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夢の鴉
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ある日、一人の少女が世界に生を受けた。
少女には前世の記憶があったのだ!そして今世が「ポケットモンスター」の世界だと知った彼女は、前世で好きだったポケモンシリーズの世界に転生した事に気付く!! - 第1話『トレーナーズスクール卒業試験(中編)』 - ん?何か見覚えあるぞこの状況 - s... - ジア地方
あらすじ: 突然現れた謎の組織に襲われて絶体絶命のピンチだった主人公・ユウキの前に突如として現れたのは、見たこともない生き物......いや、鳥のような形をした怪物でした。その化け物によって、街を破壊していく中、その光景を見ていることしか出来ない主人公に、助けの手が差し伸べられる。それは、主人公を助けようと駆けつけてきた二人の男女からのものだった。
―――この物語の真実を知るものは誰もいない。
slayer's what a hero- - 『一目見た時に』-2 - ンはそう心の中で呟くと同時に視線を再び目の前の光景へと向けた。視線の先では、暴れていたはずの化物が見るも無残な姿となって横たわっていた。
「あ~......」
思わず声を漏らしながら目を覆いたくなるような惨状に顔をしかめると、改めて自分が手にしたモノへと視線を落とした。そこにあったのは剣だった。それもただの鉄の塊ではない、宝石のように光沢を放つ蒼い刀身を持つ美しい剣だ。その柄の部分にある赤い宝玉を中心に青白く光る模様のようなものがある以外、見た目は本当にただの錆びついた金属の棒きれにしか見えない。だが、間違いなく自分の武器であるという認識がユウキの中に強く根付いていた。「......これが、あの化物を倒すために必要ってことか?」 半ば呆然としながら独り言ちながらも、しっかりと鞘に収められた剣を握りしめ立ち上がる。すると、近くで何かが動く気配がし慌ててそちらへ顔を向けると、そこには信じられないものを見るような目でこちらを見つめてくる二つの瞳があった。一つは、自分と同年齢くらいの銀髪の少年。そしてもう一つがそれよりも年上であろう女性だった。二人とも自分と同じ制服を着ていることから同じ学生なのだろうが、二人揃ってこんな危険な場所にいていいはずがないのだ。「......あなたたちは逃げなさい!」
そんな二人に向けて叫んだ直後──―ズガァンッ!!「うわぁっ!?」 突然目の前で爆音とともに大きな衝撃波が襲ってきたかと思うと、視界に映る景色が大きくぶれてそのまま地面に倒れてしまった。どうやら先ほどの揺れで近くの瓦礫が崩れてきてしまったらしい。なんとか頭を抱えながら体を起こし、顔を上げて辺りを見渡した。見える限りでは自分たち以外の人影はなく、ただ先ほどまで自分たちが立っていた場所の近くに巨大なクレーターが出来ているだけであった。(......これじゃもう逃げられないな) この災害を起こした張本人の姿はどこにも見当たらず、逃げるにしてもこの様子だとかなり遠くまで移動しなければいけなさそうだと考えため息をついたその時──―ズドンッ!「うわっ......!」 再び激しい揺れが起こり、バランスを崩しそうになったところを慌てて両足で踏ん張ることで何とか耐え抜いた。しかしそのせいで、今いる場所がまたしても崩れ落ちてくるかもしれないと思い急いで立ち上がろうとしたのだが......なぜか体の感覚がおかしいことに気付いて思わず眉をひそめてしまう。先ほどからずっと体のあちこちが痛くて力が入らず立てそうもない。まさかあの巨体がすぐそこまで迫っているのか?と思ったその時――
『うおぉぉぉぉお!!』 天に向かって咆哮した巨人のような怪物が、建物ごと俺たちのことを掴んで勢いよく投げ飛ばした。
真伝・湊友希那は勇者である - 第2話 始まりの記憶/決意 - ルア王国王都“シレーヌス”
王城にて。『グギャァァァァ!』 その日の夜、シレーヌスの城内で一人の少年が必死に走っていた。その後ろには既に何人かの兵士たちがおり、全員必死の形相を浮かべて何かから逃げているかのようだ。少年は息を切らしながらひたすら走る。
『ギシャァォォォオ!!』
少年の後を追ってくるのは一体の人に近い姿をした黒い影だ。四足歩行をしていることから狼のようだが大きさが明らかに違うためただの獣ではないだろう。それも二匹同時に少年たちの背後から現れ追いかけてきていたのだ。「......っ!?」
それに気付いた瞬間恐怖に駆られて足が止まってしまいそうになるが、彼は気力を振り絞って走り続けた。そして前方から数人の悲鳴が聞こえてくると同時に角を曲がると大きな広間に出たようでその奥には何人ものメイド達が倒れているのが見えた。おそらく逃げてきた時に運悪くそこに巻き込まれてしまったのだろう。それを見た途端彼は一瞬止まるもすぐに足を動かし大広間から飛び出して行く。後ろから狼たちが何体もの悲鳴が聞こえてきたが彼は振り向きもせずに一目散に走った。
それから暫く廊下を走っていると突然彼の目の前に扉が出現する。少年は不思議に思いながらゆっくりと近づき扉を開けてみるとそこには地下
少女には前世の記憶があったのだ!そして今世が「ポケットモンスター」の世界だと知った彼女は、前世で好きだったポケモンシリーズの世界に転生した事に気付く!! - 第1話『トレーナーズスクール卒業試験(中編)』 - ん?何か見覚えあるぞこの状況 - s... - ジア地方
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―――この物語の真実を知るものは誰もいない。
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「あ~......」
思わず声を漏らしながら目を覆いたくなるような惨状に顔をしかめると、改めて自分が手にしたモノへと視線を落とした。そこにあったのは剣だった。それもただの鉄の塊ではない、宝石のように光沢を放つ蒼い刀身を持つ美しい剣だ。その柄の部分にある赤い宝玉を中心に青白く光る模様のようなものがある以外、見た目は本当にただの錆びついた金属の棒きれにしか見えない。だが、間違いなく自分の武器であるという認識がユウキの中に強く根付いていた。「......これが、あの化物を倒すために必要ってことか?」 半ば呆然としながら独り言ちながらも、しっかりと鞘に収められた剣を握りしめ立ち上がる。すると、近くで何かが動く気配がし慌ててそちらへ顔を向けると、そこには信じられないものを見るような目でこちらを見つめてくる二つの瞳があった。一つは、自分と同年齢くらいの銀髪の少年。そしてもう一つがそれよりも年上であろう女性だった。二人とも自分と同じ制服を着ていることから同じ学生なのだろうが、二人揃ってこんな危険な場所にいていいはずがないのだ。「......あなたたちは逃げなさい!」
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『うおぉぉぉぉお!!』 天に向かって咆哮した巨人のような怪物が、建物ごと俺たちのことを掴んで勢いよく投げ飛ばした。
真伝・湊友希那は勇者である - 第2話 始まりの記憶/決意 - ルア王国王都“シレーヌス”
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