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夢の愚痴
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「あの日」から5年が過ぎた、ある日のこと。
「やぁ!久しぶりだね!奏(かなで)!」「ええと......?」
その青年は突然現れた。 白い髪に赤眼......白兎を思わせる容姿をした男だった。「......あれ?もしかして覚えてない?」「あの......」「嘘だろぉ!!
この『ラブコメディ系全敗主人公』と言われた僕のことを覚えていないというのか!?」「え?」 知っているような知らない様な......? 何だろう......聞き覚えはある。 どこだったか......? うーん?
ンは作家へ - 3話 - ンは編集者である - ンは編集者である - ンは編集者なのである - ンは漫画家である。
名前は白峰理央(しろみねりお)。
年齢は今年で19歳だ。 20歳の時に連載デビューしたものの全く売れなかったらしい。現在はフリーで活躍中であり人気作家の一人である。 漫画家としてだけでなく、彼はラノベ作家としても活動しており――
「おーい、そろそろ起きろー」「ん~、あと五分~」「おいコラふざけんな起きろよこの野郎!」「ぐふぇっ!?痛い痛い痛い痛いギブです!!」
――現在絶賛遅刻中であった。
「だから起こしたくなかったんだよ。ったく......ほら、行くぞ」「待って待って今行く」 そう言ってベッドから飛び起きる。
ラブコメしか勝たん - 4話 - ンは編集である - ツンデレではない(前編) - ンはラブコメ漫画家である。名前はまだ無い。20歳の誕生日までに原稿落とさずに50万部を超えることが出来れば大金星だと言われているほどである。しかし、現実とは残酷なものだ......30万越えた時点でボツになったこともある......そして今日も今日とて締め切りギリギリまで執筆して来たのである。その結果がコレなのだ......
「あー、クソ疲れた......まだ昼前かよ......」「お前、寝ないだけで1日徹夜とかするんじゃねぇよ」「眠いものは眠いんだもん」
そんな無駄話をしながら二人は会社へ向かう。 二人が向かっているのは出版社・ケ編集部。二人の担当を務めるデスクワーク中心タイプのアシスタントもいるが、基本的に出勤してくることは稀なので実質二人だけだ。「ねぇ、今日締め切り近いの無かったっけ?」「そうだな......昨日のチェックじゃ何も書いてなかったはずだけどなぁ」「じゃあ、何で呼び出してきたんだろ?
何かやらかした?」「バカ言え!
お前がやらかすわけないだろうが!」 そうこうしている内に事務所に着いたようだ。 ノックをし扉を開けると――「......やぁ」「............なんでいるんですか??」
****
「あ”-づかれだぁぁぁぁぁぁ!」 帰宅後すぐにベッドに倒れこむ。もう無理ぃぃぃ......今日は寝るぅぅぅぅ。とりあえず、俺は白峰理央(しろみね
りおう)という男だ。 今はラブコメ専門の雑誌『恋姫』を担当させてもらってるんだけども......いかんせん俺の文章力は無いに等しいしストーリー構成力は皆無だし主人公の性格はクズ過ぎるし、ヒロインの魅力を引き出す描写力が低すぎて魅力どころか読者の興味すら湧いてないだろう。こんなんじゃダメだと自分でも分かってるんだけどなぁ......どうすっかなぁ......「うーん......やっぱアレしかないのかなぁ......?」**** 2時間ほど経ってようやく作業が終わった頃だった。 ピリリリリッとスマホの通知音が鳴った。 見ると、差出人は編集者さんからのようだ。【明日の12時に本社に来て下さい】 その一言だけだった。一体なんなんだろ? まぁ、行ってみればわかるだろう。そう思って家を出たところで電話が来た。相手はさっき連絡をくれた編集さんからだ。【お疲れ様です。急にごめんなさい。実は明日、私の誕生日なんです】「え!?
初耳ですよ!?」 【そこでですね。プレゼントとして新作を発売することになったんですよ!! しかも表紙は私のお気に入りのイラストレーターさんにお願いすることになってまして......そこでですね、是非理央さんには主人公やってほしいなって思いまして......】「ちょっと待ってください?!
まさか俺、明日から旅に出ないといけないとかそういう話ですか?!」【いえいえ! 別にずっとじゃなくてもいいですから! というか、旅先までサポートするので1日だけお願いしたいんです!》 えぇー......でも確かに魅力的なお話ではあるんだよなぁ。それに、ここで断れば今後一生この依頼を受け
「やぁ!久しぶりだね!奏(かなで)!」「ええと......?」
その青年は突然現れた。 白い髪に赤眼......白兎を思わせる容姿をした男だった。「......あれ?もしかして覚えてない?」「あの......」「嘘だろぉ!!
この『ラブコメディ系全敗主人公』と言われた僕のことを覚えていないというのか!?」「え?」 知っているような知らない様な......? 何だろう......聞き覚えはある。 どこだったか......? うーん?
ンは作家へ - 3話 - ンは編集者である - ンは編集者である - ンは編集者なのである - ンは漫画家である。
名前は白峰理央(しろみねりお)。
年齢は今年で19歳だ。 20歳の時に連載デビューしたものの全く売れなかったらしい。現在はフリーで活躍中であり人気作家の一人である。 漫画家としてだけでなく、彼はラノベ作家としても活動しており――
「おーい、そろそろ起きろー」「ん~、あと五分~」「おいコラふざけんな起きろよこの野郎!」「ぐふぇっ!?痛い痛い痛い痛いギブです!!」
――現在絶賛遅刻中であった。
「だから起こしたくなかったんだよ。ったく......ほら、行くぞ」「待って待って今行く」 そう言ってベッドから飛び起きる。
ラブコメしか勝たん - 4話 - ンは編集である - ツンデレではない(前編) - ンはラブコメ漫画家である。名前はまだ無い。20歳の誕生日までに原稿落とさずに50万部を超えることが出来れば大金星だと言われているほどである。しかし、現実とは残酷なものだ......30万越えた時点でボツになったこともある......そして今日も今日とて締め切りギリギリまで執筆して来たのである。その結果がコレなのだ......
「あー、クソ疲れた......まだ昼前かよ......」「お前、寝ないだけで1日徹夜とかするんじゃねぇよ」「眠いものは眠いんだもん」
そんな無駄話をしながら二人は会社へ向かう。 二人が向かっているのは出版社・ケ編集部。二人の担当を務めるデスクワーク中心タイプのアシスタントもいるが、基本的に出勤してくることは稀なので実質二人だけだ。「ねぇ、今日締め切り近いの無かったっけ?」「そうだな......昨日のチェックじゃ何も書いてなかったはずだけどなぁ」「じゃあ、何で呼び出してきたんだろ?
何かやらかした?」「バカ言え!
お前がやらかすわけないだろうが!」 そうこうしている内に事務所に着いたようだ。 ノックをし扉を開けると――「......やぁ」「............なんでいるんですか??」
****
「あ”-づかれだぁぁぁぁぁぁ!」 帰宅後すぐにベッドに倒れこむ。もう無理ぃぃぃ......今日は寝るぅぅぅぅ。とりあえず、俺は白峰理央(しろみね
りおう)という男だ。 今はラブコメ専門の雑誌『恋姫』を担当させてもらってるんだけども......いかんせん俺の文章力は無いに等しいしストーリー構成力は皆無だし主人公の性格はクズ過ぎるし、ヒロインの魅力を引き出す描写力が低すぎて魅力どころか読者の興味すら湧いてないだろう。こんなんじゃダメだと自分でも分かってるんだけどなぁ......どうすっかなぁ......「うーん......やっぱアレしかないのかなぁ......?」**** 2時間ほど経ってようやく作業が終わった頃だった。 ピリリリリッとスマホの通知音が鳴った。 見ると、差出人は編集者さんからのようだ。【明日の12時に本社に来て下さい】 その一言だけだった。一体なんなんだろ? まぁ、行ってみればわかるだろう。そう思って家を出たところで電話が来た。相手はさっき連絡をくれた編集さんからだ。【お疲れ様です。急にごめんなさい。実は明日、私の誕生日なんです】「え!?
初耳ですよ!?」 【そこでですね。プレゼントとして新作を発売することになったんですよ!! しかも表紙は私のお気に入りのイラストレーターさんにお願いすることになってまして......そこでですね、是非理央さんには主人公やってほしいなって思いまして......】「ちょっと待ってください?!
まさか俺、明日から旅に出ないといけないとかそういう話ですか?!」【いえいえ! 別にずっとじゃなくてもいいですから! というか、旅先までサポートするので1日だけお願いしたいんです!》 えぇー......でも確かに魅力的なお話ではあるんだよなぁ。それに、ここで断れば今後一生この依頼を受け
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