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第3章〜三大王〜
第150話「レヴェナント2」
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結果マーシーにもレッテル村で何があったかを伝えることにした。我がウロボロスだと知ってるなら隠す理由もあるまい。
そこでカスミに何があったのかも話し、人間が負えば確実に死ぬであろうダメージを受けたことも伝える。
いくら勇者級の肉体を持っていても、頭を半分失えば生きてはいられん。だからマーシーは難しそうに唸った。
「頭部に受けたのは、光魔法なのよね?」
「そうだな。たしか《ホワイト・ジャベリン》であったな」
魔力で聖なる光の槍を放つ魔法。威力はとても高く、並大抵の人間では反応しきれない速度も併せ持っている。
カスミはその魔法を受けて死んだのだ。
「光魔法が頭部に直撃‥‥‥もしかしたら、そのせいというか、おかげかもね」
マーシーはなんと、あの男が放った《ホワイト・ジャベリン》のおかげで一命を取り留めたのかもしれないと言う。
「え、なぜ?」
「レヴェナントは魔力に体を侵食されて乗っ取られるんだけど、頭に光魔法が直撃したってことは、脳を光魔法が保護したのかも」
光魔法は主に浄化や悪魔を祓うのに使われる。低級のものは灯り目的がほとんどだが、上位の魔法となれば教会の神父や聖騎士など、神聖な目的に利用されるのだ。
人間の葬儀は光魔法の炎で遺体を焼いたり、清めたりするらしいから実際にアンデットなど魔のモノに対して効果はあるのかもしれん。
魔のモノを寄せ付けないように、御守りとして小物に符呪してる品も見たことがある。
「肉体はアンデットのレヴェナントとして再生し、頭は生前のままカスミは蘇ったというのか?」
「たぶんね。自意識を保ったアンデットとか見たことないから確証はないけど」
マーシーは自信なさげにそう言う。彼女からすればカスミの体からわかる情報を元に答えを出したのだから間違いないのだろうが、そもそもゾンビやレヴェナントが人と変わらずに生きていることが想定外すぎてハッキリと断定できないのもだろう。仕方がない。
「そ、それって、このあとカスミさんが頭も侵食されてアンデット化するなんてこと‥‥‥あったりします?」
シオンがビビりながら質問を飛ばす。ホラーが大の苦手なサエラに至っては顔面蒼白で振り子のように顔をうんうん頷かせている。
レヴェナントは魔力が身体を乗っ取るので、今は平気でも今後どうなるのかを不安に感じたのだろう。
だがマーシーはアッサリとそんな心配を否定した。
「それはないわ。レヴェナントになった時点で侵食は終わってるし、今はカスミちゃんが体の主導権を握ってるんだから平気よ」
一度復活すると、それ以降の魔力の波は収まるらしい。そもそも侵食というのも言い方が悪いが、実際は破損した身体を修復するのが目的らしいので、復活してしまうとそれ以降は止まるそうだ。レヴェナントの凶暴化は、再生した脳が機能してないだけらしい。
我らはマーシーの言葉にホッと安堵した。それにしてもカスミはなんとも稀有な存在となってしまったのだな。
「ねーねー、おじいちゃん」
するとニコニコしながらカスミが我に声をかけてきた。おじいちゃんって我のことか?我しかいないもんな。
「なんだ?」
「えへへ」
へにゃりと変な顔で笑うだけで用件を言わない。我が反応したこと自体で満足したのか、そのままジーっと我を見つめてくる。
なんなのだろうか。いやん恥ずかしい。
「‥‥‥幼児化してるのって、脳みそがかけたのも理由なんですかね?」
「‥‥‥知らないけど、そうなんじゃない?」
シオンとマーシーがコソコソと話す。あぁなるほど。
「あ、マーシーさん。お願いがあるの」
「えっ?お、お願い?」
突然カスミから話をかけられ、マーシーが驚きながら返事をする。カスミはムッと真面目そうに顔を引き締め、ベットの上で正座して姿勢を整えた。
我を含め全員がカスミの眼差しに緊張し、思わず息を飲んだ。
「あたしのこの手、どーしても治らないの。だから新しい手を作ってほしいです!」
新しい手を作るとかとてつもないセリフだな。まぁ多分義手とかそういう類の話だろう。
再生力に優れているというレヴェナントだが、その治癒力も限界があるらしい。カスミはあの時、濁流に飲み込まれたのでその際に腕を大きく破損してしまったのかもしれんな。
マーシーはカスミが義手を欲しがっているのがわかっているのか、けれども難しそうに唸る。
「いいけど‥‥‥わたしこう見えて一流の技術者だから、高いわよ?」
「これで足りるー?」
カスミは無造作に腰につけていた革袋の口を開く そこから無数の金貨や銀貨がキラキラと魚の卵のように溢れていた。
豆鉄砲に当たったかのように、我らの目が点になる。なぁにこれ。
「どお?足りる?」
「た、たたた、足りるけど‥‥‥どうやってこんなお金」
「えへへ、なんかおっきい火が出てるトカゲさんが街を襲ってたから、追い返したら偉い人にもらったのー」
「それウーロさんじゃないですか?」
我を可燃物にするのは止めるのだシオン。
そこでカスミに何があったのかも話し、人間が負えば確実に死ぬであろうダメージを受けたことも伝える。
いくら勇者級の肉体を持っていても、頭を半分失えば生きてはいられん。だからマーシーは難しそうに唸った。
「頭部に受けたのは、光魔法なのよね?」
「そうだな。たしか《ホワイト・ジャベリン》であったな」
魔力で聖なる光の槍を放つ魔法。威力はとても高く、並大抵の人間では反応しきれない速度も併せ持っている。
カスミはその魔法を受けて死んだのだ。
「光魔法が頭部に直撃‥‥‥もしかしたら、そのせいというか、おかげかもね」
マーシーはなんと、あの男が放った《ホワイト・ジャベリン》のおかげで一命を取り留めたのかもしれないと言う。
「え、なぜ?」
「レヴェナントは魔力に体を侵食されて乗っ取られるんだけど、頭に光魔法が直撃したってことは、脳を光魔法が保護したのかも」
光魔法は主に浄化や悪魔を祓うのに使われる。低級のものは灯り目的がほとんどだが、上位の魔法となれば教会の神父や聖騎士など、神聖な目的に利用されるのだ。
人間の葬儀は光魔法の炎で遺体を焼いたり、清めたりするらしいから実際にアンデットなど魔のモノに対して効果はあるのかもしれん。
魔のモノを寄せ付けないように、御守りとして小物に符呪してる品も見たことがある。
「肉体はアンデットのレヴェナントとして再生し、頭は生前のままカスミは蘇ったというのか?」
「たぶんね。自意識を保ったアンデットとか見たことないから確証はないけど」
マーシーは自信なさげにそう言う。彼女からすればカスミの体からわかる情報を元に答えを出したのだから間違いないのだろうが、そもそもゾンビやレヴェナントが人と変わらずに生きていることが想定外すぎてハッキリと断定できないのもだろう。仕方がない。
「そ、それって、このあとカスミさんが頭も侵食されてアンデット化するなんてこと‥‥‥あったりします?」
シオンがビビりながら質問を飛ばす。ホラーが大の苦手なサエラに至っては顔面蒼白で振り子のように顔をうんうん頷かせている。
レヴェナントは魔力が身体を乗っ取るので、今は平気でも今後どうなるのかを不安に感じたのだろう。
だがマーシーはアッサリとそんな心配を否定した。
「それはないわ。レヴェナントになった時点で侵食は終わってるし、今はカスミちゃんが体の主導権を握ってるんだから平気よ」
一度復活すると、それ以降の魔力の波は収まるらしい。そもそも侵食というのも言い方が悪いが、実際は破損した身体を修復するのが目的らしいので、復活してしまうとそれ以降は止まるそうだ。レヴェナントの凶暴化は、再生した脳が機能してないだけらしい。
我らはマーシーの言葉にホッと安堵した。それにしてもカスミはなんとも稀有な存在となってしまったのだな。
「ねーねー、おじいちゃん」
するとニコニコしながらカスミが我に声をかけてきた。おじいちゃんって我のことか?我しかいないもんな。
「なんだ?」
「えへへ」
へにゃりと変な顔で笑うだけで用件を言わない。我が反応したこと自体で満足したのか、そのままジーっと我を見つめてくる。
なんなのだろうか。いやん恥ずかしい。
「‥‥‥幼児化してるのって、脳みそがかけたのも理由なんですかね?」
「‥‥‥知らないけど、そうなんじゃない?」
シオンとマーシーがコソコソと話す。あぁなるほど。
「あ、マーシーさん。お願いがあるの」
「えっ?お、お願い?」
突然カスミから話をかけられ、マーシーが驚きながら返事をする。カスミはムッと真面目そうに顔を引き締め、ベットの上で正座して姿勢を整えた。
我を含め全員がカスミの眼差しに緊張し、思わず息を飲んだ。
「あたしのこの手、どーしても治らないの。だから新しい手を作ってほしいです!」
新しい手を作るとかとてつもないセリフだな。まぁ多分義手とかそういう類の話だろう。
再生力に優れているというレヴェナントだが、その治癒力も限界があるらしい。カスミはあの時、濁流に飲み込まれたのでその際に腕を大きく破損してしまったのかもしれんな。
マーシーはカスミが義手を欲しがっているのがわかっているのか、けれども難しそうに唸る。
「いいけど‥‥‥わたしこう見えて一流の技術者だから、高いわよ?」
「これで足りるー?」
カスミは無造作に腰につけていた革袋の口を開く そこから無数の金貨や銀貨がキラキラと魚の卵のように溢れていた。
豆鉄砲に当たったかのように、我らの目が点になる。なぁにこれ。
「どお?足りる?」
「た、たたた、足りるけど‥‥‥どうやってこんなお金」
「えへへ、なんかおっきい火が出てるトカゲさんが街を襲ってたから、追い返したら偉い人にもらったのー」
「それウーロさんじゃないですか?」
我を可燃物にするのは止めるのだシオン。
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