100 / 237
第3章~魔物の口~
35話「あらたな手がかり4」
しおりを挟む
その後の話も何度か甘い展開はあったものの、そのせいで二人はこのお話がバッドエンドに向かうことなどすっかり忘れていたらしい。
最終的に二人はくっついたが、アンデット事件以降行方がわからなくなってしまったそうだ。そのことを聞いた瞬間の二人のなんとも言えない表情は思わず笑いそうになった。
ただそれを察知されて何かしらの仕返しをされるのはたまったものではない。口を裂くほど伸ばして一本の線のように口を噤んだ。
「・・・ご遺体って」
「見つかってないよ。ただ致死量ともいえる血だまりがあったからね」
「・・・えと、ごめんなさい」
「ははは、もう15年も前の事だからね。気にしなくていいよ」
男は本当に何ともない顔で笑い飛ばした。状況から導き出された答えは、アンデットに襲われその遺体は捕食されたかアンデット化してどこかで処理されたかだろう。
悲惨な事件だが、傭兵を営んでいればもっと残酷な死を遂げる者は数多くいる。
男の中の悲しみは時間の流れもあるだろう。だが諦めとは違う、受け入れた部分も大きいはずだ。
「二人は冒険者かな?」
「あ、はい。そうです」
問いかけというよりは確定した質問にシオンは肯定する。
「命をかける仕事だ。まぁ、頑張ってね」
シンプルな言い方は、余計なことを言うのは野暮と男が考えてるような気がした。
それは男自身の経験からいえるのか、それとも信条に近い己の考え方によるものか。
「・・・はい」
サエラの返事はランタンの光の届かない暗闇に消えていく。
一日は案外早くくるものだ。アンデットによる前代未聞の事件に巻き込まれたのに時間は当たり前のように過ぎていく。
ほぼ貸切ともいっていい宿屋で朝日を浴びた我は欠伸をしながら目を覚ました。
円状に丸めていた身体の捻りを戻し、前足を前方に滑らせて背中を伸ばす。口を開けると新鮮な空気が粘りっけの残る口内を冷やした。
舌を器用に動かして粘性の強い唾液を飲み込み、それでも喉に残る不快な感覚を洗い流そうと水を求める。
井戸水の入った容器の置いてある机の上まで移動し、人の手よりだいぶ大きい手で容器を傾けコップの中に注ぐ。
それを飲み込むことでようやく口の中がさっぱりした。同時に水の冷たさで意識もはっきりする。
「ふむぅ」
鱗を壁に擦り付けて身だしなみを整えながら、ベットの方へ目を向けた。そこには間抜けな顔で幸せようにスヤスヤ眠るシオンがいる。
サエラは早朝のうちに走りにでも行ったのか姿はない。年寄りみたいに早起きであるからなあやつ。
我はベットから垂れる毛布をロープがわりによじ登り、まだ暖かく足場の安定しない布団の上を四足歩行で進む。
熟睡しているシオンの顔の近くまで移動するとその寝顔を見つめた。
吸血鬼に呪われたことなど微塵も感じさせない表情だ。無防備にボサボサの髪の毛を軽く整えてやるとだらしない「うぇへへ」という奇妙な声が発生する。
この姿は身内以外に見せられぬな。と腕を組んで唸った。
あどけない顔付きは起きてる最中には見えないもので、これが起きてシャキッとするのだから不思議なものである。
シオンはなんの夢を見ているのか、もぞもぞと体を動かすと服がずれて片方の肩が半分剥き出しになった。布団で体温が包まれてるせいか程よい桃色の肌が熱を持って浮かび上がる。
まったく、サエラが世話を焼くのも無理はない。我しかいないとはいえ女子の見せる格好ではないと思い、服を戻してやろうと手を伸ばした。
と。
「む?」
そんな時であった。鼻先をかすめるように、僅かに花の香りが我の嗅覚を刺激した。
発生源は目の前でスヤスヤ眠るシオンからで、しかし彼女の身に花など一輪でも咲いてるわけでもない。
我は竜ですらギリギリ感じ取れる曖昧な臭いを嗅ぐ。それはなんとなくだが、シオンの首元から感じ取れた。
「・・・」
我は剥き出しの肩ではなく、それに連なって見やすくなってる首元に注目する。寝汗とエルフの女性特有の甘い香りの混ざった濃厚な匂いの中に、やはり先ほど感じ取れた花の匂いがした。
さらに細かく覗き込むと、それは吸血鬼に付けられた吸血跡・・・2点の咬み傷から発しているのがわかった。
「ぬぅ」
なぜ傷から花の香りが?呪いの進行を遅らせるためにメアリーが果実や薬草を用いて儀式を行ったが、それとはまた別途によるものである。
念のためシオンの魔力をチェックするも、吸血鬼の魔力以外に不純物は感じられず目立った異常性もない。
それにすでに傷に残っていた花の匂いは残滓を感じさせることなく消え失せており、おそらく我が嗅いだのが最後だったのだろう。勘違いだったと言われるほど花の気配など感じられない。
「むむむ」
しかし、間違いなく今のはバンパイアロードに繋がるヒントの一つのように思えた。
だが痕跡は残っているようで残っていない。寝起きのせいで花の匂いも曖昧だ。植物園に行って花の種類を特定するのは難しいだろう。
ぬぅ。むず痒い気分になり我が唸っていると不意打ちのようにある声が背中を貫いた。
「・・・ウーロさん。何してる?」
「・・・サエラ、おかえりである」
「ただいま。何してる?」
女子の匂いを嗅いでましたーと言えるほど我は図太くない。ゆっくりと振り返ってみるとそこには汗を・・・いや、水洗いした後か。水滴をタオルで拭いながらラフな格好をしたサエラが不審者を見るような目で我を見下ろしていたのである。
我はいやらしい事など何もしてないはずなのに、なぜか衛兵に見つかった罪人のような気分を味わう。
「何もしとらん」
「・・・自分で言って、説得力ないってわかる?」
「・・・うむ」
我はペットではなく中身はオッサンであるからな。対応が人間になるのも仕方がない。
でもホントに悪いことはしとらんのだホントじゃぞ。
サエラはその手の男なら礼でも言われそうな冷たい目で我を見ると、白魚のような細い指を我に向けた。
「もう一度聞く。姉さんのベットに乗る。剥き出しの肌を凝視してる。顔を近づける。何を、していた?」
改めて聞くと我めっちゃ変態的であるな。
「・・・花の匂いがしたのだ」
真顔で言うとサエラが真顔で水を吸って重くなったタオルを顔面に投げつけてきた。
最終的に二人はくっついたが、アンデット事件以降行方がわからなくなってしまったそうだ。そのことを聞いた瞬間の二人のなんとも言えない表情は思わず笑いそうになった。
ただそれを察知されて何かしらの仕返しをされるのはたまったものではない。口を裂くほど伸ばして一本の線のように口を噤んだ。
「・・・ご遺体って」
「見つかってないよ。ただ致死量ともいえる血だまりがあったからね」
「・・・えと、ごめんなさい」
「ははは、もう15年も前の事だからね。気にしなくていいよ」
男は本当に何ともない顔で笑い飛ばした。状況から導き出された答えは、アンデットに襲われその遺体は捕食されたかアンデット化してどこかで処理されたかだろう。
悲惨な事件だが、傭兵を営んでいればもっと残酷な死を遂げる者は数多くいる。
男の中の悲しみは時間の流れもあるだろう。だが諦めとは違う、受け入れた部分も大きいはずだ。
「二人は冒険者かな?」
「あ、はい。そうです」
問いかけというよりは確定した質問にシオンは肯定する。
「命をかける仕事だ。まぁ、頑張ってね」
シンプルな言い方は、余計なことを言うのは野暮と男が考えてるような気がした。
それは男自身の経験からいえるのか、それとも信条に近い己の考え方によるものか。
「・・・はい」
サエラの返事はランタンの光の届かない暗闇に消えていく。
一日は案外早くくるものだ。アンデットによる前代未聞の事件に巻き込まれたのに時間は当たり前のように過ぎていく。
ほぼ貸切ともいっていい宿屋で朝日を浴びた我は欠伸をしながら目を覚ました。
円状に丸めていた身体の捻りを戻し、前足を前方に滑らせて背中を伸ばす。口を開けると新鮮な空気が粘りっけの残る口内を冷やした。
舌を器用に動かして粘性の強い唾液を飲み込み、それでも喉に残る不快な感覚を洗い流そうと水を求める。
井戸水の入った容器の置いてある机の上まで移動し、人の手よりだいぶ大きい手で容器を傾けコップの中に注ぐ。
それを飲み込むことでようやく口の中がさっぱりした。同時に水の冷たさで意識もはっきりする。
「ふむぅ」
鱗を壁に擦り付けて身だしなみを整えながら、ベットの方へ目を向けた。そこには間抜けな顔で幸せようにスヤスヤ眠るシオンがいる。
サエラは早朝のうちに走りにでも行ったのか姿はない。年寄りみたいに早起きであるからなあやつ。
我はベットから垂れる毛布をロープがわりによじ登り、まだ暖かく足場の安定しない布団の上を四足歩行で進む。
熟睡しているシオンの顔の近くまで移動するとその寝顔を見つめた。
吸血鬼に呪われたことなど微塵も感じさせない表情だ。無防備にボサボサの髪の毛を軽く整えてやるとだらしない「うぇへへ」という奇妙な声が発生する。
この姿は身内以外に見せられぬな。と腕を組んで唸った。
あどけない顔付きは起きてる最中には見えないもので、これが起きてシャキッとするのだから不思議なものである。
シオンはなんの夢を見ているのか、もぞもぞと体を動かすと服がずれて片方の肩が半分剥き出しになった。布団で体温が包まれてるせいか程よい桃色の肌が熱を持って浮かび上がる。
まったく、サエラが世話を焼くのも無理はない。我しかいないとはいえ女子の見せる格好ではないと思い、服を戻してやろうと手を伸ばした。
と。
「む?」
そんな時であった。鼻先をかすめるように、僅かに花の香りが我の嗅覚を刺激した。
発生源は目の前でスヤスヤ眠るシオンからで、しかし彼女の身に花など一輪でも咲いてるわけでもない。
我は竜ですらギリギリ感じ取れる曖昧な臭いを嗅ぐ。それはなんとなくだが、シオンの首元から感じ取れた。
「・・・」
我は剥き出しの肩ではなく、それに連なって見やすくなってる首元に注目する。寝汗とエルフの女性特有の甘い香りの混ざった濃厚な匂いの中に、やはり先ほど感じ取れた花の匂いがした。
さらに細かく覗き込むと、それは吸血鬼に付けられた吸血跡・・・2点の咬み傷から発しているのがわかった。
「ぬぅ」
なぜ傷から花の香りが?呪いの進行を遅らせるためにメアリーが果実や薬草を用いて儀式を行ったが、それとはまた別途によるものである。
念のためシオンの魔力をチェックするも、吸血鬼の魔力以外に不純物は感じられず目立った異常性もない。
それにすでに傷に残っていた花の匂いは残滓を感じさせることなく消え失せており、おそらく我が嗅いだのが最後だったのだろう。勘違いだったと言われるほど花の気配など感じられない。
「むむむ」
しかし、間違いなく今のはバンパイアロードに繋がるヒントの一つのように思えた。
だが痕跡は残っているようで残っていない。寝起きのせいで花の匂いも曖昧だ。植物園に行って花の種類を特定するのは難しいだろう。
ぬぅ。むず痒い気分になり我が唸っていると不意打ちのようにある声が背中を貫いた。
「・・・ウーロさん。何してる?」
「・・・サエラ、おかえりである」
「ただいま。何してる?」
女子の匂いを嗅いでましたーと言えるほど我は図太くない。ゆっくりと振り返ってみるとそこには汗を・・・いや、水洗いした後か。水滴をタオルで拭いながらラフな格好をしたサエラが不審者を見るような目で我を見下ろしていたのである。
我はいやらしい事など何もしてないはずなのに、なぜか衛兵に見つかった罪人のような気分を味わう。
「何もしとらん」
「・・・自分で言って、説得力ないってわかる?」
「・・・うむ」
我はペットではなく中身はオッサンであるからな。対応が人間になるのも仕方がない。
でもホントに悪いことはしとらんのだホントじゃぞ。
サエラはその手の男なら礼でも言われそうな冷たい目で我を見ると、白魚のような細い指を我に向けた。
「もう一度聞く。姉さんのベットに乗る。剥き出しの肌を凝視してる。顔を近づける。何を、していた?」
改めて聞くと我めっちゃ変態的であるな。
「・・・花の匂いがしたのだ」
真顔で言うとサエラが真顔で水を吸って重くなったタオルを顔面に投げつけてきた。
0
お気に入りに追加
910
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる