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〜第6章〜ラドン編
74話「ヘル・シング・ドラクラ」
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まぁ、代々研究を続けていたというのならそういうことだろう。なんな化け物を作り出したのだから。竜に姿を似せたのは竜の研究をしていた時の名残か。
「何故我の顔と似ていたのだ?あのトンボは」
「‥‥‥くくく、愚問ですね。輪廻を支配し、永遠の命を持つと呼ばれるアナタを研究するのに、疑問などいりますか?」
そういう事を聞きたいわけではない。
「我は、どこから我の力の一部を手に入れたのかと聞いているのだ」
今ならわかる。我がボロスフライにいち早く向かっていった理由が。
ボロスフライは、我と同じ遺伝子を持っていた。
同族の気配がしたのだ。ドラゴンではなく、ウロボロスとして。
だが我は群れる生き物ではない。死を克服した結果、個として種が確立されている。
実際、我以外のウロボロスに会ったことなどないし、いるなら我以外のウロボロスの伝承が残っていてもおかしくない。
つまり、エルフ‥‥‥それもかなり古代から生きてる古株でもなければ、我の肉体の一部を利用して合成獣を作り出すことはできないのである。
仮に我から抽出した遺伝子でなく、研究によって我と同じ遺伝子を生み出すことが‥‥‥不可能だが、その場合は話を詳しく聞く必要がある。
答えないようであるなら少し脅してやればいい。
「ふふふ、私が簡単に答えるわけひいっ!?わ、わかりません!先祖から受け継いだもので、私自身はどこで手に入れたか全く知らないのです!!」
面白いように答えるが、我はチッと軽く舌打ちをする。伯爵の家系は大方、不老不死の魅力に取り憑かれ死霊魔術協会と協力し、その力を我が物にしようとしていたのだろう。
死霊魔術協会自体は壊滅していたが、研究材料自体は残っていた。それを伯爵家が代々受け継いでいた‥‥‥ということか。
「でもよ、おかしくねぇか?伝説じゃ、ウロボロスの素材はみんなお前が自爆した時に消えたんだろ?なんで遺伝子か細胞かしらねぇけど、それは残ってんだ?」
「わ、わかりません」
ガルムには苦手意識が芽生えているのか、尋ねられると怯えながら伯爵は答えた。まぁ散々脅されたり攻撃されかけたりしたからな。こうして無力化されては強気に出れんだろう。
これだけ怯えて、嘘を吐いているという事はないだろう。あったとしても、これほどまで怯えても話さないのであれば無理に聞く必要もない。
「それで?貴様はシング族を使ってどうしようとしたのだ?」
最大の謎はそこである。彼らシング族が伯爵の先祖によって作られた吸血鬼もどきというのはわかったが、いわゆる失敗作であったのだろう。なのにどうして今更接触しようと近づいたのだ?
「そ、それは‥‥‥」
言葉を濁しながら目を背ける伯爵。そこにシオンが拳を眼下に叩きつけた。岩が割れた。
「隠せる立場だと思ってんですか?あぁ?」
こっわ。
「ひぃぃぃっ!彼の方が、彼の方が私の目的のためには必要だとーー」
「ダメじゃないか。秘密をバラしちゃぁ」
聞き覚えのある声が伯爵のセリフを隠した。
次回更新は月曜のお昼です
「何故我の顔と似ていたのだ?あのトンボは」
「‥‥‥くくく、愚問ですね。輪廻を支配し、永遠の命を持つと呼ばれるアナタを研究するのに、疑問などいりますか?」
そういう事を聞きたいわけではない。
「我は、どこから我の力の一部を手に入れたのかと聞いているのだ」
今ならわかる。我がボロスフライにいち早く向かっていった理由が。
ボロスフライは、我と同じ遺伝子を持っていた。
同族の気配がしたのだ。ドラゴンではなく、ウロボロスとして。
だが我は群れる生き物ではない。死を克服した結果、個として種が確立されている。
実際、我以外のウロボロスに会ったことなどないし、いるなら我以外のウロボロスの伝承が残っていてもおかしくない。
つまり、エルフ‥‥‥それもかなり古代から生きてる古株でもなければ、我の肉体の一部を利用して合成獣を作り出すことはできないのである。
仮に我から抽出した遺伝子でなく、研究によって我と同じ遺伝子を生み出すことが‥‥‥不可能だが、その場合は話を詳しく聞く必要がある。
答えないようであるなら少し脅してやればいい。
「ふふふ、私が簡単に答えるわけひいっ!?わ、わかりません!先祖から受け継いだもので、私自身はどこで手に入れたか全く知らないのです!!」
面白いように答えるが、我はチッと軽く舌打ちをする。伯爵の家系は大方、不老不死の魅力に取り憑かれ死霊魔術協会と協力し、その力を我が物にしようとしていたのだろう。
死霊魔術協会自体は壊滅していたが、研究材料自体は残っていた。それを伯爵家が代々受け継いでいた‥‥‥ということか。
「でもよ、おかしくねぇか?伝説じゃ、ウロボロスの素材はみんなお前が自爆した時に消えたんだろ?なんで遺伝子か細胞かしらねぇけど、それは残ってんだ?」
「わ、わかりません」
ガルムには苦手意識が芽生えているのか、尋ねられると怯えながら伯爵は答えた。まぁ散々脅されたり攻撃されかけたりしたからな。こうして無力化されては強気に出れんだろう。
これだけ怯えて、嘘を吐いているという事はないだろう。あったとしても、これほどまで怯えても話さないのであれば無理に聞く必要もない。
「それで?貴様はシング族を使ってどうしようとしたのだ?」
最大の謎はそこである。彼らシング族が伯爵の先祖によって作られた吸血鬼もどきというのはわかったが、いわゆる失敗作であったのだろう。なのにどうして今更接触しようと近づいたのだ?
「そ、それは‥‥‥」
言葉を濁しながら目を背ける伯爵。そこにシオンが拳を眼下に叩きつけた。岩が割れた。
「隠せる立場だと思ってんですか?あぁ?」
こっわ。
「ひぃぃぃっ!彼の方が、彼の方が私の目的のためには必要だとーー」
「ダメじゃないか。秘密をバラしちゃぁ」
聞き覚えのある声が伯爵のセリフを隠した。
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