけとなった それに気づいていながら変えられなかった当時の自分は愚かとしか言いようがない。"せめて妹だけは守ってみせる"なんて大それた理想を語る資格はなかったというのに
それでも幼い日の思い出は私の心を癒してくれた しかしそれも長く続くことはなかったのだ とあるきっかけで私が人間族の英雄と呼ばれる存在だと知ったからだ
当時の私にとって世界とは魔神の手の中にあるものでしかなかった また違う世界の知識を持つ私も、同じ人間の形をした別の生き物であると理解してしまったのだ 結局私はまた失うのが怖いだけだったのである 『――貴方はそこで終わりですか?』 (......いいえ! 終われるわけない!) 『そうでしょうね。ではどうすればいいか分かりますね』 (ええ......今度こそ守るって誓ったもの。もう二度と何も失わない為に!!) 『結構。貴方には期待していますよ、リオン』(やってやるわよ! 絶対にあんたの力を使ってなんかやらないんだから!!)
<お試し版>艦これ×アサルトリリィ - 第2話『それはきっと...』 - ンは考える。 あの少年が何者なのかは分からないが、少なくとも自分の味方である事は間違いないだろうと
マギウスエアリアルの一人として戦場に立ち、その力を振るう姿は歴戦の戦士のようでもある だが同時に少年の力はあまりにも強大過ぎた 故に彼は孤独だった 強すぎる力は何時しか仲間にも恐れられるようになってしまった。 そしてそれは少年自身すらも例外ではなく、いつしか彼は笑うことが少なくなっていった 『貴方の本心を教えてくださいまし』『どうしてそんなに泣くんだ?』 少年は泣いてばかりの少女に気をかけるが、少女は心を開いてくれない それが彼の心に一層深い影を落とす事となるが、二人はまだ知る由もなかった 『貴方はわたくしとは違う誰かになれるはずなのですわ!』 (なれるはずがないんだよ......) 彼は否定の言葉を繰り返す 本当は彼にだって分かっている 自分が所詮■■■■■(主人公の名前と顔を忘却した挙句、物語に支障が出ないように改名)であるという事くらい。(僕はもう■■■■■■じゃない......) だから少女の願いを聞くわけにはいかなかった たとえ彼女の力がどんなに強くても、彼女が誰であったとしても、彼が彼女と同じ場所に立てることは決してないのだから 彼は逃げ続けた ただ怖いだけなのだ。自分を認めるということが 認めるということは今までの生き方を否定するということだ。彼にとってこれまでの人生は全て偽物だったのだから
【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年...... - 第3章 1年生組登場編(前編) - ん?ここはどこかだと?気にするな!(某将軍風) - ンとある神社での出来事
「えりかー!」
誰かが私の名前を呼んでいる
『第2の人生』を謳歌してはいなかった。第3話『ある女性との出会い~第2幕は...』
*1*
(あぁ......そうか)
彼女はもう自分の命運が決してしまっていることを悟った。(これはきっと悪い夢だ...) だが、今ここで死んでしまうわけにはいかないのだ。自分には成すべき事があるのだから... そう思う事で現実逃避しつつ、最期に何を言うかを考える事にした。 そして考えた末に出た言葉は――「...ありがとう」だった。 それが最後の言葉になる。
水精リウラが見たものは、今まで彼女が見たこともない程に穏やかな表情で事切れた親友の姿であった
魔王と女勇者の共闘戦線 - 1/4_回想終了 - ンは、昔の記憶を思い返していた
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それはまだ私が小さかった頃の記憶だ
当時、私は生まれたばかりの弟を守るべく常に周囲を警戒していた その甲斐あって、私達はいつも一緒だったのだ あれは姉である私の後ろを歩くシズクに向かって弟がこんな事を聞いた時の話だったか "どうしてお姉ちゃんは僕を守ってくれるの?" その問いに当時の私と同じ12歳になったばかりの少年はこう答えたそうだ ――だって家族じゃない" 当時の私にはよくわからなかった だが、今なら分かる 確かに私は家族とは血が繋がっていない孤児院育ちなのだ だからシズクは、血の繋がった家族が欲しかったのだ なのに私が守らなきゃって思ったのは、そんな可哀想な理由(わけ)ではなかった 私はただ怖かったのだ
自分が人よりも秀でていたから家族を失ったのではなく、自分だけが幸せだったから大事なものを守れなかったのだと知ってしまう事がどうしようもなく恐ろしかったのだ
それからだろう 同年代の子供達より遥かに強かった私は、周囲に怯えられるようになった
やがて成長するにつれて、姉としての威厳を見せなければならなくなった私に待っていたのは、称賛でも感謝でもなく、畏怖や恐怖の目で見る周囲の態度だけとなった それに気づいていながら変えられなかった当時の自分は愚かとしか言いようがない。"せめて妹だけは守ってみせる"なんて大それた理想を語る資格はなかったというのに
それでも幼い日の思い出は私の心を癒してくれた しかしそれも長く続くことはなかったのだ とあるきっかけで私が人間族の英雄と呼ばれる存在だと知ったからだ
当時の私にとって世界とは魔神の手の中にあるものでしかなかった また違う世界の知識を持つ私も、同じ人間の形をした別の生き物であると理解してしまったのだ 結局私はまた失うのが怖いだけだったのである 『――貴方はそこで終わりですか?』 (......いいえ! 終われるわけない!) 『そうでしょうね。ではどうすればいいか分かりますね』 (ええ......今度こそ守るって誓ったもの。もう二度と何も失わない為に!!) 『結構。貴方には期待していますよ、リオン』(やってやるわよ! 絶対にあんたの力を使ってなんかやらないんだから!!)
<お試し版>艦これ×アサルトリリィ - 第2話『それはきっと...』 - ンは考える。 あの少年が何者なのかは分からないが、少なくとも自分の味方である事は間違いないだろうと
マギウスエアリアルの一人として戦場に立ち、その力を振るう姿は歴戦の戦士のようでもある だが同時に少年の力はあまりにも強大過ぎた 故に彼は孤独だった 強すぎる力は何時しか仲間にも恐れられるようになってしまった。 そしてそれは少年自身すらも例外ではなく、いつしか彼は笑うことが少なくなっていった 『貴方の本心を教えてくださいまし』『どうしてそんなに泣くんだ?』 少年は泣いてばかりの少女に気をかけるが、少女は心を開いてくれない それが彼の心に一層深い影を落とす事となるが、二人はまだ知る由もなかった 『貴方はわたくしとは違う誰かになれるはずなのですわ!』 (なれるはずがないんだよ......) 彼は否定の言葉を繰り返す 本当は彼にだって分かっている 自分が所詮■■■■■(主人公の名前と顔を忘却した挙句、物語に支障が出ないように改名)であるという事くらい。(僕はもう■■■■■■じゃない......) だから少女の願いを聞くわけにはいかなかった たとえ彼女の力がどんなに強くても、彼女が誰であったとしても、彼が彼女と同じ場所に立てることは決してないのだから 彼は逃げ続けた ただ怖いだけなのだ。自分を認めるということが 認めるということは今までの生き方を否定するということだ。彼にとってこれまでの人生は全て偽物だったのだから
【本編完結】ラブライブアフター~あれから5年...... - 第3章 1年生組登場編(前編) - ん?ここはどこかだと?気にするな!(某将軍風) - ンとある神社での出来事
「えりかー!」
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