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第4章〜不死〜
46話「永遠に生きる者。永遠に産まれる者。」5
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刹那、爆発が結晶を砕いた。爆発の衝撃が結晶の破片を飛ばし、は飛ばした破片が別の破片にぶつかってさらに細かく分散する。
リメットの壁とまではいかないが、それなりの強度をもつ結晶の塊もベタとガマの「ブラッドボム」には耐えきれなかったようだ。
もくもくと暗い煙が吹き荒れる中、二人の幼女が一人の少女を引っ張って飛び出してきた。
三人とも運動神経が優れているためか、結構な高さからでも無様に転ぶなんて事はなかった。
スタッと猫のように着地したサエラは、灰で汚れた肌を片手でこする。
「死ぬかと思った」
「死ぬよりマシ。」
「どうしてくれる」
「最善策。」
実は結構怖かったのだろう。しつこく謝罪を要求する姿からそう感じた。
だがベタとガマは謝るそぶりは全く見せない。口笛でも吹いて無視でもしそうだ。
我はそんな三人に向かって思わずクスッと笑った。
「クク、すまぬサエラ。頼んだのは我なのだ」
我の声が聞こえて、やっと意識が我の方は向いた。だが振り向いたサエラは一瞬ビクッと肩を揺らして無言になった。
まぁ今の我の姿は相当恐ろしいだろうな。結構全盛期まで近づいてきたし、サエラが見て恐怖を覚えるのも無理はない。
が、少々傷付くのぅ。
「ウーロさん、いつの間に格好良くなって・・・」
あ、別にそんなことなかったわ。そうだな、シオンとサエラならこの姿を見てもこの程度の感想しか出てこないだろうな。
ククク。
「?・・・なんで笑った?」
「いや、なんでもない。なんでもないよ」
なんでもない、大したことのない言葉が嬉しいだけだ。
「竜王さま。美しきお姿。」
「然り。転生前の記憶が蘇る。」
「神々しい。」
「舐めたい。」
ベタとガマが我を囲んでクルクルと回るが、最後どっちかが変なこと言ったぞ。我ちょっぴりこいつらが心配である。
狂信的なまでの信頼は嬉しいが、それで精神が汚染されたらたまったものではない。しっかり教育をせねば。
「ごほん。とりあえず、あと少しで完全体だ。そうしたら我はすぐに奴の元へ向かう。お主らは念のため皆を下がらせておいてくれ」
「了解。」
「心得た。」
ベタとガマが素直に頷く。そんな素直な二人とは対照的に、サエラは我のことを胡乱げに見つめて来ていた。
我が何をしようとしているかはわかっていないはずだ。はずである。
「・・・」
「う、うぬぅ」
このジーっと見てくる瞳が苦手だ。
普段なら睨んでいるように鋭い目をしているサエラだが、部屋の中など周囲の視線が緩まる時にだけ見せるこのダウナー気味の目が子猫じみて可愛らしく思っている。が、隠し事などしているときにこの視線を向けられると、なぜか何もかもが透けて見られているような気分になるのだ。
「・・・なんだ?聞きたいことでもあるのか?」
「別に。ただ、ウーロさんは結構死にたがりだから心配しただけ」
死にたいとか思ってるわけではないぞ?ただそれが最善と考えてしまうだけで・・・。
そう考えつつ、我がなんと言い訳しようかと言い淀んでいると、サエラは我の肥大化した前足をさすってこちらを見上げてきた。
「ちゃんと生きて帰ってこなかったら、100年後怒る」
「わ、わかった!わかったである!それに今回の作戦は無茶だが、死ぬつもりはないからの!」
サエラはエルフだ。我が死んで復活する100年後になったとしても健在のままだろう。
蘇って早々に説教というのは勘弁したいのだ。
「ん。ならいい」
と言ってサエラは頷き、我から手を離して下がった。我の誓いに納得できたのか?無表情な顔からは想像できない。
ただ信じてくれているというのは、我の心の支えとなった。
リメットの壁とまではいかないが、それなりの強度をもつ結晶の塊もベタとガマの「ブラッドボム」には耐えきれなかったようだ。
もくもくと暗い煙が吹き荒れる中、二人の幼女が一人の少女を引っ張って飛び出してきた。
三人とも運動神経が優れているためか、結構な高さからでも無様に転ぶなんて事はなかった。
スタッと猫のように着地したサエラは、灰で汚れた肌を片手でこする。
「死ぬかと思った」
「死ぬよりマシ。」
「どうしてくれる」
「最善策。」
実は結構怖かったのだろう。しつこく謝罪を要求する姿からそう感じた。
だがベタとガマは謝るそぶりは全く見せない。口笛でも吹いて無視でもしそうだ。
我はそんな三人に向かって思わずクスッと笑った。
「クク、すまぬサエラ。頼んだのは我なのだ」
我の声が聞こえて、やっと意識が我の方は向いた。だが振り向いたサエラは一瞬ビクッと肩を揺らして無言になった。
まぁ今の我の姿は相当恐ろしいだろうな。結構全盛期まで近づいてきたし、サエラが見て恐怖を覚えるのも無理はない。
が、少々傷付くのぅ。
「ウーロさん、いつの間に格好良くなって・・・」
あ、別にそんなことなかったわ。そうだな、シオンとサエラならこの姿を見てもこの程度の感想しか出てこないだろうな。
ククク。
「?・・・なんで笑った?」
「いや、なんでもない。なんでもないよ」
なんでもない、大したことのない言葉が嬉しいだけだ。
「竜王さま。美しきお姿。」
「然り。転生前の記憶が蘇る。」
「神々しい。」
「舐めたい。」
ベタとガマが我を囲んでクルクルと回るが、最後どっちかが変なこと言ったぞ。我ちょっぴりこいつらが心配である。
狂信的なまでの信頼は嬉しいが、それで精神が汚染されたらたまったものではない。しっかり教育をせねば。
「ごほん。とりあえず、あと少しで完全体だ。そうしたら我はすぐに奴の元へ向かう。お主らは念のため皆を下がらせておいてくれ」
「了解。」
「心得た。」
ベタとガマが素直に頷く。そんな素直な二人とは対照的に、サエラは我のことを胡乱げに見つめて来ていた。
我が何をしようとしているかはわかっていないはずだ。はずである。
「・・・」
「う、うぬぅ」
このジーっと見てくる瞳が苦手だ。
普段なら睨んでいるように鋭い目をしているサエラだが、部屋の中など周囲の視線が緩まる時にだけ見せるこのダウナー気味の目が子猫じみて可愛らしく思っている。が、隠し事などしているときにこの視線を向けられると、なぜか何もかもが透けて見られているような気分になるのだ。
「・・・なんだ?聞きたいことでもあるのか?」
「別に。ただ、ウーロさんは結構死にたがりだから心配しただけ」
死にたいとか思ってるわけではないぞ?ただそれが最善と考えてしまうだけで・・・。
そう考えつつ、我がなんと言い訳しようかと言い淀んでいると、サエラは我の肥大化した前足をさすってこちらを見上げてきた。
「ちゃんと生きて帰ってこなかったら、100年後怒る」
「わ、わかった!わかったである!それに今回の作戦は無茶だが、死ぬつもりはないからの!」
サエラはエルフだ。我が死んで復活する100年後になったとしても健在のままだろう。
蘇って早々に説教というのは勘弁したいのだ。
「ん。ならいい」
と言ってサエラは頷き、我から手を離して下がった。我の誓いに納得できたのか?無表情な顔からは想像できない。
ただ信じてくれているというのは、我の心の支えとなった。
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